市議団ブログ

「もう執行済みだから」でいいの?
[ 09月26日 ]

議会が自治体の前年度決算を審査することには、どんな意義があるのでしょうか。

議会活動をするにあたって常に立ち返る指針となる「議員必携(第11次改訂新版)」(全国町村議会議長会編、学陽書房)を、また読み返してみました。

「第三編 議案審議の実際」の「第三章 決算の認定」の文章をいくつか引用します(p267~268)。

「議会が決定した予算が適正に執行されたかどうかを審査するともに、各種資料に基づいてその行政効果や経済効果を測定し、住民に代わって行政効果を評価する、きわめて重要な意味があることを再認識すべき」

「また、審査の結果は後年度の予算編成や行政執行に生かされるよう努力すべきである」

と記されています。

また、決算認定制度の意義について、

一次的意義として、「(決算審査の)過程でこれからの反省事項なり改善事項をまとめる。(略)議会としては、予算審議と財政運営の批判と指導に役立てる意義」

二次的意義として、「予算執行の責任者(略)が、すべての執行や事務処理に当たって慎重になるという意味において、事前統制と事前監視の役割を果たすとともに(略)」

三次的意義として、「住民に対して、決算審査を行う議会を通じて、町村の財政の実態を知らせて、理解と納得を得るという意味で、財政民主化を徹底できる意義」

などと記されています。

 

決算審査とは、すでに執行された後のことだから反対しないなら深い議論は不要、などいう意見がもしもあるのであれば、この記述に照らして、どうなのでしょう。

私たちは市当局の方とも議会全体でも、この「議員必携」の指摘を共有し、しっかりと中身のある決算審査を行いたいと考えています。

今日は、資料請求も踏まえた発言通告を提出しました。29日から始まる分科会での決算審査に向けて、準備は佳境に入っています。

決算の数字、予算額との対比、事業の目標と成果、過去の議論、などさまざまな資料やデータを見ながら、準備を進めています。

単に終わったこと、執行済みだから、ということではなく、来年度予算などこれからの岡山市のお金の使い方を考えていくためにも、しっかり決算審査に取り組みたいと思います。

一般的にはあまり知られていない、注目もされにくい「決算審査」ですが、ぜひご注目ください。

 

(なお、「議員必携」の最新版は今年4月発行の第12次改訂新版です)