厚生労働省が現在、「介護保険法施行規則の一部を改正する省令案について」というタイトルで意見公募（パブリックコメント）を9月23日まで行っています。

「改正」内容は主に2点です。

①市町村が認めた時は、要介護者であっても総合事業を使えるようにする。

②総合事業のサービス価格は、現在は国が上限を決めているが、今後は市町村が決めることとする。

です。（詳しくは下のリンクから）

https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495200199&Mode=0

これは、介護サービスを利用する上で、非常に重大な問題を含んでいます。

もともと「総合事業」というのは2014年に制度改定で導入されたもので、要介護より軽い「要支援」の段階の方を介護保険サービスから外して、市町村独自の類似サービス＝「総合事業」利用に置き換えるものです。料金はたいていの場合安くなりますが、サービス内容が利用できる時間や専門性などの点でかなり低下したり、地域によっては提供できる民間事業者がいないなど、公的な介護保険制度をなし崩しにしかねないものです。

導入時もその後も、利用者や事業者などから幅広く懸念や批判の声が広がって、「総合事業」を拡大しようとする厚生労働省の動きはあまり進んできませんでしたが、ここに来て、国会審議の必要な法改定ではなく、大臣が決めてしまえる省令改定で行おうという動きが明らかになりました。

「要介護者でも総合事業を使えるようにする」というのは、一見よいことのように見えますが、上に書いたような経過を考えると、ゆくゆくは要介護の方も介護保険サービスではなく総合事業に追いやろうとする狙いが透けて見えます。

詳しくは、しんぶん赤旗9月11日付の記事もご覧ください。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-09-11/2020091101_04_1.html

 

意見公募は、省令改定の手続きを踏むために行われているものですが、ここに「おかしいな」「こういうことはやめて」など、多くの皆さんの声をぜひ集めましょう。

意見公募は8月25日に始まって9月23日までです。ぜひ皆さんのご意見をお寄せください。

意見公募（パブリックコメント）の送り方などは、下のリンクをご覧ください。

https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495200199&Mode=0

 

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