議会質問・ニュース

【質問原稿】 2020年2月議会 代表質問(200304林じゅん)
[ 03月04日 ]

 

2020年2月議会で林じゅん議員が日本共産党岡山市議団を代表して行った質問の原稿です。

※2/27時点のものなので、議場で実際に読んだものとは一部違います。当日の内容は、今後公開される動画や議事録での確認をお願いします。

20年02月議会 代表質問(林じゅん)提出原稿


 

日本共産党岡山市議団を代表して、市民の暮らしと福祉を第一にする岡山市を目指して質問します。

1 憲法と平和について
(1)核兵器廃絶
核兵器禁止条約が採択され、2年あまりで81ヶ国が署名し、35ヶ国が批准手続きを行っています。
核兵器保有国とその同盟国の妨害を受けても、世界は核兵器廃絶へと動いています。
日本政府は、アメリカに追従して批准に後ろ向きです。地方から批准へと世論を動かすことが大切です。
岡山県内の全ての市町村長が、核兵器廃絶を求める署名に名を連ねました。他の首長と並んで大森雅夫市長も入っているポスターが貼られています。
自治体の代表が核兵器廃絶の意思を示したものとして、運動に取り組む市民を励ましています。
ア 市長の核兵器廃絶への思いをお聞かせください。
イ 核兵器廃絶の文言がある平和都市宣言を市民と来訪者の目に留まるように岡山駅前に表示しませんか。

(2)憲法擁護
2月2日に海上自衛隊の護衛艦たかなみが、中東に向けて出発しました。1月11日に哨戒機の部隊が出発したのに続く第二陣です。
この中東への自衛隊派遣は、閣議決定のみによるものです。国会での審議を抜きにして内閣の一存で自衛隊を動かせるようにした、安倍政権の目論見の具体化です。
何のために、どんな装備で行くのか、などの国民的な議論が置き去りにされています。延長も閣議決定で決めることができてしまいます。
アメリカとイラン双方の武力の応酬は、大きな戦争への直結は避けられましたが、関係が緊張していることに変わりはありません。武装した集団を送るのは、緊張を高めることにしかなりません。
目的は「調査・研究」のため、とされていますが、収集した情報はアメリカに送るわけで、諸外国にはアメリカの有志連合への協力と見られるでしょう。
憲法9条を持つ日本の取るべき態度は、国際的な問題は武力ではなく話し合いで解決を目指すものです。
また、新型コロナウイルスへの対応を、憲法に緊急事態条項を設ける口実にしようという人たちがいます。憲法のせいにするのは筋違いです。他の国でも対策を取るために、首相や大統領に特別の権限を集中したわけではありません。
ア 憲法遵守の立場から、自衛隊の中東への派遣は中止するように国に意見を出しませんか。
イ 憲法上の制約で取ることができなかった新型コロナウイルス対策がありますか。

(3)自衛隊への名簿提供
自衛隊は、安保法制の閣議決定がされた2014年から5年続けて定員割れしています。特に一番下の階級は71%程度です。
危機感を持つ自衛隊が、勧誘のために自治体が持っている高校生の世代の名簿を利用したがっています。自治体に対して高校卒業、大学卒業の年代の名簿の提供を求めているところがあります。
自衛隊には住民を撮影し、住所や職業を調査し、監視した前例があります。
名簿提供を続ければ、自衛隊が全住民の名簿を持つことになります。高校生、大学生世代だけの個人情報保護ではない問題になります。
ア 高校卒業、大学卒業の世代の若者のリストを提供するようにとの自衛隊からの要請がありますか。
イ 自衛隊に対して、住民基本台帳の閲覧以上の便宜を図っていませんか。
ウ 自衛隊による住民の名簿の利用や提供後の廃棄の状況を把握していますか。
エ 個人情報保護の観点から、名簿の提供は断るべきではありませんか。

(4)自衛隊・米軍の情報伝達
今年、県南でオスプレイの飛行が頻繁に目撃されています。1月29日には岡山市東区で目撃されました。
オスプレイは、騒音や事故で住民の不安を引き起こしています。
岡山市では、目撃情報について市民が連絡や問い合わせをしても担当課がありません。
中四国防衛局も、自治体を通じての場合は情報提供を受け付けると言っています。
ア 岡山市も、自衛隊や米軍の動きについて市民からの連絡や問い合わせを取り次ぐ担当課を決める必要がありませんか。他の自治体では持っているところがあります。

