サイト内検索
サイト内検索
2020年9月議会で、菅原修議員が行った個人質問の原稿(事前提出したもの)の全文です。
やりとりの模様は、後日お伝えします。
1 津高排水機場ポンプについて
最近の異常気象により、全国で大規模な豪雨や土砂の災害が発生しています。またこれからの台風も心配です。
7月7日から8日早朝にかけて、岡山市内で強い雨が降りました。津高地域のある方は、2年前に床上浸水があった地域が気になり、様子を見に行ったそうです。午前3時前でしたが、すでに用水路が溢れ、道路が一部冠水している状況だったそうです。大雨の時、この地域の用水路の水は、笹ヶ瀬川の水位をみながら、津高排水機場のポンプを動かして笹ヶ瀬川に排水するのですが、川が危険水位になるとポンプが止まり排水できなくなる仕組みになっています。道路の一部冠水がみられた時の笹ヶ瀬川の水位は、ポンプが止まるような高さではなかったのに、ポンプ場の電気が消え、ポンプは動いてなかったので、市の危機管理室に電話したということでした。返事の電話を待っている間、40分くらいだったそうですが、この間にも冠水範囲がさらに広がり、家が浸水しないかと不安だったそうです。ようやく北区農林土木分室の方から、「電気系統が故障しており業者を呼んでいる」と返事の電話があり、再び排水機場へ行った時には、何人かの方がおられ「今動きました」と言われ、その後30分ほどで水が引き、まさに間一髪で事無きを得たようでした。
なぜこのとき動かなかったのか、点検はきちんとできていたのか、確認する必要があると思い、先日、北区農林分室でお話をうかがいました。
北区農林分室からは、午前2時ごろ、ポンプ管理の委託をしている地元の農業水利土木員さんから排水機場内の設備に電気が流れていない旨の連絡があり、業者の方に緊急対応を要請していたこと、電気が流れなかった原因は、地絡継電器が経年劣化により誤作動を起こしたためと説明を受けました。地絡継電器とは、高圧ケーブルや高圧機器の絶縁が劣化や破損等で損傷し、地面と接触して地面に電流が流れた場合、それを検知して、電流の流れを遮断など制御する機器のことです。
排水機場のポンプは、いざという時にはきちんと作動してくれないと、取り返しのつかないことになります。市民の安全を求める立場で質問します。
① 電気設備並びにポンプの点検は、どの様な個所を、どの様な頻度でおこなっているのでしょうか。実際に水を汲み上げるポンプ稼働は行っているのでしょうか。
② 点検時に正常であっても、いざという時に動かないということも起こり得ます。そういう時にもポンプを動かすためには、どのような対応をしているのでしょうか。
③ 今回、部品の経年劣化というお話でした。経年劣化による故障をなくすには、耐用年数に達する前に交換することも大事だと思います。そのための台帳の整備や定期的な部品交換の仕組みはあるのでしょうか。
④ 津高排水機場だけでなく、市が設置するすべての農業用排水機場に共通する問題であり、点検や部品交換について統一した規定を設けることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
⑤ 市内の農業用排水機場の建屋の耐震基準診断はされていますか。耐震性が不足しているところの対策はどうしますか。早期の建て替えが必要ではないでしょうか。
⑥津高排水機場は農業排水の施設です。いま津高の地域は、農地が少なくなり、住宅や商業施設が大きく広がっています。そのような地域でいつまでも農業排水ポンプに頼って内水を排除するというのはいかがなものかと思います。都市排水の整備に向けた検討を急ぐべきではないでしょうか。
2 一級河川の水質調査について
国土交通省は、2019年度の一級河川水質調査結果をまとめ、7月1日に公表しました。
河川の汚れの程度を測る指標として生物化学的酸素要求量(BOD)の値が用いられますが、中国5県の対象15河川では、観測地点の85ヶ所において環境基準が示されています。このうち、6地点で環境基準を超えていました。この6地点のうちもっとも悪かったのが吉井川の永安橋地点で、4.7㎎/?、次に悪いのが旭川の旭川大橋地点で、4.6㎎/?でした。ちなみに2018年度は、5地点で環境基準を超えており、そのうち3地点が岡山市内で、吉井川の永安橋地点が19年度と同じ4.7㎎/?、旭川の旭川大橋地点で、5.1㎎/?でここは19年度よりも悪く、同じく旭川の桜橋地点も4.0㎎/?と高い値でした。
