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甲第251号議案 工事請負契約締結について 工事名 岡山北斎場整備事業 の委員長報告に反対の立場で討論します。
大きくは、4つの理由で反対します。
1番目の理由は、最も関係が深い地元中の地元の人たちが納得していない中での工事発注であるということです。
富吉の新斎場建設事業は、平成24年9月29日に富吉町内会の臨時総会において条件付き「賛成」を可決したことから、私たちは問題を知ることになりました。
そもそも、臨時総会の議題は、岡山市からの説明会を受け入れるかどうかの決を採るだけのはずで開かれました。計画予定地に最も近い小畑の住民もほとんど参加していませんでした。ところが、総会が終って見れば、「条件付き建設賛成」になっていました。
したがって、岡山市の住民に対する説明会は一度も開かれないうちに、富吉の産廃処分場跡地が建設予定地となったのです。
平成24年9月15日にそれまで候補地としていた三和地内を断念すると発表した日から、わずか2週間後の出来事でした。
このことが、地元の人たちに大きな不信感を持たらし、世論を二分することに繋がりました。
私達は、最初からボタンの掛け違いがあったのだから、岡山市は事業化をがむしゃらに推進するのではなく、一旦立ち停まって、市民の意見を広く聞いたうえで、適地を改めて選定したなら地元の人も協力してもらいやすくなると言ってきました。
岡山市は「丁寧な説明をする」と繰り返し表明しています。しかし、最初に説明会を開かず、その後も臨時町内会で上げた「建設反対決議」や、馬屋上連合町内会長が平成25年9月20日に出した「平成24年11月28日提出の承諾書を撤回する」という文書も事業推進に都合が悪いものはすべて岡山市は耳をふさいで、今日に至っています。
2つ目は、産業廃棄物処分場跡地という用地の問題です。
用地取得費は、宅地見込み地として4億38百万円余、補償費が23百万余と高額であることです。
不動産鑑定に産廃処分場跡地の評価が十分されているとは思えません。それは、産廃が埋まっていないところを産廃処分場跡地として評価したという報告書にも表れています。
産廃跡地の形状変更を行う上で、「ガイドライン」に基づいた調査、溜りガス発生対策、基礎杭等の工事に余分な費用がかかる物件であることも加味された用地単価であるとは言えません。
3つ目は、岡山市の斎場整備計画が全市的な視点で十分検討されて炉数を決めたものでないということです。
平成52年(2040年)に岡山市の死亡者はピークを迎える想定です。その時に岡山市として28炉の火葬施設が必要としていますが、算出根拠は28炉にするための計算式と思われます。火葬集中係数は無理やり端数を切り上げたり、実稼働日が算定できるのにもかかわらず、斎苑協会の一般的な数字を金科玉条のごとく振りかざしています。
税金の無駄を省き効率的な行政執行を行うことは行政としての責任です。そのためには、岡山北斎場建設に当って検討が先に行われるべきでした。それにもかかわらず岡山北斎場12炉が先に決められていたことは納得がいきません。
4つ目は、建設費が高額であるということです。
今回の落札グループは落札しなかったグループより9千万円以上高い金額で落札しています。それも岡山市が当初から言っていた50億円のほぼ満額の49億円余の落札です。
現在工事中の東山斎場と比べて岡山北斎場は高くなっています。東山斎場にかかる事業費は、用地費、物件補償費、駐車場及び雨水貯留槽整備工事、進入路改良工事と斎場再整備工事費を合わせて、総額52億86百万円余です。
一方、岡山北斎場は今までにかかった費用は用地費と物件補償費 4億6千万余、環境影響評価6千万円、光ファイバー移設費4千万円、水道3千万円、ガス負担金2億6千万円、地元対策費1億2千6百万円それに今回の工事費等、支出済み・債務負担を合わせて今までに61億6千万円余が掛っています。さらに、これから計上されるであろう取り合い道路の立体化にも相当な費用が掛かるとされています。
斎場整備工事費だけを比べても、東山斎場が44億円余、岡山北斎場は49億円余で、炉数は東山斎場の14炉よりも岡山北斎場は12炉と2炉も少ないのに高額な費用になっています。
岡山北斎場の今回の請負契約が、なぜ49億3百万円になるか理由は明らかにされていませんが、産廃処分場跡地であるから基礎となる杭が必要となることが考えられます。
以上の点からこの工事請負契約は承認できません。