(5)市有施設での議会報告会
憲法に関わって、市民の政治的社会参加の保障が大切です。
身近な市政について、知り、考え、意見を言うことは主権者としての権利です。
ところが政治に関わることだから、と市政報告会の会場に使うことを断られたことがありました。コミュニティハウスも地域の判断だから、と利用できないところがあります。
ア 市の集会可能な施設はどれでも、議会報告会に自由に使用できるとの方針を明確にするべきではありませんか。

2 市の予算のあり方について
市の予算全般について、使うべきところ、改めるべきところについて質問します。
(1)子どもの医療費と教員、地域交通
岡山市の2020年度予算案は、一般会計が3,433億円、特別会計や事業会計を含めた総額は6,034億円で過去最大です。
自治体の最も重要で根幹の役割は住民の福祉の増進です。
子育て世代が自治体の子育て支援策を見る大きなポイントは、子どもの医療費です。
市の予算を使うべきところです。
岡山市の支出で増大しているのが建設費です。大森市政の7年間の平均で普通建設費は予算の13.7%。新年度では15%を超えています。
地域交通、生活交通は予算全体の1%にも足りません。
市民からは大型公共事業の重視に見えます。
ア せめて小学生は通院も無料にするべきではありませんか。
イ 政令市最低水準の正規教員比率引き上げのために教育費の人件費部分を抜本的に増やしませんか。
ウ 地域交通、生活交通は、地域が運営の赤字分の負担をしなくてもいい事業にしませんか。

(2)再開発には上限を
再開発事業として、新規一つを含む5ヶ所の再開発事業が挙げられています。
店舗とマンションの似たようなビルがいくつもできるようにしか思えません。
ア 「良好な都市環境や賑わいを創出するための助言・指導」とはどのようなものですか。

現状は、再開発組合が立ち上がれば市は補助金を出さざるを得ない仕組みです。
イ 市の再開発事業補助の総額に上限を設ける考えはありませんか。

(3)マイナンバーカードは不要
拡大している項目の一つに、マイナンバー関連の予算があります。1億円から7億円への大幅増です。
市民生活に不要なマイナンバーカードは普及が進まず、国は健康保険証と連動させる荒業に出ようとしています。
それに向けたシステム改修費用が膨らんでいるのではないかと懸念しています。
ア 無くても困らないマイナンバーカードの普及に税金を投入するのは、無駄ではありませんか。
イ 人に知られてはいけない番号が書いてあるマイナンバーカードを、持ち歩く機会が多い健康保険証と一体化するのは不適当ではありませんか。
ウ 国が国民に番号を割当て、監視社会を強化するマイナンバー制度の廃止を国に求めませんか。

(4)職員採用
職員の世代ごとの人数を見ると40代が1,700人ほどなのに対して30代が1,160人ほど、20代は830人ほどです。
団塊の世代の退職後の行政の担い手の不足が懸念されます。
市も採用は行っていますが、専門職では募集人数に満たないことがあると聞きます。
ア 20代、30代、40代、50代の年齢層ごとの職員数比率をどう考えていますか。3年採用凍結の影響があるのではありませんか。
イ 土木専門職で応募が少ないことがあるのは、処遇など魅力が足りないからではありませんか。
ウ 専門技術職がいないとコンサルなど外注せざるを得なくなってもいいと考えていますか。
エ 真に臨時的な仕事以外は正規職員を充てるべきです。学校図書館司書をはじめ、継続的に業務がある職種は正規で雇用すべきではありませんか。

(5)会計年度任用職員
2020年度から、非正規職員の雇用が会計年度任用職員になります。2月になっても募集が出されています。
ア 新年度を目前にしても募集が行われていますが、人は確保できていますか。
イ 司書で4人の追加募集が行われたのは、退職した正規の置き換えになっていませんか。
ウ 会計年度任用職員制度の導入を機に、非正規から正職になった職はありますか。

3 防災と被災者支援
(1)個別支援計画は市が責任を持つべき
避難に支援が必要な人への対応は、民生委員さんや安全・安心ネットワークに対象者の名簿を提供するだけでは進みません。市が策定状況を把握し、策定の支援をしなくてはなりません。
ア 個別支援計画の策定は何件、把握していますか。
イ 個別支援計画を策定する責任は明確になっていますか。
ウ 緊急告知ラジオの販売にあたっては、耳の不自由な人にも情報が伝わる機能をもった機種が対象になっていますか。

