議会質問・ニュース

(質問原稿) 2019年2月議会 代表質問(2/28河田正一)
[ 02月28日 ]

2月28日に河田正一議員が日本共産党岡山市議団を代表して行った質問(1回目)の原稿です。

190228代表質問原稿(河田


1 市長の政治姿勢について

(1)国の予算の使い方 ― 防衛費増と社会保障費削減

 2回目の米朝首脳会談が行われるなど、北朝鮮情勢は大きく改善しています。そうした中で、日本の防衛費は5年間で27兆4,700億円という膨大な予算が中期防衛計画に盛込まれました。

 F35ステルス戦闘機147機、護衛艦いずもの空母への改造、イージスアショア、これらは安保法制=戦争法の具現化を図るもので、メディアも「軍事への傾斜 一線を超えた」「専守の歯止めどこへ」と厳しい批判をしています。「専守防衛」をかなぐり捨てる、「浪費的爆買い」の二重の意味で「アメリカ言いなり政治」と言わざるを得ません。

 一方、暮らしと福祉への圧迫はひどくなります。低所得者の後期高齢者保険料特例軽減廃止による負担増、保険の窓口負担増、生活保護費の切り下げなど社会保障はわずかなものまで削っています。安倍政権7年間で、社会保障費は4.3兆円改悪され、年金はマクロ経済スライドで2兆円削減です。新年度予算でも厚労省が自然増6,000億円を求めたのに4,800億円しか認められませんでした。

 憲法は、第25条2項で、国は「すべての生活部門について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」。地方自治法は、自治体の権限役割を第1条の2で「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものと」すると謳っています。

 質問します。

ア 市長は今まで、防衛は国の専管事項だとして答弁を避けてきましたが、市民の暮らし、社会保障費削減に政府が国民生活関連予算を削減している中で、防衛費膨張が続いています。これは限られた予算の使途を考えると影響していると思います。ご所見をお示しください。

(2)消費税増税

 市長は提案理由説明で、国の月例経済報告をひいて、景気は「緩やかに回復している」としています。昨年6月に「現金給与総額」が21年ぶりの高い率を示したと報道されました。実はこの数字は、統計の不正によることが判明し、撤回されました。
2014(平成26)年に安倍晋三内閣は消費税を8%に増税しました。さらに連続して10%への増税を図りましたが、いずれも大きく経済は下振れし、前回の8%増税時の不況から未だに脱却している状況にありません。

 安倍政権は戦後最長の景気回復が継続していると言っています。しかし、実態は実質成長率がわずか年1.0%と先進国で最低で、しかもこの成長率も年金財源など公的資金を投入した株価釣り上げや研究開発費を設備投資に組み込むなどGDPを20兆円増やす統計操作で増やされました。
停滞の原因は、国民生活の劣化です。非正規労働者が4割近くを占め、実質賃金は4.5%も低下し、家計の消費支出は安倍政権の6年間で25万円/年も減少しています。

 消費に占める食費の割合を示すエンゲル係数が2012年の23.5%から17年は25.7%へと急上昇しています。年金削減と社会保障削減のダブルパンチの中で国民は苦しい生活を一層強いられることになります。

 このような時期に消費増税を行えば、日本経済と市民の暮らしは大打撃を受けるのは必定です。政府はそれを知りながら、小手先の対策で乗り切ろうとしています。

 消費税増税と複数税率に伴う政府の消費税対策はとても複雑なものです。中小零細業者にとっては大きな負担となります。

ア 2013年時と比べ昨年の家計消費は伸びていますか。消費税増税の家計への影響をどのように考えますか。

イ 消費税増税に伴う複数税率と景気対策による様々な対応によって、実質税率は5種類に分かれるとのことです。水道水とペットボトルの水、リポビタンDとオロナミンC、学生食堂と学校給食、現金とカード決済、中小の店とコンビニと大手スーパーとで、商品、場所、支払方法の違いによる実質税率を分かりやすく示してください。

ウ 複数税率対応レジ設置及びキャッシュレス決済対応は、市内の商業店舗ではどの程度準備ができていますか。

エ 売上1,000万円未満の零細業者は市内に何社ありますか。何割を占めますか。

オ 2023年10月から「インボイス」が導入されます。導入後は税額などを書類に明記して取引先に通知することが必要です。年間売り上げ1,000万円以下の免税業者はインボイスを発行できず、取引から排除される恐れがあるため、課税業者になることを事実上強いられることになります。零細業者は廃業せざる得なくなるのではありませんか。

