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【質問原稿】2020年6月議会 菅原おさむ個人質問(200616)
[ 06月16日 ]

2020年06月議会 個人質問 菅原修0616

2020年6月議会で、菅原おさむ議員が行った個人質問の最初の質問部分(事前提出したもの)の全文です。

やりとりの模様は、後日お伝えします。


1 地域公共交通網形成計画について

(1)6方面でのバス路線再編

市内周辺部における公共交通の減便・休止、高齢によるマイカー運転困難者の増加は、今後いっそう深刻になります。したがって、公共交通網の形成は、福祉や教育などと同様、どの地域でも安心・安全に住み続けることができるようにするために自治体がとりくむ喫緊の課題といえます。

さて、計画の第4章、目標達成に向けた施策のひとつとして、「6方面でのバス路線再編」について記述があります。計画には、複数の系統または複数の事業者で運行する重複区間の現状について記述されています。これらを再編することにより生み出された余力を、新設路線等もふくめ再配分することで、事業者にとっては効率性を高め、住民にとっては利便性が高まり、重要な内容だと思います。このようなバス路線の再編について、日本共産党市議団としても、これまで求めてきたところです。また、バス事業者はコロナ禍によってバス路線の収入が5割を切って死活問題だと聞いています。市としては、どの事業者も納得できるようなしっかりした提案をおこない、実現のために力をあげていただきたいと思います。

以下、質問します。

ア 再編案について、事業者あるいは路線ごとにシミュレーションし、市の考えを分かり易く提示する必要があると思います。いつまでに、どのようにすすめようとしているのかうかがいます。

イ 赤字路線では、運行経費の補填をする必要があると思います。市としてそのような考えはあるのでしょうか。うかがいます。

ウ 再編後に従前より運賃収入が下がった場合は、差額を補填すべきと考えますが、いかがでしょうか。

(2)利用しやすい運賃設定

次に、同じく第4章の利用しやすい運賃設定についてです。利用促進にもつながる課題であり、これも大変重要だと思います。計画では、高齢者・障害者を対象とした運賃割引について触れられています。これについては歓迎しますが、実施時期や対象拡大について、以下質問します。

ア 運賃割引の対象に、難病の人も加えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

イ 運賃割引など効果ある利用促進策を早く実施することは、路線再編にとっても良い影響をもたらすと思います。高齢者、障害者、加えていただければ難病の人も含め、これらの方々の運賃割引は、路線再編とセットにするのでなく、できるだけ早期に実施するべきではないでしょうか。うかがいます。

ウ 通勤用の定期券購入にも、補助制度を設けてはどうでしょうか。そうすればマイカー通勤している方たちを公共交通に誘導することができ、通勤時間帯の交通渋滞が緩和され、バスの定時運行という点でも効果があります。

エ 市役所近辺のコインパーキングは1日駐車して700円前後のところがあります。一方、  例えば、中区や南区で2号線より南の地域から市役所や駅前までを往復すれば、1人800円前後やそれ以上になるエリアがあります。市中心部に車で行った方が安い現状では、公共交通の利用促進は進まないのではないでしょうか。こういう視点を踏まえて、路線バスの運賃について、利用者への補助制度をつくるべきと考えますが、ご所見をお聞かせください。

(3)基幹的公共交通の強化

次に、「基幹的公共交通の強化」について、計画では、JR吉備線LRT化と「フィーダー交通の整備」、路面電車の岡山駅東口広場への乗り入れ、路面電車の延伸・環状化の記述があります。これらについて以下、質問します。

ア フィーダー交通については、吉備線LRT化に向けて計画されているものですが、ただちにおこなうべき課題だと思います。ご所見をお示しください。

イ 吉備線に限らず、他の鉄道駅、幹線バス路線へのフィーダー交通も直ちに検討するべきだと思います。ご所見をお示しください。

(4)交通不便地域の移動手段の確保

次に、交通不便地域の移動手段の確保についてうかがいます。

交通が不便な地域の住民は、免許返納ともあいまって、1日も早く交通の利便性が高まることを願っています。総合交通計画では「10年間で10地区」という目標をかかげ、すでに6地区でデマンド型乗合タクシーの運行あるいは試験運行されていますが、さらに力を入れていただきたいと思います。そこで質問です。

ア 以前に「地元検討組織の立ち上げは、地域主体のとりくみ、地域コミュニティの維持にもつながる」などという答弁がありました。そもそも、地域の交通をどう確保するかという課題と、地域コミュニティの維持という課題をセットにすることは、必ずしも必要では無いはずです。この2つは切り離し、地域の交通手段については、岡山市が主体的に責任を持って確保する考え方に立つべきではありませんか。

イ 現在、地元負担を求めている運行経費の一部について、市が市民の移動権を保障するという立場に立ち、利用者負担以外は市の負担で運行する制度に改めるべきだと思います。ご所見をお示しください。


