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3月4日に東つよし議員が行った個人質問(1回目)の原稿です。
1 障害者福祉について
(1)浅田裁判の結果を受け止めて
介護保険不申請のみを理由に、65歳になった重度障害者の浅田達雄さんから月249時間の障害福祉サービスを岡山市が全て奪ってから6年、浅田さんが岡山市を提訴した裁判は地裁に続き高裁勝利、判決確定で終わりました。
市は浅田さんへのサービス取り上げの理由に、自立支援法7条の「介護保険優先原則」をあげましたが、”優先”とは明記されていません。なにより行政が命を奪いかねない決定をしたという認識を持たねばなりません。
質問ア:浅田さんからの全てのサービス停止を行えば、死ぬかもしれないという認識がありますか。
質問イ:市長は上告断念について「浅田氏のさらなる負担の増加を考慮し」と言われましたが、高裁への控訴など5年にわたって裁判をたたかわせた負担をどう考えますか。
質問ウ:浅田さんに謝罪すべきではないですか。
質問エ:今後、介護保険を申請しないことを理由に障害福祉サービスの取り上げを行うことはありませんか。支給停止を行うとすればどのような条件ですか。
質問オ:高裁判決では介護保険給付が、自立支援給付の全てに相当するとは言えないとしています。自立支援給付について介護保険に一律に移行させるのではなく、代替可能かどうか、当事者の意志を尊重して選べるようにできませんか。
障害福祉サービスを無料で受けていた障害者が65歳で介護保険を利用する場合、今年度から償還払いで実質無料になりました。障害者が声を上げた運動が法改正を勝ちとったものだと理解しています。しかし支給手続きは岡山市では3月になります。
質問カ:理由は何ですか。対象者全員に支給の働きかけは届いていますか。
質問キ:来年度は早く支給できますか。支給漏れを出さないためにどうしますか。
質問ク:償還払いでなく現物給付にしませんか。
(2)障害者医療費助成制度拡充について
障害者医療費助成制度に精神障害者が加えられます。対象拡大は喜ばしいですが、入院が1年を超えると対象から外れます。これにより身体や知的の障害のある方のうち精神疾患で長期入院されている方が負担増になる事態になってはなりません。
質問ケ:身体や知的の障害のある方のうち精神疾患で長期入院されている方は何人ですか。
質問コ:新しい制度導入後も現状の人数のままなら、来年11月末以降に市の財政負担が”うく”額はいくらと予測できますか。
質問サ:現在の制度のもとで助成を受けていた人が、制度を変えたもとで助成の対象から外れる事態は、回避すべきではありませんか。
質問シ:入院が1年をこえると社会復帰が困難になるとの事ですが、必要なことは医療や地域の面で力を尽くすことです。助成の停止は却って心の負担を増やす、リスクを伴う施策になりませんか。
2 岡山芸術創造劇場(仮称)について
(1)芸術は全ての市民のために
先の11月議会では、経費が165億円から235億円に増えたことについて質問しました。民間の再開発事業への市有施設取得は、経費の算出根拠が議会に出せない部分があり、もう繰り返してはいけないと指摘をします。今回は市民に芸術を根付かせていく視点でうかがいます。
質問ア:市民に、とりわけ今まで芸術にふれる機会のなかった市民にとって劇場はどんな意味がありますか。
質問イ:教育機関や福祉施設でアウトリーチを行う目的は何ですか。
質問ウ:利用者・市民の運営への関与はどれだけ可能ですか。
質問エ:運営母体はシンフォニーと一体的に事業を行うとしていますが、スタッフに両方の施設の特性や、文化芸術への広い理解が必要になるのではないですか。
質問オ:来年度に確保するスタッフにどんな専門性を求めますか。
(2)収支について
収支計画を見ると、毎年の市の負担は5億円あまりと読めます。市の財政負担は青天井であってはいけないと考えます。市民、法人から広く協賛金を募り、財政的に支えてもらう努力が必要ではないでしょうか。
質問カ:国助成金と協賛金あわせて6000万円の予測です。集まらなかった場合や不測の経費増があった場合、市負担が増えるのでしょうか。
質問キ:協賛金の確保はどうすすめますか。
質問ク:岡山市の芸術活動などで募金や協賛金等を集めた実績はどれだけありますか。
質問ケ:学校や文化団体が今まで利用してきた減免について、存続あるいは何らかの助成金が考えられませんか。
3 災害からいのちを守る街づくりについて
(1)7月豪雨の検証を真剣に
昨年の7月豪雨をうけて、岡山県は関西大学社会安全研究センターのセンター長の河田よしあきさんを委員長に、専門家による検証委員会を開いています。現在第6回を数え、議事録公開の早さもあわせて県の本気さを示すものになっています。岡山市の課題抽出・検討委員会では、外部の人達は意見を聴取する程度の位置づけです。県のとりくみから学んだ検証が必要ではないでしょうか。
質問ア:岡山市において検証されたことはいつ、どのような形で公表しますか。
質問イ:市内の全被災者対象に災害時の対応行動やその後の生活についてアンケートを集めませんか。
質問ウ:県で話し合われている災害対策本部機能の改善は、岡山市にも生かされるべき中身ではないですか。
(2)自主防災づくりは市が地域に入り担い手育成を
市は単位町内会単位での自主防災の組織率100%を目指すとしています。ただ、何かと忙しい町内会に新たな役割を被せることは難しいです。行政の下請けのような扱いに不満の声をうかがうところでもあります。
助成金が使いやすくなるのは、今がんばっているところには朗報です。しかし自主防災の組織率が伸び悩むのは、なにより担い手の確保の困難さが原因です。必要なのは、市が地域に入り担い手を育てる努力ではないでしょうか。
質問エ:活動が軌道にのっている自主防災組織から、行政が生かすべき教訓は何だと分析されますか。
質問オ:自主防災組織の担い手をつくるために、どのような働きかけの改善が必要だと考えますか。
質問カ:防災士の育成支援で自主防災組織結成につながった教訓はありますか。全市に広げられますか。
質問キ:自主防災組織に、避難行動を支援する役割を求めていますが、避難行動要支援者に対する個別支援計画作成へのとりくみはどう前に進めますか。
(3)災害時の協定について
団体等との災害時の協定について、他自治体のとりくみをうけてうかがいます。
質問ク:災害時に緊急車両の応急整備や登録資機材の貸し付けのために、自動車整備に関わる企業や団体と市独自での協定が必要ではないですか。
質問ケ:福祉用具の細かな需要に応えるために日本福祉用具供給協会などとの協定を結ぶ必要がありませんか。
質問コ:2月に千葉市はNTTと協定を結びました。蓄電池の電力供給をうける実証共同検討についての協定です。岡山市も関わる可能性がありませんか。