カ リサイクルを扱う商売人は、インボイスを発行することができますか。

キ 逆進制で弱者ほど負担率が大きいのが消費税です。最悪の税制とも呼ばれています。消費増税と複雑で煩雑な税制の押し付けは、中小、零細業者の経営に消費税増税はどのような影響すると考えますか。 

(3)大企業の税率引き下げと内部留保拡大

 「アベノミクス」の「第1の矢」とされた異次元の金融緩和策も、「第3の矢」の成長戦略の柱である原発輸出も、ことごとく行き詰まっています。

 「世界で一番企業が活動しやすい国」を掲げた「アベノミクス」は、人々の暮らしを痛めつける一方で、大企業には大きな恩恵をもたらしました。法人企業の経常利益は1.7倍に膨れ上がりました。これに伴って株式配当も増え富裕層は潤いました。企業の内部留保は443兆円にも膨れ上がっています。

 過去30年間に国民が払った消費税は総額372兆円ですが、同じ間に法人3税は291兆円減りました。消費税は社会保障のためという言い訳は通用しません。結局は、消費増税は大企業の法人税などの減税の穴埋めに回っただけですし、今回も、法人税は4兆円減税されます。

ア 「アベノミクス」は大企業がもうかれば労働者に滴り落ちる、いわゆる「トリクルダウン」の論理です。労働者は大企業のもうけを享受できていると感じていますか。

イ 税金は、消費税増税でなく、アベノミクスで恩恵を受け大もうけした大企業や数億・数十億円の収入がある大富豪から、応分の負担をしてもらうべきと考えますが、直接税と間接税の在り方について、税による所得の再分配機能を考えてご所見を示してください。

(4)基金活用

 今年度から、御津、灘崎の合併に伴い設立した地域振興基金35億円余を周辺地域活性化に使うことにしました。岡山市には多くの基金がありますが、ため込むだけでなく市民のために活用すべきです。

 以下の基金の活用方針をお示しください。

ア 財政調整基金197億円

イ 土地開発基金46億円

ウ 公共施設等整備基金158億円

エ 一般廃棄物処理施設整備基金8億円

オ 御津地区学校教育施設整備基金16百万円

(5)斎場整備

 瀬戸内市新火葬場計画と岡山市斎場計画で、必要炉数をそれぞれが計算するのではなく、一体として使うならば合計して計算をする必要があるのではありませんか。

(6)市庁舎建て替え

 19階建て243億円の建て替え計画が出されました。2013年に耐震化かそれとも建て替えかの計画で示された金額は、中層階建て替え131億円、高層階148億円でした。耐震化改修124億円と比べて建て替えが有利ということになりました。しかし、事業費が耐震化の2倍かかるとなると全く様相が異なります。

ア 市役所の建て替え計画でPFIなどの民間資金を活用する方向も検討されていました。しかし、国の市役所建て替えの財政措置が延長されたことを受け、民間資金の活用ということはなくなったと理解してよろしいか。市町村役場機能緊急保全事業債の対象となるにはどのような要件がありますか。制度の仕組みをお知らせください。

イ 建て替え計画の税抜新築工事費のみで243億円の中に含まれる施設と含まれていない施設を示してください。

ウ 分庁舎機能を本庁舎に組み込み、分庁舎を売却する計画です。2013年時の予算と大きな違いがあるのですから、市役所建て替えに対する市民の声を広く聞く必要があります。パブコメを実施するだけでは不十分と考えます。少なくとも各区での説明会等を開催しませんか。

エ 経済団体・市民から市役所に併設するアリーナ建設野要望がありました。ファジアーノの政田練習場を計画したときは市民等の寄付を見込んでの建設でしたが、建設費9億円に対し、寄付金は2千万円で、1億円に届きませんでした。財源についての考えを含め、対応をお聞かせください。

 

2 市民のくらしと健康

 岡山市では大型事業計画が次々に打ち出されています。吉備線LRT化、岡山駅前へ路面電車乗り入れと広場整備、千日前の芸術創造劇場、市役所建て替えなど一気に計画が動き出しています。その一方で、暮らしや命のかかわる施策にしわ寄せがきているのではないかと思い質問します。

