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岡山市は22日、4月からの認可保育園などへの入園申し込みについて、およそ1800人が一次調整では入園できないとする途中経過を公表しました。
昨年や一昨年の同時期より増えています。
あさって頃から各家庭に一次調整の結果が通知されます。入園できなかった方については、二次調整(2/4締切)や三次調整(3/5締切)が行われます。
大森市長は記者会見で、保育士不足や10月からの「無償化」が要因と考えられるとし、岡山市が現在行っている私立保育士の給与2%引き上げの補助制度も示しながら、対応が必要との考えを示しました。
このように保育園に入れない子どもがたくさんいる一方で岡山市は、122あった市立幼稚園と保育園を30の認定こども園だけ残して、残りは廃止か民営化する計画を強硬に進めています。
この方針があるために、市の保育士採用は退職者数を下回る状況が毎年続いていて、市立園の中には保育士不足のために定員まで園児を受け入れられない園がいくつもあります。
市は、保育コンシェルジュを増やして、入園できない子に別の施設を紹介してきたとしていますが、そうやって紹介された結果、「上の子は北区の北のほうの保育園、下の子は東区の保育園で、朝晩の送迎に毎日何時間もかかる」という家庭もあります。
しかも、岡山市が確保をすすめている「受け皿」は、保育士がそろっていて園庭や給食などの基準もしっかりしている認可園だけではありません。
保育スタッフのうち資格を持っている保育士は1/2いればよいという「企業主導型保育」や市独自の「特任登録保育施設」も含めて、「受け皿」と呼んでいるのです。
これでは、安心してわが子を預けたいという保護者の願いには一致しません。
市が本当に待機児童問題を解決しようとするのであれば、4分の3もの市立園を無くしてしまおうとする方針を撤回し、市が責任をもって保育士を確保して、今ある保育園でしっかり園児を受け入れることや、幼稚園の空き教室を積極活用することが必要です。
また、保育士の賃金など処遇とともに過重労働の改善を進めて、安定して勤め続けられる保育士を増やすことも重要です。
市が行っている私立保育士の2%賃金上乗せに必要なのは1年あたり1~2億円です。
単純な比較ができるわけではありませんが、路面電車の駅前乗り入れは30~40億円かそれ以上、吉備線LRT化のための初期投資の市負担分は70億円、市役所の建て替えには243億円、新市民会館に235億円と、市はこの間、矢継ぎ早に大型事業推進を表明しています。
まもなく始まる2月議会では、岡山市がどこにどれだけお金を使うのか、しっかりとした議論をしなければなりません。