(2)浸水対策
市民が災害から身を守るために、自分で考え、行動できるようにするには分かりやすい情報提供が必須です。
地域の過去の被災実績は、市民自身がよく知っています。分からないのはどういう時にどのような被害が想定されるのか、ということです。
今の被災実績に基づく浸水ハザードマップでは、これまで家屋がなかったところは、被災がなかったところとして安全な地域に見えてしまいます。
現在は田畑で浸水被害が記録されていないところでも、造成されて家が建てられたら浸水が懸念される場所があります。
横井排水区で、流出解析とシミュレーションを行うとしています。
中区でも、操南地域などに梅雨や台風の度に浸水する箇所があります。
ア 浸水ハザードマップは、過去の実績だけでなく、降雨量に応じたシミュレーションに基づいて作成し、これから家を建てる際に浸水の恐れがある地域が分かるものにすべきではありませんか。
イ 操南地域でも大雨の際の浸水状況を把握し、水路の整備とポンプの増強が必要ではありませんか。

(3)旭川の堤防整備と陸閘
旭川には堤防が未整備の区間があります。堤防があっても、河川敷に降りる道で陸閘が設置されている箇所もあります。
河川敷から土手に上がる道は、陸閘のように閉じられる仕組みにはなっていません。他にも閉じられる構造になっていないパラペットの切れ目があります。
ア 二日市の土手には家屋が並び、河川敷に面した車庫があります。7月豪雨の際には車庫は浸水しました。堤防の高さと断面の不足はありますか。堤防の未整備区間はどこにどれだけあり、改善はどのように進められることになっていますか。
イ 7月豪雨の際に、閉鎖できるはずの陸閘が閉じられなかった箇所がありました。市内に陸閘はいくつありますか。
ウ 市民の命と財産を守るためには、国と県に陸閘を閉鎖できる仕組みの確保を求めるべきではありませんか。

(4)避難場所の確保
避難場所の確保は、人口密集地では特に課題です。
2011年2月議会に、旧深柢小学校を避難所や消防団の訓練場所に利用できるようにすることを求めるなどの5件の陳情が出されました。しかし、いずれも多数決で不採択とされてしまいました。
それでも防災のための場所が必要だとの地元の要望は強く、川崎病院を避難場所として使えるようにする協定が結ばれました。
ア 避難準備情報が発令された時点で、病院の建物内と旧運動場が無料で避難所として使えるようになっていますか。

(5)最後の一人まで見捨てない被災者支援
被災者は、元の生活に戻れておらず、健康面にも不安を抱えています。様々な経済的な負担も生じます。
みなし仮設住宅について県は延長を決めました。
ア 国保と介護保険の窓口負担の免除を復活すべきではありませんか。
イ 被災者全員の状況を訪問調査する必要がありませんか。

2018年の7月豪雨災害で敷地が崩壊して、家は建っているのに住むことができない被害が発生しました。
ウ 支援の目的を生活再建に置けば、同じ家に住み続けられるように敷地の復旧もメニューを国に求めませんか。
エ 国に対して、被害の評価に敷地被害を反映させるように求めませんか。

4 子育てと教育
(1)待機児童の解消は認可園で
2020年度に向けても未入園児は1,868人と最多を更新しました。依然として深刻です。子ども・子育て支援事業計画での受入方策は、とても容認できません。
ア 問題は2号認定、3号認定の子どもの受け入れです。受け入れるためには、認定こども園に拘らず認可保育園を整備すべきではありませんか。今ある公立園は残し、活用するべきではありませんか。
イ 市は受け入れの方策に認可外施設を含めています。保護者の願いは安心して預けられることです。市が責任を持つためには、保育の受け入れ数は認可施設だけで確保するべきではありませんか。
ウ 市立幼稚園の3歳児教育は定員が定められており、100人以上も入れない子どもがいました。市立幼稚園ですべて受け入れるべきではありませんか。

保育・幼児教育の無償化で、保護者負担について国基準より市が補填していた分が浮いた額15億円が生じました。保育・幼児教育のために使うのが自然な予算です。
エ 来年度の使い道の内訳をお示しください。

(2)放課後児童クラブは支援員の処遇確保と保護者の負担軽減を
放課後児童クラブが、子どもたちの放課後の安全と育ちを保障する場であるためには、責任を持って働いてくれる放課後児童支援員が必須です。勤務時間を30時間に限定することが、保育の質の担保と支援員の処遇向上の妨げになっています。
87クラブのうち2020年度にふれあい公社の運営になるのが22クラブに止まっている大きな要因は、市の処遇では支援員の確保と継続に難があるからです。
市のルールの公費負担と保護者負担1:1に拘らず、支援員の処遇を充実させるべきです。
ア 児童福祉の観点から、保護者負担は所得に応じた額にすべきではありませんか。
イ 市立になった放課後児童クラブは、運営指針を満たすべきではありませんか。満たすためには40時間勤務が必要ではありませんか。