(1)国民健康保険

 国民健康保険は事業主負担がないのと、加入者は退職者、低所得者が多いため、保険料の所得に対する割合が高くなっています。協会けんぽに比べおよそ2倍の負担があります。経済的な困難から国民健康保険料が払えず、資格証など実質的に無保険状態に置かれて命を落とす、こんな手遅れ事例が後を絶ちません。全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で、2017年には63件の事例が報告されています。岡山市でも1件ありました。

ア 国民皆保険制度のもとにあって経済的困難で命を落とす、このような事例をどのように思いますか。

イ 直近の国保加入世帯の平均所得、保険料負担はどうなっていますか。そして協会けんぽ、組合健保と比べてどんな特徴がありますか。

ウ 中でも、均等割で世帯人数が増えると赤ちゃんでも1人35,760円がかかります。

まさに「人頭税」というべきもので、少子化対策と相反する制度です。均等割をなくし、その分国庫負担金を増額するよう国に対し強く求めませんか。国が全国知事会から再三にわたり要望を受け、均等割を見直すといってから4年もたっています。また、全国知事会は1兆円の国庫負担増を求めましたが、国は3,400億円しか増やしていないのですから。

エ 均等割をなくせば、多子世帯の国保料を大幅引き下げることができます。岡山市独自でも実施しませんか。

オ 市町村が国民健康保険料負担軽減のために行っている法定外繰り入れを廃止するように政府が求め、岡山市もそれに沿って7年連続値上げを計画しています。国の指導に従わない場合の国の対応をお示しください。

(2)後期高齢者医療保険

 国が後期高齢者医療保険料を最大9割軽減する特例措置の2段階廃止を進めています。また、窓口負担が原則1割から2割にしようとしています。負担が2倍になります。

 岡山市として2割負担の中止を求めませんか。

(3)介護保険

ア 国は、要支援1・2に続き要介護1・2の生活援助サービスを保険給付から外し、訪問・通所介護など在宅サービスの総量規制の強化、介護保険の利用者負担を原則2割に引き上げ、介護老人保健施設、介護療養病床、介護医療院の多床室の室料を自己負担にする方向を財政審議会が打ち出しています。介護を支えるうえでどのような影響が出ると考えますか。

イ 特養の入居希望者は2,560人、岡山市の増床計画は58床です。今後高齢化が一層進む中で、入所希望は増えますが、施設は足りていると判断していますか。

ウ 岡山市内事業所での介護関係職員の実稼働人数及び不足人数、平均在職年数は把握していますか。

エ 介護職員不足に対する待遇改善で国は、勤続10年以上の介護福祉士とリーダー級の介護職員に8万円/月の加算をするそうですが、岡山市内で何人が該当しますか。それは介護職員の何割になりますか。

オ 岡山市独自に処遇改善をして、必要な介護職員を増やしませんか。

(4)子ども医療費

 全国の市町村の86%、県下の他自治体すべてが小学校卒業まで入院・通院とも無償化しています。

ア 岡山市は、無償化がコンビニ受診を招くとして小学生の通院の有償を続けています。市内未就学児の無償化による「無駄な」受診の実態を把握していますか。

イ 3割負担から1割負担にしたことで財政負担はいくらですか。

ウ 県下で唯一、受診が有償であることが子育て世帯にどのような影響を与えていると考えますか。

エ 小児科医が反対するからというのも無償化しない理由ですが、大病院の小児科医の意向です。全国保険医協会は無償化を求めていますが、開業医の意向は調査されましたか。

オ 中学校まで通院費の無償化を行いませんか。

(5)無料低額診療の普及周知を

 無料低額診療制度は市内の4医療機関で行われています。しかし、病院の負担で行われており、岡山市の公的助成はありません。

ア 無料低額診療制度の周知をどのように行いますか。

イ 院外処方の薬代は低額診療の対象になっていません。高知市ではわずか33,000円で実施できていますが、岡山市で実施するとしたらいくらかかりますか。

ウ 薬代の助成を行いませんか。

 

3 暮らしと働き方

(1)被災者支援と防災対策

ア 国の災害救助法が適用されない場合でも、実情に合わせた生活再建支援金や応急修理制度などの支援策を岡山市に創出してもらいたいがいかがですか。

イ 住宅応急修理制度は半壊以上の家屋が対象です。しかし、半壊以上の世帯への支給要件等周知は出来ていましたか。被災しても住むところがない方は速やかに床・畳等を直し住み続けることを選びます。現地調査を市職員が行って「り災証明」を出しているわけですから、写真等の施工前、施工中の明確な証拠が無いということで、支援がされないことがないような対応をお願いしたいが、いかがですか。

