市議団ブログ

「自衛隊に提供」 市長が明言
[ 09月15日 ]

 

15日の岡山市議会本会議で、大森雅夫岡山市長が自衛隊に18歳と22歳の名簿を提供する考えを明言しました。鬼木のぞみ議員の質問に答えたものです。

市長と担当局長の答弁の要点は、次の通りです。

●自衛隊の募集に協力することは、法・政令・施行令で市町村の法定受託事務となっており、当然。自衛隊の求めに応じて募集の一部として資料の提供を行いたい。

●市個人情報保護条例の例外にあたり、個人情報保護審査会での審査は不要。

●提供内容は、18歳と22歳(高校3年と大学4年の学年)の氏名と住所。生年月日は提供しない。

●提供方法は、宛名シールで検討中。

●提供を望まない人については対象から除外する。除外するための具体的な手続き方法は今後策定する。手続き方法などの周知は、広報紙等で行う。

●自衛隊とは従来と同じように誓約書を交わす。


大森市長は、自衛隊法や関係法令などを基に提供することは「当然」との考えを何度も繰り返しましたが、実際にはいくつもの重大な問題を持っていると私たちは考えます。

●憲法13条で保障されている「プライバシー権」や「自己情報コントロール権」を侵害する恐れが濃厚。

●自衛隊法等は、国側が自治体に「求めることができる」と規定しているだけで、自治体に義務を課している根拠法令は無い。

●国会でも「市町村は法定受託事務としてこれを行っておるわけでございます。私どもが依頼をしても、こたえる義務というのは必ずしもございません」(2003年4月23日)と大臣答弁があり、「法定受託事務」だからといって、市町村が提供することが義務化されているわけではない。

●提供の直接の根拠としている自衛隊法施行令よりも上位の自衛隊法97条に個人情報の提供についての規定自体が無いのに、下位の施行令で広範な個人情報の提供を認めるという主張は、法解釈上おかしい。

●自衛隊は、場合によっては戦争に参加することもありうる。自衛隊員勧誘のために18歳や22歳の市民の個人情報を提供することは、恒久平和を願い、核兵器の廃絶や平和で幸せな岡山市を築くことを誓った「岡山市平和都市宣言」に背く。

 

私たちは、岡山市の今日の表明に厳しく抗議し、提供方針の撤回を強く求めます。

「私たちのことを私たち抜きで決めないで」「私の情報は提供させない」という声を大きく広げましょう。

 

(画像は、岡山市平和都市宣言と宣言を記念して建立された平和像で、市HPから)