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2018年11月議会で12/7に河田正一議員が行った個人質問の事前提出原稿(全文)です。
(1)資源化によるごみ減量
平成21年の家庭ごみ有料化に前後して減量化対策として分別を進めてきました。しかし、岡山市のごみ処理の基本は焼却処理であり、生ごみ・プラスチックなども燃やすことで処理しています。H27年度実績によると、26万トンの総排出量のうち21万トンを燃やしています。資源化しているのは1万3千トンです。
ア 生ごみのコンポスト化
可燃ごみのうち、厨芥類は減少傾向にあるとはいえ4割近くを占めています。約8万トンが燃やされています。生ごみは水分を非常に多く含んでいるので、燃焼効率は悪く、そのために岡山市では助燃材として廃プラスチック(以下、廃プラ)を燃やすことを必要としています。生ごみを分別すれば、ごみ焼却量は大幅に減少させることができます。
ごみ減量化に取り組むことは焼却場の規模縮小、維持管理費の削減、埋め立て量の減少による最終処分場の延命化など多くの効果があります。
岡山市は生ごみ分別が、手間がかかり且つ市民の協力が得られないといって分別に消極的ですが、他自治体では様々な工夫により、分別し堆肥化・コンポスト化等を行って、可燃ごみ減量化・資源化に取り組んでいる事例があります。
◆長岡市(新潟県)-「地域エネルギービジョン」を策定し、その一つとして「生ごみを利用したバイオガス発電システム」を導入。生ごみの分別と週2回の収集を実施した。可燃ごみの収集は週1回に減らした。しかし、臭気が出て困る紙おむつは、可燃ごみ袋に〇をして生ごみ日に出すようにしている。
発電量の85%をFITで売電し、維持管理運営経費の削減を図っている。
可燃ごみは大幅に減少し、焼却施設は3施設から2施設に統廃合と規模縮小が可能となった。
◆葉山町(神奈川県)-可燃ごみは戸別収集に切り替え、資源ごみは町内会と業者の直接契約による集団回収に転換。可燃ごみは25%減少、不燃ごみは6割減少、廃プラは1/3に減少。
また、生ごみの自家処理普及に力を入れており、あまり手をかけずに生ごみを自家処理できる処理機「キエーロ」や、集合住宅版「ベランダdeキエーロ」の普及を図り生ごみの減量化を進めている。
◆国立市(東京都)-集合住宅の多い国立市では「ベランダdeキエーロ」は有効だが、1台16,000円するので、市職員が工夫し市内業者の協力を得てプラスチック製プランターを利用することで2,000円に下げることができた。
◆日野市(東京都) 家庭ごみ有料化とともに戸別収集に切り替え、ごみの見える化を実施。それにより、家庭系処分ごみは45%減となった。市長が先頭に立ち、ボランティア職員と共に駅頭や説明会で「ごみ改革」を訴えるなど、行政サイドの意気込みが多くの市民の共感を呼んだとされている。
◆大木町(福岡県)-し尿と生ごみによるメタン発酵で発電を行い、液肥を使った有機農業に努めている。また、分別を徹底し、容器リサイクル法にかからない廃プラスチックは油化している。
◆岡山市-段ボールコンポスト、食品ロス啓発、マイバック運動、簡易包装の推進の呼びかけ等を行っている。
ごみの見える化効果は大きなものがありますが、それとともに、ごみ減量の決め手となる生ごみの分別に取り組むことが必要と考えます。
今年2月の私の質問に対し、市民に負担をかけること、収集コストが発生すること、たい肥の利用先確保の点で事業化に高いハードルがあると答弁しています。
質問します。
① 岡山市の行った生ごみ減量の成果をお示しください。
② 生ごみ収集は週に2回で、可燃ごみを週1回に減らすことにすれば、収集費用に大きな増額は無いと考えます。また、たい肥化でなく、メタン発酵による売電をすること、液肥にすることで対応がしやすくなるのではないかと思いますが、ご所見を示してください。
③ メタン発酵による発電、液肥の製造と農地への散布による有機農業の振興など多くの利点があります。資源の循環を考え、持続可能な社会をつくるSDGs理念に沿ったものになります。岡山市も取り組むことを真剣に考えませんか。
イ 廃プラの分別・資源化
厨芥類の分別・コンポスト化ができれば、廃プラはより有効な資源となります。2016年度の全国の廃プラ量は899万トンで、そのうちマテリアルリサイクルは23%、サーマルリサイクルは58%です。ケミカルリサイクルは4%あり、油化もされています。廃プラスチック、ゴム、皮革等は可燃物の22%を占めています。
プラスチック類の分別を実施すれば可燃ごみは大きく減らすことができます。容器リサイクル法(以下、容リ法)による資源化物は売却するとともに、容リ法以外の廃プラを油化することによる効率的な発電で、FIT法による売電で維持管理費を大きく削減できます。
質問します。
① 容リ法に合致する廃プラは岡山市ではどれくらいありますか。量と可燃ごみに占める割合をお示しください。
② 容リ法に合致しない廃プラの量と割合はいくらですか。
③ プラスチックの分別を考えませんか。
④ プラスチックの油化技術、それによる発電についてどのような研究をしましたか。
(2)事業系ごみの処理料金適正化について
ごみの排出状況を見ると家庭ごみは微減傾向ですが、事業系ごみが増加傾向にあり、ごみ排出の約40%を占めています。
家庭ごみは、本来税金で処理すべきであるにもかかわらず、公平性を理由にして有料化しました。一方、収益事業として収集を行っている事業系ごみの料金は処理費用と大きくかけ離れたままです。