ウ 床上浸水の被害でなく、宅地が崩落して立ち入り禁止となった家屋は、事実上の全壊です。国の基準がなくても市として全壊認定し、公費解体はできませんか。

エ 被災に関する対応は、保健福祉局ではなく危機管理室が行うよう、窓口一本化が求められます。機構改革をしませんか。

オ 河川の堆積土砂の速やかな撤去をすることが必要です。国・県は予算がないからと浚渫や樹木伐採を行いませんでした。しかし、大被害が起こった地域には、今まで付かなかった予算が付きました。被害が起こる前に行うことが必要です。国・県へ強く要望をしなければなりません。国・県に被害個所の実態を突き付け、具体的対応を求めましたか。

カ 旭川の土砂撤去が行われていますが、運搬距離が長く土砂撤去の効率がよくありません。また、足守の県の土捨場は満杯になっています。近くの民地を活用するように市として県への提案や支援を行いませんか。

キ 市が管理する河川も土砂等の堆積があります。除去しますか、どのように行うか方針・目標を示してください。

ク ポンプ施設を早急に設置しなければならない箇所が多くあります。計画している箇所だけでなく必要な箇所は何カ所か、いつまでに設置するか方針をお示しください。

ケ 避難所設置は小学校などが指定されています。しかし、指定避難所まで数キロもあるような地域では近くの集会所等への避難が必要と思います。自主避難所に対しても、必要な支援物資を届けることをしていただけますか。

コ 豪雨災害で県の検討委員会は専門家も入れて、かなり厳しい指摘を受け改善すると聞きます。岡山市も内部だけの課題検討でなく専門家も含めきっちり検討すべきと思います。いかがですか。

サ より多くの人が受講できるように防災士養成講座受講補助を充実しませんか。

(2)生活保護

ア 生活保護受給者の増加にケースワーカー数が追い付かないという状態が続いています。改善に向けての対応方針をお示しください。

イ 職員の不足ということもあり、一部のケースワーカー職員の訪問時の対応が強圧的で不適切との声があります。岡山市は生活保護受給者にどのようにしていますか。

(3)障害者雇用

 教育委員会で障害者雇用が規定に達していないことが判明しました。改善の見通し、スケジュールをお示しください。

(4)中小企業支援

 市内の中小企業は全企業の99.7%を占め、雇用は6割以上を占めます。小企業・家族経営は、生きる糧を自ら生み出す地域に密着した社会的存在です。また、地域内の産業ネットワークを形成し、資金の地域内循環を通じて「地域内再生力」を高め、雇用や仕事、所得を生み出すなど、地域経済の再生になくてはならない存在です。

 小企業・家族経営の経営を阻害し、事業継承や創業を阻害する要因を、除去する施策が求められます。

ア 中小企業・小規模事業者への「ものづくり補助金」「持続化補助金」の予算を2017年から2019年度予算案までお示しください。また傾向についてのご所見を。

イ 無駄な公共事業よりも生活密着型の公共事業を重視し、「地域の仕事は地元の業者に」のルールを確立しませんか。

ウ 仕事の発注に納税要件をつけず、経営が苦しくとも頑張る小企業・家族経営の受注確保を応援しませんか。

エ モノづくりの技術を守り、離職を防ぐためにも、人材育成を公費で支援しませんか。

(5)公契約条例

 市の発注する工事に週休2日制を5月から導入するとのことで、3Kと言われる建設業に従事する人が増えることを期待します。一方で、賃金を適正に管理しようという公契約制度については消極的です。公契約を導入することを考えませんか。

(6)多文化共生

 入管法の改定により、より多くの外国人労働者が住むことになります。低賃金や違法な働かせ方が懸念されます。それは日本人労働者の働かせ方に影響を及ぼします。また、住居の近隣住民とのトラブルも予想されます。多文化共生社会のため、彼らの生活をサポートする具体的な対応をお示しください。

(7)農業

 日本農業新聞が実施した全国の農協組合長アンケート(同紙1月4日付、回答511組合、回答率79%)によると、安倍内閣の農業政策を「高く評価する」「どちらかといえば評価する」を含め3.7%、これに対し「全く評価しない」45%、「どちらかといえば評価しない」51%で、合計96%が批判的です。安倍農政に対する「不信任」が、ほぼ絶対多数の空前の規模に達したことを示しています。

