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【印刷用】 2021年11月議会 議案討論 【林】(211221)
日本共産党岡山市議団を代表して、甲第202号議案 令和3年度岡山市一般会計補正予算(第5号)について、委員長報告に反対の立場で討論します。
第3表の2債務負担行為補正中、学力調査委託は、全国学力・学習状況調査に合わせて、岡山市が行っている独自の学力テスト 学力アセスを小学2年生にまで広げ、テスト自体は業者に委託するための増額です。
私たちは全国学力・学習状況調査(以下、全国学テ)は、子どもたちと学校をテスト競争に追い込み、教育がテスト対策に歪められる、と反対してきました。
そして6年生でのテスト形式に慣れるよう4年生から学力アセスが始められました。事実上の全国学テ対策です。それをさらに低学年にまで広げようとするものです。
最初の教育大綱で全国学力テストの偏差値が目標にされ、第二期教育大綱でも引き継がれました。今回の学力アセスの拡大は、教育大綱に沿ったものです。
子どもたちの学びの理解は、日頃から子どもたちに教えている先生が自ら確認するのが一番だと考えます。学力アセスの導入時には、先生たちが自分で問題を作成するとされていました。
ところが、これからはテストの問題作成と分析、子どもたちの状況の調査を増やして業者に委託しようとしています。
子どもたちの状況とテスト成績の関係の情報は、学習・教育産業がもともと欲しがっている情報です。
学力アセスの対象の学年や調査内容の拡大は、結果的に企業が求める情報を提供することになってしまいます。
子どもたちの学びの支援で重要なのは、先生が個に応じた対応できるようにすることです。
テストを増やすより、先生を増やすことが一番です。
よって、この予算に反対です。
第4表 地方債補正中、児童館整備費充当、歳入第26款市債第1項市債第3目民生債の児童館整備費充当、歳出第3款民生費第10項児童福祉費第30目児童館費中、児童館整備事業費は、錦児童館を建て替える予算です。
市は、錦児童館の建て替えに伴い、大曲児童館を廃止しようとしています。
建て替え後の錦児童館は、延べ床面積が増えるとしていますが、大曲児童館と合わせて考えれば延べ床面積も敷地面積も縮小です。
児童館の職員も、合わせて5名から3名に縮小されます。
大曲児童館は4,890人の利用があり、そのうち小学生は1,517人です。
大曲児童館から錦児童館へは、道のりが9キロ以上あり、自動車でも移動に十数分かかります。子どもが自力で移動するには遠すぎます。送迎してもらえる子どもしか利用できなくなります。
代替として子育て広場のような地域での対応はまだ構想の上、就学前の子どもだけが対象です。専任の職員なしに小学生以上も対象にした、児童館の代わりになる活動はできません。地域の方の頑張りを当てにして、市の施設と体制を縮小してはなりません。
別な代替案の民営化を前提とした認定こども園での子育て支援事業も対象は就学前の子どもです。想定される場所は国道30号線を越えた場所で、大曲児童館の代わりにはなりえません。時期も具体化されていません。
令和3年3月16日に、子ども・子育て会議に出された「市立児童館の今後のあり方」では、大曲児童館も錦児童館も令和5年度中までに、「耐震設計・耐震改修(検討・調整含む)」とされていました。
それが利用者保護者から市が直接、聞き取りをしないまま、大曲児童館が廃止されるのは拙速です。委員会へも事後報告でした。
児童館の目的にもある通り、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、情操をゆたかにする場の確保には、そのまま二つの館を耐震化すればよいのです。
施設の統合、人員の削減では子どもが遊び、過ごす場の充実にはなりません。
よってこの予算に反対です。