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2019年2月定例岡山市議会の3/4(月)の個人質問で大森雅夫岡山市長は、いわゆる「浅田裁判」問題で市側の謝罪などを求めた東つよし議員の質問に対し、「改めて今回の裁判結果を踏まえ、当時を振り返ってみると、結果として福祉サービスが受けられない期間が生じたことに対しては、もう少し柔軟な対応ができたのではないかという思いはあり、申し訳なく思っております」と述べました。
この問題は、重度障害者の浅田達雄さん(岡山市中区)が65歳になった際に、介護保険を申請しなかったことだけを理由に、それまで受けていた障害福祉サービスをすべて打ち切られたことについて岡山市を訴えていたもので、昨年12月に浅田さん全面勝訴の高裁判決が確定していたものです。
サービス打ち切りから6年、裁判の5年間を経て、岡山市が初めて謝罪しました。
また、高齢障害者への今後の対応について、「福祉サービスが途切れることのないよう」にすると答弁しました。
今日の市長や保健福祉局長の答弁やそれ以降の質疑の全体は、次の通りです。
なお、画像および次項以下は団事務局の速記録であり、議会の正式な議事録は後日公表されるものをご参照ください。
また、東つよし議員の最初の質問については、別記事(https://okjcp.jp/publications/832)をご参照ください。
◎大森雅夫市長
それでは答弁いたします。障害者福祉の浅田裁判の結果を受け止めて、5年にわたる負担をどう思うか、謝罪すべきではないかというこの2点について申し上げます。
高裁への控訴については、岡山市と同様の取扱いをしていた他都市の事例も多くある中で、地裁の判決における法令の解釈について上級審の判断を仰ぎたく控訴いたしましたが、高裁においても地裁と同様に、違法な行政処分にあたるとの判断が示されました。判決後、この場で発言させていただいた通り、重度障害者である浅田さんに対する更なる負担の増加を考慮し、最高裁判所への上告は行わないといたしました。
改めて今回の裁判結果を踏まえ、当時を振り返ってみると、結果として福祉サービスが受けられない期間が生じたことに対しては、もう少し柔軟な対応ができたのではないかという思いはあり、申し訳なく思っております。
今後も、障害福祉サービスを利用している障害者が65歳に達した場合は、介護保険サービスを利用するための理解を得るよう対応すると共に、福祉サービスが途切れることのないよう丁寧な対応に努めてまいります。以上です。
◎森安浩一郎保健福祉局長
1障害者福祉の項、市長答弁以外についてお答えいたします。まず浅田裁判の結果、サービスを停止したことの認識、それから支給停止の条件、それから当事者の意思を尊重して選べるようにできないかについてです。
障害者自立支援法第7条の介護保険優先の考え方のもと、65歳になり介護保険の申請をせず障害福祉サービスを継続することが法に反するとの当時の認識に基づき、やむを得ず●不支給●処分を行ったものです。障害者自立支援法は、介護サービスが利用可能な障害者が65歳になり、今まで利用してきた障害福祉サービスと同様のサービスを介護保険で受けることができるときは介護保険の申請をしていただき、受けられる介護保険サービスに不足がある場合に障害福祉サービスから上乗せなどの給付を行うことを定めており、制度上、介護保険サービスと障害福祉サービスを選択するものではありませんが、先ほど市長がご答弁した通り、判決を踏まえて適切な対応に努めてまいりたいと考えています。
次に、償還払いが3月になる理由、それから対象者への働きかけ、来年度の支給について、現物給付にしないかについてです。平成30年4月から施行された介護保険サービスの利用者負担償還を行う新高額障害福祉サービス等給付費制度の支給事務について、遺漏の無い処理を図るためには、介護保険の情報など国保連合会との連携処理を行うなど、国が示したスケジュールに合わせて償還の準備を行わざるを得ません。岡山市としては今月上旬に対象者に対して、平成30年10月分までの給付費の●申請内●案内を送付し、その後支払いを行う予定としております。
来年度については、対象者に対して今年度より早めに申請のご案内をするとともに、その後も定期的に申請のご案内をする予定にしております。この制度に該当される方が介護保険の申請を行い、償還払いを受けることができるよう、利用者へのお知らせや窓口等で丁寧な説明を行ってまいります。
なお、この制度は法令上償還払いとされており、現物給付はできません。