子ども・子育て支援事業計画で、来年度の入所決定数とこれまでのアンケート調査での見込みとに乖離が生じています。利用者の実績は、平成29年度6,831人から平成31年度7,815人と増えています。量の見込みは令和2年度10,756人から令和6年度10,039人と減っています。
ウ 放課後児童クラブの受け皿確保の計画は,実態に即して見直すべきではありませんか。

(3)給食は自校調理で
学校給食を安心して食べられることは,食育のためにも子どもの貧困対策にも重要です。
教育委員会は、赤田にある岡山学校給食センターを老朽化のために建て替える計画です。
その際、規模を2,500食から7,000食へと大幅に拡大しようとしています。
規模拡大は委託業者の採算性が理由とされていて、拡大分の4,500食の行方が示されていません。自校調理をやめてセンターからの配食に変える学校が出るのか、センター自体の統合なのか、などが明らかではありません。
ある小学校の献立には「6年A組オリジナル献立」というのがありました。別な日には別なクラスのオリジナルがありました。効率優先でいくつもの学校をまとめて作るようにしたら、このような献立はやりにくくなるでしょう。
大量調理では同じ食材を大量に仕入れなくてはならず、地域の生産物を使う地産地消も難しくなります。
ア 給食センターの大規模化ではなく、自校方式の維持、拡充をするべきではありませんか。

(4)教員の変形労働制は導入しないこと
安倍内閣は、教員に一年単位の変形労働時間制を適用できるようにしました。
繁忙期には1日10時間労働を認めるものです。代わりに夏休みをゆっくり過ごせばいい、というわけですが、人間の生理からも学校現場の実態からも、働き方の改悪でしかありません。もともと8時間に収まっていない勤務時間を10時間まで認めても、繁忙期の残業時間が減ったように見えるだけです。
岡山市の先生の健康は岡山市が守って、先生方が心身ともに充実した状態で子どもたちの教育に当たれるようにする責任があります。
下関市の教育委員会は、教員への変形労働制の導入をしないと決めたそうです。
ア 岡山市では、教員の一年単位の変形労働制は導入しないことを決めるべきではありませんか。

(5)市立夜間中学校
形式的に義務教育を修了していても実際には学校で学べておらず、学び直しが必要な人がいます。
そこで夜間中学が望まれていますが、新年度予算の新規事業で盛り込まれたのは「夜間教室」でした。
市の夜間中学のニーズ調査で810名が回答し、51名からはヒアリングをしています。
調査の結果、51人のうちの対象者は6人とされました。市教委が「毎日通学していたら対象外」としたためです。
ヒアリングの内容を見ると、中学生時代の学びでは不十分で、多くの人が計算や数学、漢字をもっと学びたいと回答しています。形式卒業者は国の通知でも対象です。
文科省の通知では、都道府県や市町村が設置できる協議会という仕組みがあり、夜間中学の設置・運営を協議することができます。
ア 対象の決定は毎日通っていたかどうかではなく、中学校までの教育が身に付いているかどうか、を基準に対象を拡大すべきではありませんか。
イ 夜間中学の協議会を設置しませんか。
ウ なぜ公立夜間中学ではないのですか。

(6)無料で通えるフリースクールを
学校や適応指導教室は無料です。
不登校の子どもたちが通うフリースクールは、費用が保護者の負担になっています。
場所として使われていない市有施設を無料で使えるようにする、運営者への補助金を充実させるなどで、負担軽減が求められます。
ア 適応指導教室を、中学校区ごとなど通いやすい範囲で整備しませんか。
イ 適応指導教室は、「学校に適応するように指導する」ような印象を与えない名称に変更してはどうですか。
ウ 900人以上の不登校の児童・生徒に対応するためには、訪問相談員は6人より増やす必要がありませんか。
エ フリースクールも無料で通えるように、運営者への補助を充実させませんか。
オ 家賃補助の現物支給として、公共施設を使えるようにしませんか。

(7)学びへの経済的支援
市の無利子貸与の大学生も対象とした奨学金条例の廃止案が出されています。
新設が提案されている給付制の奨学金は、大学生は対象外です。
ア 市として、大学生への経済的な支援をどのように考えていますか。
イ 提案されている非課税世帯への高校生向け奨学金は、年額6万円です。新入学用品や課外活動にはいくら必要だと考えていますか。