全国の一級河川についても調べました。全国の調査地点は、890ヶ所で、環境基準を満足した地点は842地点95%、満足していない地点は48ヶ所わずか5%でした。河川の環境基準は、生活環境の保全に関して地点ごとに、AA、A、B、C、D、E と6段階に分けて決められており、吉井川の永安橋地点と旭川の旭川大橋地点、桜橋地点はいずれもB類型に属しています。そこで、全国の調査地点のうちB類型に属する地点についても調べました。B類型に属する観測地点は全国で200ヶ所あり、そのうち環境基準を満足していない地点はわずか19地点、5%でした。この19地点のなかに19年度は岡山市内の2カ所、吉井川の永安橋と旭川の旭川大橋、18年度はこれらに加えて旭川の桜橋地点もありました。これらの箇所は近年になって悪化が見られます。
岡山市内を流れる2大河川の河口付近が全国的にみても非常に汚れているということで、市として、県や国にも協力を求めながら、対策をおこなう必要があると考えます。
そこで質問です。
① 市はこの水質調査結果をどのように考えていますか。
② これらの地点で水質が悪い原因は何か、調査や研究がされているでしょうか。
③ 吉井川の永安橋と旭川の旭川大橋地点のBOD値について、過去からの状況を見てみると、2015年度までは基準値内でしたが、2016年度から基準値を超え、水質が一気に悪化しているように見えます。この原因と対応策について、市民の良好な生活環境を保全する市の責務という観点から、市の考えをお答えください。
④ 令和元年度末での岡山市の汚水処理人口普及率は何パーセントですか。
⑤ 下水道のサービス管が来ていても接続していない住宅に、どう働きかけますか。とりわけ、賃貸住宅の家主に働きかけができるようになっていますか。
3 河川や街中のごみ対策について
岡山市は美しく快適なまちづくりを市民・事業者とともに推進するため、2007年4月1日、岡山市美しいまちづくり・快適なまちづくり条例を施行し、同年9月、岡山駅・表町周辺を美化推進重点区域・路上喫煙制限区域として指定しました。これらにより、全市域でポイ捨てが禁止されることになりました。
しかし、 大雨が降ると川の増水とともに、あちらこちらから集まったごみが河口付近の河川敷にたまったり、海に流れてしまったりしています。海ごみや海洋プラスチックごみは、川から海へと運ばれ、海洋環境や生物に深刻な影響を与えています。また漂流していく中で紫外線などにより細かく砕かれてマイクロプラスチックとなり、これに吸着した有害化学物質が食物連鎖によって取り込まれ生態系に影響が与えることが懸念されています。また、プラスチック自体が環境ホルモンとして生物に悪影響を及ぼしています。解決のためには、川から海に流れるごみを減らすことが重要になります。
① ごみのポイ捨てがされないよう岡山市としてどのような取り組みがありますか。
② 美しく快適なまちづくり推進員として登録している個人・団体は何人、何団体がありますか。
③ 住民団体やNPOなどが河川敷のごみ拾いをやっています。市はどんな支援を行っていますか。
④ 雑木伐採でもない限り、人の手が入らずごみがたまり放題の河原があります。管理が国や県であっても市として、ごみの除去などできることがありませんか。
⑤ 河川に流れ込むごみをなくすためには、街中(まちなか)に散乱するごみをなくすことも必要です。ごみが集まりやすいような場所の定期的な清掃を、市が責任をもっておこなうような仕組みをつくることを求めますが、いかがでしょうか。
⑥ 市が回収しているペットボトルやトレーはすべて再資源化されています。民間もスーパー前などで回収していますが、市の回収は今後どうあるべきですか。
⑦ 店舗でペットボトルを集めて市が回収しているところでは、卵パックや発泡トレーも回収できるようにしませんか。