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日本共産党岡山市議団の林潤です。会派を代表して、
陳情第33号少人数学級の実現を求めることについて
陳情第35号給食費の無償化を求めることについて
陳情第36号学校女子トイレに生理用品を常備することを求めることについて
陳情第37号教育予算の充実に関する意見書の提出について
について、採択を求めて討論します。
陳情第33号は、国の方針のよりも早く35人学級を実現して欲しい、と求める陳情です。
一クラスの人数は少ない方が、一人一人の子どもに目が行き届きやすいのは当然です。
国基準が40人学級の中で少人数学級を求める声が広がり、自治体の努力も行われ、実質的には35人学級が実現している部分もあります。
国が35人学級へと舵を切ったのは、市民の運動とともに少人数学級の必要性を国が認めたからです。
「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」、義務標準法改正の審議で日本共産党のはたの君枝衆議院議員(当時)に対して、萩生田文科大臣は「一人ひとりのニーズに応じたきめ細かな指導を可能とする指導体制と安心安全な教育環境を整備して参りたい」と答弁しました。
また「前倒しして実施することも排除されていませんね」と質問に対し「具体的なスケジュールについてまで規定しているものではございません」との答弁がありました。
5年という期間は、小学校の子どもたちはほとんどが入れ替わってしまいます。5年の月日を掛けなくてはならない理由はありません。一刻も早く実現して欲しい、というのは市民の願いです。
よって委員会での不採択に反対し、採択を求めます。
陳情第37号は、小・中・高等学校の35人以下学級を早期に実現すること、高校生の一人一台のタブレット端末の公費負担を実現すること、高校を公立も私立も学費無償化を実現することについて、国へ意見書を出すことを求めるものです。
小学校の35人学級と定めた改正された義務標準法の附則第3条の検討事項には中学校も含まれています。中学校においても少人数学級について、検討することになっています。
陳情第33号で触れたはたの君枝議員の附則に関する質問に対して、萩生田文科大臣は「35人で終わりではない。中学校も含めて、最終的には30人以下が理想だと思っている」と答弁しています。
小中学校の35人学級については、自治体の取り組みとともに国の前倒しを求めることも重要です。
高校については、1993年の高校標準法の改正で45人学級から40人学級になりました。
高校も少人数の方がきめ細かい対応ができることに変わりはなく、大きくは国の方向でもあります。
また高等教育の経済的な負担感は少子化に拍車を掛けます。
今開かれている岡山県議会に対しては高校のタブレットの公費負担を求める陳情と署名が出されています。県立高校での負担軽減を県に求めるのは当然ですが、国のGIGAスクール構想で必要になったものでもあります。
国に対して、タブレット端末の負担軽減を求めるのは当然です。
高等教育の無償化は国際人権規約に定められた国際的な要請です。
「高校の学費無償化」が言われますが、所得制限があり、既に述べたようなタブレット等の高額な必須の費用もあります。
日本は、国際人権規約を1979年に批准したものの、高校・大学までの段階的な無償化を定めた国際人権A規約(13条2項b、c)の適用を留保してきました。ようやく2012年に留保を撤回しました。今年はそれから10年です。
真に国際人権規約を実現することが求められます。
よって委員会での不採択に反対し、採択を求めます。
陳情第35号は、給食費を段階的に無償にすることを求めるものです。
小中学校の給食費を無償化している自治体が256に広がっています。小学校だけ、中学校だけを含めるとさらに増えます。
給食は食育として学校教育の一環です。給食費は無償であるべき義務教育の一部であること、子育て世帯の負担軽減による少子化対策になることから、岡山市でも給食費の負担軽減に取り組むべきです。
家庭の事情でなかなか三度の食事が取れない子どもにとって給食は重要な食事です。セーフティーネットの役目もある給食は、公費でまかなう意義があります。
市は巨額の費用が掛かることを無償にしない理由にしています。
本陳情は「段階的無償化」を求めています。まずは燃料費の保護者負担を止める、次は補助し、増額していく、など段階的な方法はあり得ます。
公費負担で保護者負担増を抑える方法はすでに実施済みです。物価高の影響を抑えるにとどめず、さらに保護者負担を軽くしていくことはできるはずです。
これまでも教育や子育て支援策は地方が国に先行してきました。引き続き、先行する努力が移住・定住の促進にもなります。
給食費の段階的無償化は「誰もがあこがれる充実の子育て・教育都市」に近づける施策です。
よって委員会での不採択に反対し、採択を求めます。
陳情第36号は、学校女子トイレへの生理用品の常備を求めるものです。
12日に『「生理の貧困」から「当たり前」を考える』というシンポジウムがありました。この問題について、市民的に関心が高まっていることの表れです。
シンポジウムの基調報告は、当事者の高校生たちが校内アンケートを取ったり、トイレに生理用品を置く実証実験を行ったりしたレポートでした。実態を把握し、解決策を探る探究心と行動力は素晴らしいものでした。
参加者の中にも理解が深まり、さらに外へ伝えていこうとの思いが広がっていました。
今議会で、教育長は保健室に取りに来てもらって相談する機会にするため、としてトイレへの常備は拒否しました。
生理用品がトイレに置いてあっても、相談に行く妨げにはなりません。また相談に行くのも生理の最中である必要はありません。
相談自体のハードルもあります。相談しにくい、できない子どもも、まずはトイレに置いてある生理用品を誰に断ることもなく使えるようにすればいいことです。
トイレに置かない理由を相談のきっかけづくりにしていることに対して、紹介したシンポジウムで高校生から「生理用品を取りに行くことができない子の相談は受けなくていいのか」という指摘がありました。その通りだと思います。
ナプキンを取りに来ても来なくても、学校、先生が相談しやすい雰囲気、環境を作ることが大切です。
衛生的な管理を課題のようにいう声がありますが、すでに学校への設置をしているところがあります。生理用品は個包装になっており、箱に入れるなどの方法はあります。
生理用品は必需品として2021年にイギリスは非課税にしました。スコットランドの公共施設では無料で手に入ります。
急に生理が始まった、持ってはいるけど忘れてきた、などの場合にもトイレに常備されていれば、助かります。飲食店のトイレで洗面所にコットンや綿棒とともに生理用品が置いてあることもあります。
トイレットペーパーは自分で用意しなさい、とは言われません。岡山市の学校でも先例に学び、学校の女子トイレに生理用品を置くべきです。
自由に取れるようにすることで、「適正な使用」がされるのかと懸念する意見があります。不要な人が使うことを心配するよりも、必要な人に届くようにすることが重要です。
経済的な貧困は問題の顕在化のきっかけではありましたが、学校の女子トイレに生理用品を置くことは経済的な貧困対策ではありません。生理の貧困とは「生理に関する衛生的な手段や教育が十分に行き届いていない状態」というのがアメリカ女性医学協会の定義です。
女性にだけ税金を使うことを不公平だとする反対意見もあります。女性ゆえの負担、不便の我慢を押し付けるのは女性差別です。
もしも男性ゆえの不利益があるとすれば、それを解決すればいいことです。生理用品を配布しない理由にはなりません。
女性も男性もLGBTQ+も、性による不便、不利益がない社会にしていくことがジェンダー平等です。教育現場で実施する意味のある施策です。
よって委員会での採択に賛成し、陳情第36号の採択を求めます。
議員各位のご賛同を賜りますよう、お願いして、討論とします。