(8)歴史は史実の教育を
神話や伝承は文化ではありますが、史実とは限りません。
今回、神武東遷を題材にした日本遺産の申請に、岡山市を含めて24市町村が名を連ねています。
神話や伝承は「伝えられている」「言われている」などの、事実認定にならないような言い方をされます。
岡山市の広報資料を見ると、神武東遷が史実であるかのような表記になっています。
ア 学校教育において、神武東遷を歴史的事実として扱うことがありますか。教育長にお尋ねします。
イ 産業観光局としては、史実と考えていますか。

5 医療と健康
(1)新型コロナウイルス対策
県、市は「帰国者・接触者相談センター」を保健所内に設置して、相談や検査の対応に当たっています。
渡航歴や帰国者との接触と関係なく、発熱や体調で相談するものとされています。
すでに国内での感染が広がる段階になっています。学校やイベントなど人が集まる場所での注意が必要です。適切な対応を取るためには、感染の有無が確認できなくてはなりません。
製造も観光も産業への影響が懸念されます。大量の宿泊キャンセルや、閑散としている観光地のことが報じられています。
ア 保健所への相談件数と検査した件数はそれぞれ何件ですか。
イ 熱や咳が続き感染が懸念される人の検査態勢はどうなっていますか。
ウ 渡航歴も濃厚接触もなく、熱と咳で当てはまる人の相談件数と検査の件数はそれぞれ何件ですか。
エ 岡山市民病院での受け入れ体制はどうなっていますか。
オ 「帰国者・接触者相談センター」から、市の受付センターは新型コロナウイルスの対策センターであることが分かりやすい名称にすべきではありませんか。
カ 市内の産業・観光にどんな影響が出ていますか。
キ 中小企業への支援策は何がありますか。
ク 学校の学級閉鎖や休校について判断基準が必要ではありませんか。
ケ 風評被害や差別に繋がらないような啓発はしていますか。

(2)払える国保料に
2月6日の国民健康保険運営協議会で、来年度の国民健康保険料の料率を据え置く案が了承されました。
直前の2月4日に、岡山市社会保障推進協議会(市社保協)が市へ、国民健康保険料の引き下げを求める14,774筆の署名と要望書を提出しました。
提出に際しての懇談で、市社保協から署名と共に寄せられた国保料の負担に苦しむ市民の声が紹介されました。
求められたのは引き下げでしたが、値上げではなく据え置きだったのはよかったです。財政的な理由として県への納付金が26億円、減ったことが挙げられています。
ア 県が示す納付金が大きく変動する状況では、一般会計からの繰入を7年でなくす方針は撤回しませんか。
イ 単に県が示す納付金額を市民に割り振って市民生活が破綻しないように、市が繰入を行うべきではありませんか。

(3)地域の病院を守れ
国は、医療費削減の方策として病床を減らそうとしています。昨年9月に424の公立・公的病院を再編議論の対象として名指しにしたことは、強い反発を引き起こしました。
それでも国は補助金で誘導して、病床削減を進めようとしています。誘導のための財源は消費税10%への増税分を充てるとされています。
社会保障に充てるため、としていた消費税増税を社会保障の削減に使おうという訳です。おかしな話です。
ア 国は補助金を出してでも病床を削減する考えですが、市立病院の中期計画で削減は考えていませんか。
イ 市は、せのお病院と福渡病院の医師確保と診療科を守るために何をしますか。

(4)がん対策の推進
岡山市議会では、保健福祉を所管する委員会が中心となってがん患者さんとの懇談を続けてきました。議会前の2月7日にも行われ、団体の取り組みをお聞きし、ストーマの用具の支援や受動喫煙防止等について意見や要望を伺いました。
がん患者支援や健診の体系的な取り組みが必要です。
がんの啓発や支援を呼び掛ける取り組みとして、岡山でも24時間通して訴えるリレーフォーライフが準備されています。
ア がん対策推進条例に基づくがん対策推進計画を策定しませんか。
イ 乳がん検診でAYA世代の発見のために30代での検診を復活させませんか。
ウ 就労と治療の両立の支援制度について、企業と市民への啓発はどうなっていますか。
エ すべての市有施設で受動喫煙の対策を講じてください。敷地内での喫煙を禁止するだけでは、周辺での受動喫煙を引き起こしているのではありませんか。
オ 啓発の取り組みとしてリレーフォーライフのイベントの支援ができませんか。例えば会場の24時間使用を具体化しませんか。
カ ストーマ周囲の清潔を保つための清拭用品やはさみも、支給品目に加えませんか。

