議会質問・ニュース

【質問・原稿】 林潤(2018年11月議会 12/10)
[ 12月10日 ]

2018年11月議会で12/10に林潤議員が行った個人質問の、事前提出した原稿(全文)です。

(質問資料・個人)181210 林


1 放課後児童クラブの充実について

 平成27年度から始まり、平成29年度に一部改訂された子ども子育て支援事業計画が31年度に最終年度を迎えます。31年度に8,570人の施設確保を図る計画です。

 希望者に対する受入数の確保と安全・安定に運営するための支援員の確保が必要です。

 また放課後児童クラブの運営について市は平準化を目指しています。保護者負担金やサービス内容、支援員の処遇など合わせていかなくてはならないことが多々あります。

 そんな時に国は支援員の確保困難さを口実に、配置基準を従うべき基準から参酌基準へ変える緩和を言い始めています。

 足りないのは人手ではなく、まともな処遇です。緩和した基準に人員を合わせるのではなく、現行の水準を維持、向上させた上での平準化でなくてはなりません。それには支援員の処遇の確保、向上が不可欠です。

 また放課後児童クラブには、世帯の経済状況に関わらず、子どもたちに安全で豊かな放課後を保障する役割も求められます。保護者負担金が払えないから預けられない、という事態は避けなくてはなりません。

 そこで質問します。

(ア) 29年度の確保量と受け入れ実績はどうなっていますか。

(イ) 今年度の整備で31年度当初には確保量はどうなりますか。

(ウ) 国の配置基準の緩和に反対するとともに、支援単位の人数が少なくても支援員を2名以上、配置できる予算措置を国に求める考えはありますか。

(エ) 保護者負担金を平準化する際には市の制度として低所得者減免を行いますか。

(オ) 支援員の処遇を平準化するに当たって、底上げを図ると共に不利益変更にならないようにするべきです。各クラブの処遇の情報はどの程度、把握していますか。


2 路面電車の岡山駅前広場乗り入れと広場改修について

 路面電車が岡山駅前広場へ乗り入れる際の広場のあり方検討会が6回に渡って開かれ、先般、広場をデザインするデザイナーが選定されました。

 あり方検討委員会は、乗り入れの是非や効果を検討するところにはなりませんでした。

 乗り入れありきの議論が行われ、仕様書(案)では、乗り入れを前提としたデザインの検討を行うことになっています。

 乗り入れで乗り換えが便利になることを否定はしませんが、線路の延伸が10億円、広場の改修が20億から30億円と言われ、あわせて30から40億円は掛かりそうな状況です。

 費用の数字が示されてくるに従って、それだけの必要性があるのか、という疑問も聞きます。

 そこで質問です。

(ア) 広場のデザイナー6社が応募した募集方法、条件はどうだったのですか。

(イ) 応募は開かれていたのですか。

(ウ) 問合せは何件ありましたか。仕様書(案)のダウンロード数は分かりますか。

(エ) 反対に欠格条項はあったのですか。

(オ) 未だに仕様書(案)ですが、仕様書は募集する時点では決定しているものではありませんか。

(カ) 企画競争審査委員会はどんなメンバーだったのですか。

(キ) 評価基準はどのようにして決められましたか。

(ク) 選定過程は市民の意見を反映するものだったのですか。

(ケ) 路面電車乗り入れを含めた岡山駅前広場のあり方検討委員会は今後、何を検討するのですか。

(コ) 今回、選定されたデザイナーのデザインをあり方検討委員会が修正することがあるのですか。

(サ) 駅前広場の工事費の上限は今回のデザイナー決定で30億円ほどに決まったということですか。

(シ) 結局、路面電車の岡山駅前広場への乗り入れと費用は、どこでどう決定したのですか。

 

3 国民健康保険料の引き下げと制度について

 今年度、国民健康保険料の料率が引き上げられました。

 非正規雇用の賃金が上がっていく展望はなく、年金は下げられたり支給が遅くなったりする方向です。

 にもかかわらず現状でも生活にとって重い負担になっている国保料は継続的に引き上げられることが決まっている、というのでは市民生活の見通しが立ちません。

 国民健康保険料は、国の施策として引き下げられるべきです。それとともに裁量を持っている自治体の決断で引き下げに予算を使うべきです。

 国民健康保険料が、高いことは全国知事会も認識しています。国に対して、要望を出しています。
国保加入者の平均保険料(1人当たり)は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍という水準です。

 県内でも赤磐市の国保運協では市長が国保税の負担が多い、という認識を率直に示されています。
国保料が協会けんぽなどの被用者保険と比べて、著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保にしかない「均等割」「平等割(世帯割)」という保険料算定です。

 被用者保険の保険料は、収入に保険料率をかけて計算するだけで、家族の人数が保険料に影響することはありません。

 ところが、国保料は、所得に保険料率をかける「所得割」、固定資産税の額に応じてかかる「資産割」のほかに、世帯員の数に応じてかかる「均等割」、各世帯に定額でかかる「平等割」を合算して算定されます。人数に応じて課される均等割は現代の人頭税とも言えます。人頭税は古代の単純で過酷な税制です。国の責任で廃止すべきです。

 このうち、「資産割」「平等割」は、自治体の判断で導入しないことも可能です。岡山市では資産割は導入していません。

 平等割も岡山市で判断できます。埼玉県ではすでに廃止されています。

 国保料引き下げの財源は、安倍政権のもとで、純利益を19兆円から45兆円へと2.3倍にも増やしながら、4兆円も減税されてきた大企業や、超大株主(保有株式時価総額1,000億円以上)が保有する株式時価総額が3.5兆円から17.6兆円へと5倍にもふくれあがるなど株高で資産を大きく増やした富裕層に、応分の負担を求めることで十分つくりだすことができます。例えば、アメリカなどと比べても高額所得者優遇となっている証券税制を改め、株式配当の総合課税や高額の株式譲渡所得を欧米並みに30%に引き上げるなど、富裕層への証券課税の強化だけで1.2兆円の財源が生まれます。
いざ医療を受ける時の負担も問題です。

 政令市20市中、13市が一部負担金の減免を実施しています。

 そこで質問です。

(ア) 大森市長は、市民生活にとって国保料の負担が重すぎると思いませんか。

(イ) 繰り入れをなくし、保険料だけで賄う助け合いとの考え方では、ますます減免をやりにくくなりませんか。

(ウ) 一般会計からの繰入削減は中止し、元に戻しませんか。

(エ) 市でできる平等割の廃止をしませんか。

(オ) 均等割を止めるよう国に求めませんか。

(カ) なぜ岡山市は一部負担金の減免がゼロ件なのですか。

(キ) 今後、国保法44条に基づく減免をどのように行いますか。