ア 農政局のまとめによると、2017年産のコメの生産費は、岡山県で16万1,415円(前年度比9.8%増)でした。中四国農政局の平均は、全国8農政局で最高でした。中山間地を多く抱える岡山市として、農業を再生可能な産業として残すための施策はどのようなことを行いますか。

イ 鳥獣害対策は檻や狩猟などで捕獲数は年々増えています。しかしそれ以上の勢いで繁殖しており、農業者が丹精して栽培した作物を収穫直前に食べられる被害は大きなものがあります。これらは農業共済としてはほとんど届けられていませんが、生産者には精神的ダメージも相当あります。捕獲意欲を増すために、イノシシや鹿などの付加価値を高める加工施設設置等の施策にどのように取り組んでいますか。

ウ イノシシ・鹿などの皮や骨などの処理はどのようになっていますか。加工施設とセットなら国の補助メニューもあると聞いています。処理が適正に行える施設を設置しませんか。

エ 種子法の下で、米・麦・大豆の主食の種子は、安全でおいしいものが提供されてきました。昨年種子法が廃止され、これまで県農業試験場が地域に適した品種をと改良を重ねてきた種子が、従来どおり供給できるのか疑問があります。地域ブランドの農作物をつくり続けることができるように種子法の復活を国に求めませんか。

オ 国の法律が復活するまで、岡山県が種子条例をつくるように求めませんか。

カ 農家にとって税金の扱いが変更され大きな問題になっています。これまで委託販売手数料を差し引いた金額を課税売上額としていたのが、販売手数料・市場手数料込みで売り上げになるとのことです。株式会社や有限会社の個人経営商店が扱う取引と農協等を通じて取引される農産物で、農家の適格請求書等の扱いが変わってくるとのことです。これらによる影響を受ける農家と商店はそれぞれどれくらいありますか。

キ 現行制度では、農作業受託契約等による農産物の販売金額は、受託者の譲渡金額として委託者に支払う金額を課税仕入れにかかる金額としても差し支えないとしていたものが、適用しないとされるとのことです。この影響はどの程度あると見込まれますか。

 

4 子育て

(1)待機児対策

 「4月から仕事復帰なのに、どうしたらよいのか」「すでに今フルタイムで働いて、祖母宅に隣の町まで預けに行っていて限界」「両親フルタイムで働いているのに入れないなら、どうすればよいのか」「保育園激戦区から引っ越してきた。岡山は地方都市なのに、なぜこんなには入れないの?」「無償化より待機児童解消!」「お母さんなんかなるんじゃなかった、なんで結婚したんだろう」「東京から引っ越してきて、まだ岡山市のほうが入りやすいと思ってたのに、晴れの国でなく雨ザーザーだ!」こんな声が日本共産党岡山市議団に寄せられています。

ア 今年10月から3歳~5歳児の幼児・保育無償化が始まります。無償化による入園希望者数をどう見ていますか。また受け入れ態勢はどうなっていますか。年齢別にお示しください。

イ また、その調査結果に基づく施設整備計画を策定しませんか。

(2)保育の質の担保

ア 無認可園で待機児解消が図られたとするのには、保護者は不安です。無認可園での死亡事故は認可園の20~40倍の率で起こっています。認可保育園を増やすべきです。北長瀬の新設保育園は最大定員342人、3階建て、2020年4月開園予定ですが、認可保育園ではありません。認可園にしませんか。

イ 認可外保育の利用者の無償化の範囲とそれを超える部分の負担はどうなりますか。

ウ 企業主導型保育園の園児充足率は、全国的には6割程度と報道されています。岡山市の実態は把握していますか。

(3)就学援助
新入学児童・生徒の入学準備金が前倒しで支給されることになり、喜んでいました。しかし、支給日は3月下旬で入学準備用品購入に間に合わないことを知りました。

ア 市立小学校、中学校の入学準備用品購入日は、中学校・小学校それぞれ何日ですか。そして、市が支給しようとしているのは何日ですか。

イ 入学準備金の前倒し支給を求めてきたのは、そもそも何のためだったと理解していますか。理解がされていて入学準備金支給が用品購入に間に合わないのでは、行政の怠慢であり体裁だけ整えたと言わざるを得ません。ただちに支給しませんか。