6 共生社会とまちづくり
(1)ジェンダー平等
日本共産党は先月行われた党大会で、党綱領にジェンダー平等を国際的な人権保障の流れの一要素として位置づける改定を行いました。
女性も男性も性的マイノリティの方も、誰もが生きやすく公平公正な社会を目指すことは、いまや国際的な流れであり、まさに一人も取り残さないSDGsの観点からも大切な課題です。
その点で市長が、岡山市パートナーシップ宣誓制度導入の方向を表明されたことは、大きな一歩であり当事者からも歓迎されています。議会も4年間特別委員会で調査し提言を出したかいがあったと感謝をいたします。
先進7か国のうち日本以外のすべての国で、同性婚に相当する法律があります。その点でもジェンダー平等・多様な性を尊重することは、経済から、労働から多方面にわたり貫く立場が必要であり、岡山市でも第4次さんかくプランにおいてその点の充実と推進が必要です。
そこで伺います。
ア パートナーシップ宣誓制度は広島との連携といいますが、何のためにどのように行うのでしょうか。
イ 詳細は要綱で決めるとのことですが、条例化しない理由はあるのでしょうか。
ウ いち早くパートナーシップ宣言をした那覇市では、パートナーシップ登録をされた方のプライバシー保護のためとその後の生活支援のために、男女共同参画センターで登録受付をして、拠点として位置づけています。岡山市も宣誓制度の受付をさんかく岡山で行い、宣誓後の支援の継続をしたらどうでしょうか。
エ パートナーシップ宣誓制度導入を機に、岡山市もより多様性を尊重するまちづくりの推進が求められます。そのためにも「女性が輝くまちづくり推進課」を「性の多様性を尊重するまちづくり推進課」などに名称変更してはどうか。
オ 病院や支援機関、職場への啓発やとりくみをどう進めていきますか。

(2)DVも性暴力も許さない岡山市に
2017年に100年ぶりに性犯罪の刑法が改正されました。強姦罪から強制性交等罪になり、被害者が13歳以上の女子から性別を問わないものになり、暴行または脅迫を用いて性交等をしたものは5年以上の有期懲役となりました。
この改定は一歩前進でしたが、たとえ同意のない性交であっても暴行または脅迫が用いられていなければ犯罪にならないという大きな壁が残っています。たとえば、暴行脅迫のない薬物によるものや、長年の虐待など支配下におかれ抵抗できなかった場合などは無罪となるという判例が全国でおきています。
そして昨年3月に4件の性犯罪無罪判決が出たことをきっかけに、全国各地でフラワーデモが開催されており、岡山でも3月8日に行われる予定です。
また、無罪判決の中には親から娘への性虐待も含まれており、その背景には妻へのDV被害の関連も言われています。
ア 幼少期から年齢や発達に応じた性教育を実施し、性的同意について学ぶ機会をもつべきではないでしょうか。
イ 性暴力刑法改正を 国に要望してはいかがでしょうか。
ウ 新年度予算でDV被害者支援の予算が増えているが、お考えをお聞かせください。

(3)障害者が安心して暮らせる岡山市に
障害者が65歳になると機械的に介護保険サービスに移すことは違法、とされた浅田裁判を受けて、障害を持つ方が引き続き障害者サービスを受ける選択肢があることを周知すべきです。
ア 障害を持つ人が65歳の誕生日前に一律に介護保険を申請しなくても、必要な障害者サービスを受けられることを説明していますか。

(4)ヘイトスピーチ規制を
国ではヘイトスピーチ解消法が制定され、全国的にはヘイトスピーチを行った場合の氏名公表や罰金を定めた条例が制定されています。
差別を許すことは国の尊厳に関わる問題であり、国を貶めることになります。
ヘイトスピーチを許さないことはマイノリティを守るだけではなく、日本の社会を守ることでもあります。
ア どこの国の人、どの民族も安心して暮らせるまちづくりのためにヘイトスピーチを規制する条例を制定しませんか。

