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日本共産党岡山市議団の宿女和子です。会派を代表して、本議会に上程された
甲第134号議案 令和5年度岡山市一般会計補正予算(第3号)について、
甲第138号議案 岡山市 市税条例の一部を改正する条例の制定について、
甲第163号議案 工事請負契約の締結について、
の3件について、委員長報告に反対の立場で討論します。
まず、
第3表、債務負担行為補正である、岡山駅前広場への路面電車乗り入れ整備事業(地下街補強関連)29億3千万円、同じく第3表の2、岡山駅前広場への路面電車乗り入れ整備事業21億6千5百30万円は、この度の計画修正で22億円以上事業費が増えることに伴うものです。
増額の内容は、地下街工事のために休業や移転する店舗の営業補償、内装工事等の費用です。
路面電車の岡山駅前広場乗り入れに関する予算については、会派としてこれまで一貫して反対の意見をのべてきましたが、今回の予算案は線路の延伸と一体の地下街の工事に掛かるものです。
この事業の議論がはじまった2015年当初は、線路100メートルの延伸に10億円ということでした。その後、駅前広場を後楽園風に改修するとして43億円に増え、昨年1月には、法令の認識不足から86億円に倍増となりました。しかし、86億円では市民の理解が得られない、と広場改修の一部を取りやめて66億円に圧縮された経緯があります。
それが今回、補償費の見込み違いなどで、費用が全体で22億円増えて、総額は88億円になりました。店舗への補償費の見通しが甘く、16億円から13億円増えて29億円になるのが大きな要因です。
これまで、公共交通の利便性や中心市街地の回遊性の向上などが図られることを理由に進めてられてきましたが、岡山市の周辺部には、公共交通の不便な地域に住んでいる方が多くいます。そこへの対策を求める声も多い中で、岡山市全体の市民の税金の使い方として、この事業が、どれだけ増額しても本当に優先的にしなければいけないことなのか、疑問です。
当初は比較的事業費が低く、コストパフォーマンスが高い事業とされてきました。しかし、ずさんな計画により、いつの間にかどんどん費用が膨れ上がり、「なんでそこまでして進めるんだ」という声も届いています。「事業が決定したら、いくら掛かっても構わない」ということにはなりません。
現在行われている工事は、地上のタクシー乗り場と一般車送迎場の入れ替えです。線路の延伸とは分けることができる独立したものです。このタイミングでストップすることで、乗り入れ工事や、交差点改良へかかる多額の予算を使わずに、市民の暮らしを支える公共交通の充実へ予算を充てていくことも可能です。路面電車への分かりやすい誘導案内板を作ることも可能です。
事業の一旦中止と、市民的議論をやりなおす勇気ある決断をしてほしい!そんな思いも込めて反対します。
次に、
です。
本議案は来年度から個人住民税とともに、国税である森林環境税を1,000円徴収する条例改正の議案です。徴収された森林環境税は、国の交付税及び譲与税配布金特別会計に入り、森林環境譲与税として自治体に配分されます。
岡山市の徴収対象は33万人で、徴収額は3億3千万円です。来年度岡山市に来ると予測される森林環境譲与税は1億2千万円程度ということです。
個人住民税には、2014年度から防災・減災事業財源確保ということで、市民税500円と県民税500円が上乗せされてきました。これは今年度で終了するのですが、入れ替わりで新たな税金が取られることになります。
森林環境税および森林環境譲与税は、2015年のCOP21、パリ協定をうけてつくられたという位置づけです。パリ協定は、温室効果ガス削減へ、全ての国が努力することになっています。しかしこの税制は、国民には広く課税する一方で大企業の負担はありません。
CO2排出量は、電力、鉄鋼、セメント、石油精製、化学工業、製紙業の六つの業種に集中しています。また、85の事業所で排出の半分、200の事業所で60%を占めます。温室効果ガス削減を目的に入れるのであるなら、大口の排出者に応分の責任を求めるものでなければ排出削減の力ははたらきません。
日本共産党は2019年に、国会での審議に際して「地球温暖化対策で(温室効果ガス排出の)原因者に負担を求めないのはおかしい」と指摘しています。当時の総務大臣は、間伐などで二酸化炭素の吸収効率を高める森林吸収源対策の費用を「国民に広く均等にご負担いただく」と答えていますが、2016年に林野庁が出した税制改定案で、企業負担を求める案がすべて却下されています。負担をいやがってきた財界・産業界の意向をくんだ税制だと言わざるを得ません。
本議案は、温室効果ガス削減という目的から考えて、税金徴収の方法が適切でないものだと指摘し、反対を表明します。
最後に、
本議案は西大寺幼稚園の園舎を取り壊し、市立西大寺幼稚園と市立西大寺保育園を一体化した市立認定こども園の園舎を建てる工事の契約案件です。岡山市は市立幼稚園・保育園のうち36園を市立認定こども園に変え、残りを統廃合民営化する方針です。日本共産党岡山市議団は、まだ多く残る未入園児童の解消に力をつくすことが必要であり、そのために市立園はなくすのでなく活用をと提起してきました。
現地は西大寺幼稚園と西大寺保育園が隣り合っています。統合などせずともそれぞれの園で子育て施策をすすめればよいものです。
また、現場の道路について、交通安全上の不安の声を聞いています。工事中は登校・登園時間を避けて工事用車両を通すなどの説明はされましたが、施設完成時には、園の送迎で車両の出入りがある個所と、近隣の学校に通う生徒との、動線が重なり危ない形状であるにも関わらず、迂回路などの手は打たれておりません。ここの点についても問題だと指摘します。
2月議会で当園の工事、本予算に反対しており、工事請負契約についても反対します。
以上、3件についての反対の理由を述べさせていただきました。議員の皆さまのご賛同をお願いいたします。