◆東つよし議員
はい、ご答弁ありがとうございます。まずは市長、ご答弁ありがとうございます。浅田さんの、死の淵に追いやるような決定であったということについての重みをしっかりと受け止めて、これから先の障害福祉サービスというのを進めていただきたいということでお願いをいたします。
それで、一問一答形式で質問に移りますが、質問のアに対してなんですが、やむを得ず行ったということで言われたんですが、やはりこのことについては死ぬかもしれないと言う認識があったのかどうか、そのことについてきちんと考えた上でやむを得ないという判断だったんでしょうか。
◎森安保健福祉局長
本人や支援者の方とも話をさせていただいてまして、結果的に介護申請をしていただけず、やむを得ずボランティアの方が対応されたということになっていると考えております。我々としては●その時●やむを得ず判断をさせていただいたということで理解いただければと。よろしくお願いいたします。
◆東議員
そういう経過だったということは認識しております。その上で、今後の話としてお伺いをしますが、これからもサービス停止といった重大な決定を行うのかどうか、行う場合には何が起こるのかの検証を詳細にはされるのかどうかについて確認です。いかがでしょうか。
◎森安保健福祉局長
先ほどもご答弁させていただいた通り、介護保険サービスの申請が必要であることを繰り返しご説明した上でですね、障害福祉サービスが受けることについても真摯に丁寧に対応してまいりたいと思います。以上です。
◆東議員
その話ではなくてその先ですよ。どういう姿勢で臨むかということについては何度か今まで2回答えていただいたんですが、その結果によって命を奪われるようなことが起こるんじゃないかということまで判断をするのかどうか。もう、そっから先は知らないよっていうことになるのか。決定の先に起こることについて考えて決定をされるのかということについてお伺いをしたんです。どうですか。
◎森安保健福祉局長
障害福祉サービスの利用の決定をする際には、やはり総合的な判断をしてまいりたいと思います。以上です。
◆東議員
先ほど市長が申し訳ないということを言われたわけですが、先ほどの答弁で言いますと、じゃ結局、裁判を受けて何が駄目だと言われたかということが、実際運用する段においては反映されてない、教訓が入っていないじゃないかということを指摘をします。高裁判決で「看過しがたい誤りだ」と指摘されたのは、取り上げによってどんなことが起こるのか、ボランティアだからいいということで、きちんと検証しないままとにかくサービスをストップしたことが「看過しがたい誤りだ」と言われているわけですから、ここは、どういうことになっても命を守るために、命を奪うようなサービスの取り上げはやらないということを教訓として導き出すべきでないんですか。いかがですか。
◎森安保健福祉局長
裁判の経過としてはやはり、浅田さんのような状況の場合に違法だという判断をされました。ただ、それでどの場合に判断がどうなるかということは、その状況状況によって異なっていると思います。障害福祉サービスの利用の決定にあたっては、障害者の方の状況や取り巻く環境などいろいろ総合的に判断して決定をしていきたいと思います。以上です。
◆東議員
ちょっと「はいそうですか」とは言えないご答弁なんですが、どうなんですか。条件によって判断すると答弁を言われたんですが、どういう条件があれば全てのサービス取り上げということが起りうるものなんですか。そういうことがあってはならないと思うのですが、想定される事態があるというのであれば教えてください。
◎森安保健福祉局長
障害サービスはいろんなサービスがあります。そのすべてを取り上げると言うわけではなくてですね、どういう場合にどのサービスをどういう決定をするか、それからそのことについては、障害者の方の状況、利用されている障害サービスの内容などを含めて総合的に検討して判断して決定していくということだと思います。
◆東議員
これはもうちょっと、繰り返しになりますのでこれ以上は言いませんが、やはり今までの6年間にわたる浅田さんのたたかいの中で教訓にすべき、行政がくみ取るべきは、どのようなことがあっても命を奪う決定は絶対やってはならないということだと思います。いろいろ条件があるとかいうことで「そういうことはやらない」と言われないことは、これは姿勢をよく改めていただきたいと申し上げますし、納得できる答弁ではないということを、指摘をさせていただきます。
(注)●で挟まれた語は内容未確定