(4)児童虐待

 千葉県野田市で小学校4年生の児童が、親に虐待され死亡する痛ましい事件がおきました。

 教育委員会、児童相談所の対応に批判か集まっています。この事件は大きな波紋が広がっています。教育委員会、児童相談所の対応に問題があったと考えますが、

ア 岡山市教育委員会及びこども相談所において、この事件をどのように分析し、今後どのように生かしますか。

イ 母親が黙認していた背景にDVがあるといわれています。DVと子ども虐待の関連を疑う視点が必要ではありませんか。

 

5 教育・文化

(1)少人数教育

 教師が子どもと向き合う時間をしっかりとりその子どもを把握するのは大切です。様々な役割の教員を増やす方法では、子どもを丸ごと知るうえで一人の教師が少数を教える方法に劣ると考えます。だから少人数学級を実施すべきと考えますが、いかがですか。

(2)教員の働き方

 文科省の「教員勤務実態調査」によると、月曜から金曜まで1日平均12時間近く働き、土日も働いているという教員の姿が見えてきます。週のうち半数は睡眠時間が3~5時間という教員もいます。「学習指導要領」で、週6日制だった時の小学校6年間の総授業時間は5,785時間でした。週5日制になり、勤務日は17%減になりましたが、授業数は7%しか減りませんでした。そして2020年からは週6日制時代と同じ5,785時間の授業時間になります。

ア 長時間勤務解消への課題と事務処理の削減を含め、解消の目標年次をお示しください。

イ 教職員の在校時間調査を行いましたか。その結果はどうでしたか。

ウ 文科省の調査では精神疾患で休職している教員が5,000人を超えたとしています。岡山市では何人が休職し、そのうち何人が精神疾患を理由としていますか。また、年度の中途での退職は何人いますか。

エ 「義務標準法」(1958年)では、「教員定数を、授業数÷教員1人の受け持ち授業数で算出する」、「教員1人の受け持ち授業数は1日4コマとする。」と規定されているのではありませんか。

オ 正規教員を増員する計画をお示しください。

(3)性別にかかわらず制服が選べるように

 LGBTなどの人は7%を超えるといわれています。児童生徒にも存在します。ある学校で、スカートを強要され登校拒否になった子どもがいると聞きました。スカートでもスラックスでもどちらでも選択できるようにしませんか。

(4)学校図書館司書

 司書の役割は、児童生徒が本と接するうえでとても大切です。正規職員は33人で非正規司書は96人です。勤務時間の違いで児童生徒と接する時間に違いが生じます。すべての学校司書を正規化することを求めます。ご所見をお示しください。

 

6 まちづくり・交通

(1)再開発

 中心市街地の再開発事業は、商業施設・事務所機能を優先すべきと考えます。マンション建設に補助金を出していますが、学校不足に拍車をかけるだけではありませんか。ご所見をお願いします。

(2)駅前広場の路面電車乗り入れと広場整備

 中心市街地の活性化と回遊性向上のためにとして、路面電車駅前乗り入れと駅前広場整備が進められています。費用対効果も明らかにできない中で、市政の最優先課題と考え整備を進めていますか。私たちにはもっと優先課題があるとの声が多く聞こえます。市民のこの声にどのように答えますか。

(3)吉備線(桃太郎線)LRT化

 「事業費240億円の24%をJR西日本、29%を岡山市、9%を総社市、残り38%を国が負担する」ということを、JR西日本、岡山市長、総社市長が協議して決めたと昨年春発表がありました。

ア LRT化のメリットとして、運行本数を増やすことを挙げています。JR奈良線は単線ですが、行き違い駅を増やし通勤時は10分おきに運行されています。行き違い駅を増やすことで増便は可能ではありませんか。

イ LRT化で岡山駅までの所要時間はどの程度増えますか。また運賃は2割アップするとのことですが、これが本当ならば、利便性向上どころか市民には不利益となります。どこで運賃のことについて議論がなされますか。JRが勝手に決めることになるのではありませんか。

ウ LRT化で使われる車両はバリアフリーという利点はありますが、現在吉備線を走っている気動車の定員に比べて大幅に少なくなります。現在は朝の通勤時間帯は4両編成で運行していますが、この人数を運ぶためには定員何名の何両編成のLRTが何本必要ですか。

エ JRの多くの路線が岡山駅に集まっていて交通の結節点であることが岡山市の大きな売りになっています。しかし、実態は運行本数が少なく利用者は不便を感じています。吉備線LRT化にのみ巨費を投入するならば、行政としての公平性を欠くことになります。他のJR路線や民間交通機関への税金投入を今後行い、住民の足となる公共交通の利便性確保を行うこととセットで考えていますか。