(5)路面電車のネットワーク化
路面電車の岡山駅前広場への乗り入れに当たっては、バスとタクシー乗り場を入れ替える改修が行われます。路面電車の乗り入れを行うから必要になる工事です。そのために100メートルほどの線路の延伸に総額43億円ものお金が掛かるとされます。
乗り入れありきの批判をかわすために、路面電車のネットワーク化検討が出されてきました。
短期の計画とされる新しい劇場に最寄りの停留所を作り、西大寺町と大雲寺交差点を回る環状線も、時計回りにするのか、反時計回りにするのか、サイドリザベーション方式かセンターかで、バス事業者や沿線の意見が変わるでしょう。
新しい劇場のすぐそばに停留所ができたら、商店街の人通りへの影響も考えられます。
延伸、環状化した後の経営についても、事業者の意思や計画が見えてきません。
既存交通への影響も小さいから、と先行するやり方は疑問です。
ア 路面電車の岡山駅前広場への乗り入れに伴う広場の工事は、線路の工事と一体のものではありませんか。費用対効果の分母から外すことはできないのではありませんか。
イ 路面電車ネットワーク検討会に岡山電気軌道株式会社が入っていることを以て、新しい劇場から西大寺町、大雲寺交差点を回る路線を運営してくれる保証と考えていいのですか。
ウ 線路の敷設や停留所設置工事は運営事業者の責任になりますか。

(6)吉備線LRT化
総社市、JRとの三者協議で示されたのは費用の負担割合です。岡山市が行う事業全体の費用ではありません。
線路を移設し、駅を増やし、周辺整備を行うにはさらに費用が掛かります。
ア 2014年の総社市、JR、岡山市の三者協議以降のLRT化された後の運行について、JRの計画を把握していますか。
イ 吉備線LRT化について年度内にまとめられる計画とはどのようなものですか。
ウ 三者協議で合意された70億円の負担以外に増設される駅の周辺整備を含めた市の事業費はいくらになりますか。

(7)地域で暮らせる行政サービス
住み慣れた地域で暮らし続けることができるためには、行政サービスも生活圏域ごとにあると便利です。市は断らない総合相談支援体制づくりを推進するとしています。
ア 医療と福祉、地域整備について一定の判断と事務執行ができる出張所を中学校区ごとに設置して、本庁から人員を移してはどうですか。本庁舎の規模も小さくできます。断らないワンストップの窓口を中学校区ごとに置くべきではありませんか。
イ 生活支援サービスのために第2層生活支援コーディネーターを、中学校区をベースに配置するとされていますが、第3層の配置はいつになり、何ができるようになりますか。

(8)遊休地の活用は住民参加で
使われていない市有地は、住民の知恵を借り、要望を取り入れて使途を決めるべきです。
ア 旧市民病院跡地の活用に向けて地域との協議会を立ち上げませんか。
イ 旧白鳥住座の跡はどうなりますか。

(9)市営住宅の整備と活用
「市営住宅で活用されずに空いている部屋がある。入りたい人のために活用して欲しい」との声を聞きます。
例えば高島団地では1,005戸の内、18%あまりの186戸が空いています。
災害時、火災時、何より通常の入居希望者に応えるために、空き住戸の整備を行っておくべきです。
ア 募集している市営住宅の戸数と空き戸数はどうなっていますか。
イ 高齢になった方から低層階に移りたい、との希望を聞きます。階ごとの空き状況はどうなっていますか。
ウ 災害、火災での緊急入居については、生活用品の貸与が行われていますか。

(10)空き家対策の充実 迷惑巨木対策
持ち主不明の危険な空き家については代執行が行われるようになっていますが、住人がいなくなった後に近隣が困るのは、建物本体だけではありません。
ア 危険空き家の代執行の状況はどうなっていますか。
イ 持ち主不明の空き家の敷地に生えている巨木で、葉や枝の落下、幹が倒れる恐れで迷惑と危険がある場合についても市が対応できるようになりませんか。
ウ 再度、空き家調査を行いませんか。

7 環境と持続可能な社会
(1)プラスチック製品の削減
気候変動対策は放置できない課題です。市の様々な部門で取り組まなくてはなりません。ごみ焼却の減量、プラスチック製品の減量、自動車から公共交通への転換など課題と関係部署は様々あります。
石油資源を使用し、焼却すると温暖化ガスを排出し、環境中に出るとマイクロプラスチック汚染を引き起こすプラスチック製品の削減が環境の課題として大きくなっています。
ア 市の物品購入において、プラスチックから素材を変更できるものの検討を行っていますか。

(2)水源地の汚染防止
水源の汚染は市民の健康被害に直結します。抑えられるリスクは抑えなくてはなりません。
産廃処分場は、安定型で埋め立てられるごみそのものが安定しているとしても、どんな化学物質が付着しているか分かりません。管理型では遮水シートの破損の恐れがあります。
どちらも水源地に設けるべきではありません。
ア 産廃処分場の遮水シートの耐久性をどう評価していますか。
イ 汚染された水が滲出してきた場合に、遮水シートの防水をやり直すこと可能ですか。