2 足守の文化財について

(1)足守文庫について

大きな2番、足守の文化財についてうかがいます。まず、足守文庫についてです。

近水園の外苑に位置する足守文庫は、旧足守町時代の1964年、岡山県指定名勝・近水園(おみずえん)、吟風閣(ぎんぷうかく)の隣接地に博物館施設・資料館として開設されました。この資料館にはもともと、足守藩主・木下家と旧足守藩に関係する古文書類や遺品、木下家定の妹であり豊臣秀吉の正室・北政所(きたのまんどころ)「ねね」にまつわる文化財のほか、蘭学・医学の先駆者である緒方洪庵(おがたこうあん)に関するものや、縄文時代から近世の陣屋町にいたる足守の歴史を、出土品、写真パネル等で展示されていました。しかし、施設の老朽化がすすんだため、所有者のご判断により現在は、木下家と旧足守藩に関係する古文書類や遺品、資料・文化財等は岡山シティミュージアムに移管されています。

貴重な文化財等を良好な環境で保管する必要があることは言うまでもありません。しかし、遠く離れた岡山シティミュージアムに移管されたことで、足守文庫を訪れる人は激減しており、大変残念に思います。保管されていた資料等は、近水公園や木下利玄生家とともに、陣屋町足守の貴重な観光資源であり、歴史や文化を知る資源です。このような郷土の資料は、やはり郷土にあってこそ価値があるのではないでしょうか。そこで、足守文庫について質問します。

ア 2015年2月議会で当時の教育長は、「足守に立地する意義や教育施設としてのあり方について検討していきたい」と答弁されています。それから5年経過していますが、どのような検討をされたでしょうか、うかがいます。

イ 2011年6月議会で当時の経済局長は「足守地区の観光という観点からも貴重」との認識を述べられましたが、教育長は「県指定の近水公園内にあり、増改築には制約がある」とのことでした。そうであるならば、私は、近隣への建て替えも検討するべきだと思います。陣屋町の町並みの一角に整備できれば、周辺の施設とあわせて足守の歴史・文化を知る博物館としての意義もいっそう高まるのではないでしょうか。ご見解をお示しください。

(2)大光寺について

次に、近水園から少し離れた山麓にある大光寺(だいこうじ)についてうかがいます。

大光寺は、足守藩主木下家の菩提寺で、藩主の遺筆など貴重な資料も数多く納められた寺院です。本堂の南側にある霊廟は県指定の文化財で、内部には霊牌壇が設けられ、正面に豊臣秀吉と正室ねねの霊牌、その左右に木下家歴代藩主の霊牌が置かれているようです。また、裏山にある木下家墓所は、岡山市指定史跡です。これら由緒ある史跡・文化財ですが、管理が困難なために荒廃しかねない危機に瀕しています。 

ア 大光寺は、足守の歴史をうかがうことができる重要な文化財ということを考えると、所有者とも協議し、市が管理することを検討してはいかがでしょうか。おうかがいします。

イ これまで紹介した文化財等は、県や個人、岡山市でも産業観光局や教育委員会、さらには北区農林分室など、所管が複数にまたがっています。貴重な文化財等を厳重に保管しながら、歴史遺産として、あるいは観光資源として、十分活用するには、市の責任部署を決め、所管間の連携を強化することが必要だと思います。ご所見をお示しください。


3 岡山北斎場について

今議会の議案の1つに、岡山市火葬場条例の一部を改正する条例の制定について、があります。これは、北区富吉の新斎場に関わるものです。

党市議団は、これまでに何度も問題点を指摘してきました。

1つは、地元への説明が全く不十分だったこと。

2つは、何が埋まっているかわからない産業廃棄物処理場の跡地であるということ。

3つは、産廃跡地にも関わらず宅地並みという不当に高い値段で市が購入したこと。

4つは、岡山市に必要な火葬炉数の精査が必要なことなどです。

今回、議案として出された条例改正案は、この問題だらけの新斎場を指定管理、つまり民間に管理をゆだねようとするものです。ここにも、いくつもの問題があります。

以下、質問します。

(1)火葬場の管理範囲について

用地買収面積は、平成26年2月13日の仮契約書によれば64,579平方メートルです。整備事業の敷地面積は約26,100平方メートル、そのうち建設面積は約6,358平方メートルです。

ア 仮に指定管理されるとした場合、その管理範囲はどこまでですか。買収地のうち管理範囲外の部分は、誰が管理し、何に使いますか。

(2)県道法面の伐採について
ア 先日、草刈りの際に誤って民地も伐採してしまったとの報告がありました。なぜそんなことが発生したのか、原因と経緯をご説明ください。

(3)指定管理について

ア 新斎場を指定管理にする理由は何ですか。直営の東山斎場との違いを含めて説明してください。

イ 東山斎場も将来的に指定管理にするということですか。

ウ 附則の「準備行為」には、条例施行より前に指定管理を申請でき、指定できる、ことが書かれています。順序を考えると、条例施行された後に、指定管理の選定を進めるべきではありませんか。