オ これほどの巨費投入する重大な方針を議会での十分な審議もなく、JR西日本、岡山市長、総社市長の協議で決めるのは議会を軽視していると考えます。ご所見をお聞かせください。

カ LRT化に吉備線沿線の住民だけでなく、全市的な意向調査を行いませんか。

(4)バス路線の充実を

ア 競合する路線の統合で運転手を確保し、周辺部の路線拡充をしなければ、住民の公共の足は守れないと考えます。岡山駅への「めぐりん」乗り入れだけでも紛糾していると仄聞しています。数多いバス会社をまとめるのは大変だと思いますが、市として強いイニシャシティブを発揮することが望まれます。重複路線の解消をいつまでにどのように行うつもりですか。

イ 路線バスの維持が難しいと撤退する動きがあります。路線を維持するために、市としても一定の支援をしてもよいと考えますが、ご所見を。

ウ デマンドタクシーによる地域公共交通の維持を、岡山市は進めています。より効率的で住民が利用しやすいようにしなければなりません。過疎地域での運行は採算が取れないので公費投入は避けられませんが、多くの人の利用が望まれます。利用促進に向けての具体的政策をお示しください。

 

7 環境

 海洋ごみの廃プラが大きな問題となっています。また、温暖化による海面上昇で、オーストラリアの哺乳類(ネズミの一種)が絶滅したニュースも伝えられました。環境対策は全人類にとっても直ちに対応しなければならない課題です。東アジア首脳会議で、SDGsへの取り組み、海洋ごみや廃棄物からのエネルギー回収技術の重要性が話し合われました。

(1)再生可能エネルギーの普及

ア COP24では、地球温暖化防止のために、産業革命前の気温に比べて1.5℃以下の上昇に抑えるために、各国が目標達成に努めることを決議しました。岡山市として、今までの延長線上での対応ではCOP24の呼びかけに答えられないのではありませんか。どのような対応を考えていますか。

イ 太陽光発電に対して岡山市はどのような普及策を行いますか。

ウ 太陽光発電は再生可能エネルギーですから、普及するべきです。しかし、自然を破壊し、金儲けをするためだけの大規模計画は、住民生活を危うくするもので認められません。足守大井地区のメガソーラー計画については、岡山市の環境アセス条例施行前に駆け込み申請を受け付けないように県に働きかけをしませんか。

エ 環境アセスにはかからない規模でのソーラー発電開発で、住宅地に土砂被害等があった北区岩井2丁目で計画が既に進められています。いまだに大きな土嚢が積まれたままです。復旧を放置したまま太陽光パネルの設置に住民は怒っています。開発審査では、被害状況について十分考慮がなされて許可しましたか。岡山市として今後の被害に責任が取れますか。

(2)原発再稼働は許されない

 九州電力は、玄海原発再稼働をしながら太陽光発電などの出力抑制を行っています。原発は危険であり、廃止するのも莫大なお金がかかります。トータルコストは高く、国民に不安を抱かせるものです。また、安倍首相が主になって外国に売り込んでいた原発は、米国、ベトナム、台湾、リトアニア、インド、トルコ、英国がことごとくうまくいっていません。建設費用がトルコでは当初の1.2兆円が5兆円に、英国は2兆円が3兆円に膨らみました。

 日本での安全対策費も、再稼働審査が進む中でうなぎのぼりです。2013年度電力11社の見込みは、安全対策費が1兆7,826億円でした。しかし、18年度は4兆5,644億円と5年間で2.5倍にもなりました。原発は国が手厚い支援をしなければやっていけない無理のある電源供給源で、国内的にもビジネスとして成り立たなくなっています。また、保険会社が原発の重大事故に対する補償額の増額に応じませんでした。原発のリスクは大きくてこれ以上の保証はできないということです。

ア 原発再稼働反対の意思を岡山市として示すことを考えませんか。

イ 昨年北海道で地震があり全道ブラックアウトになりました。電源を1カ所に集中する危険性を露呈しました。エネルギーの集中ではなく地域レベルでの分散化が望ましいと思いませんか。