先日の岡山市環境政策審議会で「事業系ごみ処理手数料の見直しについて」が議題になりました。事業系ごみの処理手数料は家庭ごみの有料化がされる以前の平成16年から改定されていません。ごみ処理原価はランニングコストだけでなく施設の建設コストも併せて考えなくてはなりません。ごみ処分を事業として行っている事業系ごみの手数料は実際のかかっている処理費用を徴収すべきです。
質問します。
① 審議会資料では岡山市のごみ処理に要した費用は232円/10Kgとなっています。
その根拠をお答えください。
② 他自治体からの受け入れ可燃ごみ処理料金はいくらですか。
③ 事業系ごみ料金改定をいつから実施したいと考えていますか。
(3)ごみ処理広域化計画について
広域化対策事業の債務負担行為87,300千円が、今議会に出ています。計画の流れを見ると、ごみ処理は今までと同じように焼却すればよいとの考えで進めているように受け止められます。
質問します。
① 減量化対策をすることで、炉の規模を縮小することは考えないのですか。
② 地球温暖化対策についてはどのような対応を考えていますか。
③ 豊成周辺地域への説明はどのように進めますか。
④ 豊成温水プールの改修についてはこの広域化事業とセットで考えていますか。
⑤ 概算事業費をどの程度に見込んでいますか。
(1)瀬戸内市新火葬場の炉数について
岡山市の将来火葬件数のピークは、平成52(2040)年度です。瀬戸内市のピークは平成47(2035)年度です。この時間差は瀬戸内市に限らず周辺市町村のほうが高齢化率は高いことから、岡山市のピーク時には市外利用率は低下すると思われます。
岡山市としては28炉が必要とし、瀬戸内市は2炉必要となっています。しかし、それぞれが分けて炉数を決めるのではなく、合わせて29炉で足りるのかどうかの計算が求められます。
質問します。
① 岡山市と瀬戸内市を合わせた火葬件数に基づいて炉数を決めることは考えていますか。
② 来年2月に東山斎場14炉が完成しますが、現在の20炉からは減少します。岡山北斎場ができるまではどのように斎場運営をするつもりですか。
③ 火葬集中係数が基本構想策定時(H28)の1.66が1.72に変更となっています。根拠は正しいですか。
④ 死亡者がピークになる平成52(2040)年度の暦を見ると友引は60日です。正月三が日を考慮すると斎場の稼働日数は302日になります。岡山市が計算し直した将来火葬件数を当てはめると、瀬戸内市分と合わせても29炉になります。29炉の計画ではダメで、30炉でなければならない理由があれば示してください。
(岡山市9,631+瀬戸内市532=10,163⇒ 10,163件/302日×集中係数1.71/2回転/日=28.77≒29)
(2)瀬戸内市新火葬場計画における岡山市の費用負担について
① 費用負担については全く話をしていないとのことですが、負担割合についてはどの段階で協議しますか。
② 建設負担割合を確定する前に、議会に説明をしますか。
③ 建設費、維持管理費の負担についてどのように考えていますか。
(1)被災者支援に資する住家被害認定、災害救助法の弾力的運用について
御津宇垣地域では床上130センチでも「半壊に至らず」との被害認定がされている家など外水による浸水であるにもかかわらず、支援が受けられない家屋が多く存在します。
被災直後にはわからなかった断熱材を伝って壁にカビが発生している事例もあります。
被災者にとって、住宅被害認定の結果はその後の生活再建の帰趨を決する死活問題です。
そもそも、各種制度は被災者の生活再建を第一に考えて運用されなければなりません。
そのためには、被災自治体における被害状況に応じた独自の施策が柔軟かつ積極的に行われることが望まれます。しかし、これを阻んでいるのは、第1に、国の「被害認定基準」や「運用指針」に事実上拘束されていること。第2に災害救助法の一般基準に関しては「災害救助事務取扱要領」に掲げられた限定された被災に事実上拘束されていることがあります。
① 岡山市の被害認定は国の「被害認定基準」や「運用指針」、「災害救助事務取扱要領」に縛られた対応に終始しているのではありませんか。しかも読み方が間違いはありませんか。
② 被災者の生活再建を第一に考えて柔軟で積極的な支援をするためにも、被災認定基準を柔軟に運用しませんか。
(2)町内集会所補助金の特例拡大について
半壊以上の被害を受けた町内集会所に対して、災害特例として、今回に限り補助対象品目を拡大して、備品等の買い替えを補助することになりました。
① 半壊以上という制約をつけていますが、床上浸水したところは、座布団・カーペット、畳等同じような被害があったのではありませんか。
② 集会所新築等補助金は岡山市独自の施策です。床上浸水以上に拡大して運用はできませんか。
(3)河川の浚渫
御津宇垣地区の旭川の浚渫が始まりました。浚渫土の搬出に多額のお金がかかり、浚渫土の捨て場の確保に苦労していると聞いているので、必要な土砂の撤去が全てできるのか気にかかります。
私有地であっても埋め立てが可能な土地に搬出することはできないのでしょうか。岡山市が県と個人の仲立ちをすることで、県としても柔軟な対応が可能になるのではないでしょうか。
① 私有地を浚渫土等の置き場にした事例はありませんか。
② 浚渫を早期に効率的に行い、災害に備えるためにも、市として積極的に県と土地所有者との仲立ちをしませんか。
(4)農地復旧について
御津国ケ原の堤防決壊で甚大な被害を受けた方からの相談です。農地は農業法人に貸していますが、表土がなくなったので、表土を入れる費用を地主が負担してくれと言われたとのことです。
① 農地復旧には耕作をするための表土は含まれませんか。
② 農地復旧の地元負担率はどの程度になりますか。