(3)斎場整備
岡山市は富吉に新斎場を建設するとともに、瀬戸内市と合同の斎場整備も行おうとしています。
見込まれる最大の需要に対応するためとしていますが、一つの炉で一日2回までしか火葬をしない想定での計画です。増加が想定される火葬数もやがては減少します。
過大な施設整備を行えば、将来の負担になります。
ア ピーク時は一日3回火葬する体制で、炉の必要数を見直ししませんか。
イ 瀬戸内市の斎場について、施設整備費の負担ではなく、使用した場合の一回当たりの使用料負担にしないのはなぜですか。
ウ 瀬戸内市とはどのような協議を行っていますか。
エ 岡山北斎場は、住民合意の最初からやり直すべきではありませんか。

(4)苫田ダムの受水は見直し
苫田ダムは二期工事を進めても、計算上の上水が増えるだけで現実の使い途がありません。
防災の点からは治水容量の拡大の方が有用です。
ア 苫田ダムからの受水は止めて、治水への転用を抜本的に進めるように、広域水道企業団議会で提案しませんか。
イ 二期工事は中止するべきではありませんか。

(5)種子条例が必要
主要作物の種子を公的なものとして開発・普及し、農家に提供してきた種子法が、安倍政権によって廃止されました。
主要作物の安定供給と地域の農業を守るために、公的な種子の確保や農家の権利である種子の自家増殖や販売、利用は重要です。農業都市である岡山市が、率先して地域の農業を守る制度を訴えるべきです。
種苗法改正で自家採取、自家増殖の禁止について、自分で種を取ることができなくなる、との懸念があります。
ア 県に対して種子条例の制定を求める考えはありませんか。
イ 種苗法の農家への影響をどう考えていますか。
ウ 学校や家庭菜園で種を取ることは可能ですか。

(6)中小企業振興
消費税が増税され、消費支出が低迷しています。2019年12月の家計の消費支出は前年比4.8%の減少で、3か月連続のマイナスでした。
中小企業家同友会全国協議会が11月に発表したアンケート調査によると、経営に影響があると答えた中小企業は54%でした。中小・零細企業の営業にも負担になっています。
さらにインボイスが義務づけられると負担が大きく廃業せざるを得ない、という悲鳴が上がっています。
ア 中小・零細企業の営業を守るためにも消費税の引き下げを国に求めませんか。
イ 中小・零細企業を圧迫するインボイスの導入中止を国に求めませんか。
ウ 消費が低迷すると地域経済も衰退します。まずは消費税を8%に上げる前の5%への減税を国に求めませんか。

(7)原発は廃止に
1月25日に伊方原発の全電源が喪失し、核燃料を保管するプールの冷却装置が43分間に渡って停止しました。
瀬戸内海が汚染されたら、岡山市も直接の被害を受けます。
島根原発で事故が起きたら避難者の受け入れが求められ、事故の規模、風向きなどでやはり直接被害の恐れがあります。
大抵の機械、装置は壊れたら止まりますが、原発は壊れたら暴走し被害を広げます。
東日本大震災を経験してもなお、電源喪失を引き起こす電力業界に原発を運用する資格はありません。
ア 電力に原発の停止を求めませんか。
イ 国に対して原発ゼロへの転換を求めませんか。

(8)改正市場法の対応
卸売市場法の改正に伴い条例改正が提案されています。
影響が懸念されるのが、「仲卸の直荷引きの禁止」の原則廃止、「第三者販売の禁止」の原則廃止、「商物一致の原則」の緩和です。
第三者販売が増えると、卸売業者が仲卸でも売買参加者でもない大手小売り業者に直接、売ることができるようになります。仲卸、売買参加者に回る商品が少なくなる可能性があります。
直荷引きが増えると、卸売業者を通す商品が少なくなり、卸は全量買い取りのリスクだけを負うことになりかねません。
商物の分離が進むと、卸売市場の存在意義が薄れます。
卸売市場のあり方が大きく変わる可能性がある変更です。
受託拒否の禁止により、中央卸売市場の卸は基本的に生産物の持ち込まれた農産物の全てを受け入れる義務がありますが、全てが売れるとは限りません。廃棄されるものが出てしまっています。
ア 第三者販売の量を把握して、増えすぎた場合は規制してはどうですか。
イ 仲卸の直荷引きの量を把握して、増えすぎた場合は規制してはどうですか。
ウ 商物一致が行われなくなったら、品質を確認して価格を決める市場の機能が低下するのではありませんか。
エ 市場で廃棄されている生産物は年間、どれだけですか。
オ 廃棄される食材を子ども食堂、大人食堂などで活用できるルートを作りませんか。