(3)ごみ減量、資源化

 食品リサイクル基本方針の見直しで、食品ロス半減が目標とされる見込みになりました。
廃プラは中国の輸入中止で輸出は3割減り、国内に廃プラが滞留しています。

ア ごみ組成分析結果を見ると、厨芥類(生ごみ)42%、紙類29%、プラスチック類19%が大きなウエートを占めています。これらをそのままにして大幅な減量化は不可能です。岡山市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画には、減量化が可能な厨芥類は家庭系で39.7%、事業系では30.8%、さらに、事業系のプラスチック類12.5%、紙類19.6%と明記されています。減量可能なごみをどのようにして減量化するのか、それぞれお示しください。

イ 廃プラ削減では、レジ袋有料化、ストローの廃止など少しずつ動きが出ています。環境省は2030年までに使い捨てプラスチックの25%削減の方針です。市が主催するイベント等には、使い捨てのプラスティク容器は使わないようにしませんか。

ウ サーマルリサイクルと称して焼却施設で燃やすことは、温暖化防止の点から早晩見直しを迫られます。

 環境省が廃棄物エネルギー回収促進にかかる市町村向け説明会を計画しています。市として本気で研究して、燃やせばよいという施策から脱却することを考える時期に来ているのではありませんか。

(4)ごみ処理広域化計画

ア 200t/日の焼却炉は現状追認の計画です。ごみ減量目標をより引き上げて減量化を図り、焼却炉の計画規模を縮小しませんか。

イ 玉野市と久米南町エリアでは、現在プラスチックは分別して収集しています。岡山市も分別を行ないませんか。

ウ 災害廃棄物量(可燃ごみ)は、広域化計画では東南海・南海トラフ二連動型地震の81,816tを想定しています。しかし、岡山市が想定している南海トラフ巨大地震(三連動型)では約40万tの想定です。被害規模の想定は難しくまた不確実な数字です。昨年7月豪雨による災害廃棄物の多くが民間業者により県外で処理されました。大規模被害のあった倉敷では仮設焼却施設で災害ごみを処理しているではありませんか。予測不可能な大きな計画をするよりも、昨年実績の4千t程度を災害廃棄物量(可燃ごみ)とするほうが現実的であり経済的と考えます。ご所見を。

(5)事業系ごみの適正料金

ア 事業系ごみは年々増加する一方です。岡山市の事業系ごみ処理料金は、処理原価よりも大幅に安くなっています。国は、「事業系一般廃棄物について、(中略)その処理にかかる原価相当の料金を徴収することが望ましい」述べています。岡山市は審議会の議題としていますが、市としての方向性をお示しください。

イ 紙おむつの処理は、どの焼却施設でも問題だと聞きます。岡山市の焼却場では、介護施設等から排出される使い捨ての紙おむつが、どれくらい焼却されていますか。また、紙おむつ焼却にはどんな問題がありますか。

(6)産廃処分場

 廃掃法に基づき建設許可を与える産廃処分場は、他法令がクリアされない段階でも許可できるというのが、エヌエス日進の御津虎倉処分場第3期計画です。現在は県の砂防指定地を無届で工事をしたということで、産廃の搬入が止まっています。

ア 廃掃法第14条の3には、「違反行為をしたとき」「期間を定めてその事業の全部または一部の停止を命ずることができる」とありますが、岡山市はどのような対応をしましたか。

イ 今後も廃掃法と他法令は違うとして、他法令がクリアされなくても許可を下すことはありますか。

(7)汚水処理

 岡山市の下水道普及率は66.8%、汚水処理率は82.6%です。全国平均の汚水処理率90.4%と比べても低い数字です。下水道の普及が遅れ、広大な市域を持つ岡山市においては、下水道普及率向上に多額の予算を投入することは非効率です。しかし、汚水処理により快適で衛生的な生活を送れるようにしなければなりません。そのためには合併浄化槽の普及が必要です。

ア 合併浄化槽の普及のために「設置費の全額補助」という思い切った普及促進を図りませんか。総務省は「下水道施設が普及していることによりその便宜を享受できる住民とそうでない住民との間に不公平が生じることを踏まえた上で、(下水道)使用料の適正化を図ることが重要である」と言っています。このことを踏まえ、初期費用を全額市費負担(一部国庫補助を含む)しても下水道整備よりはるかに安いことを考慮すれば、市費の節減になります。

イ 合併浄化槽を既に設置している一般家庭には、維持管理費に何らかの補助を検討しませんか。

ウ 下水道施設の更新時期を迎えるものも多くあります。更新に当たっては既存施設の建設メーカーが引き続き更新工事を請け負うことが多いですが、新技術を研究し建設費用の削減と維持管理費削減を図るべきです。このことに対するご所見をお示しください。