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日本共産党市議団の宿女和子です。会派を代表して、委員会に付託された全44件の議案中のうち、
甲第180号議案 令和6年度岡山市一般会計補正予算(第5号)について
甲第213号と甲第214号議案 工事請負契約の締結について
の3件について、委員長報告に反対の立場で討論します。
まず、一般会計補正予算(第5号)の中の、路面電車乗入事業に関する債務負担についてです。この事業は長ひさしの設置や、道路のかさ上げなどの交差点改良など5億9,000万円の新たな工事費用の予算化です。
路面電車を100メートル延伸し、駅前広場に乗り入れるこの事業は、市のずさんな計画の下で、当初の予定から費用の増加や工期の延長が続き、全体事業費が今や97億円にもなっています。もともとは10億円の事業でした。一旦立ち止まり事業の見直しをと、これまでも求めてきました。
この路面電車の乗り入れ事業に対する市民の不満の声は未だ絶えません。交通不便地域に住む方や、高齢のためバスや電車の利用が出来ない方はまだまだたくさんおられて、生活に密着した支援策の充実を望んでいます。今議会で取り上げた、タクシーの高齢者への補助もそういった声の一部ですが、課題解消は見えてきませんでした。私たちは交通弱者の課題解消こそが交通政策の優先するべきことと訴えて、これまでも駅前広場への路面電車乗り入れ工事について反対をしてきました。よって、この補正予算についても賛成できません。
次に、甲第213号の工事請負契約の締結についてです。この工事は、市立園の統廃合計画の一部で、岡北中学校区の牧石幼稚園、御野幼稚園、津島保育園を統合して御野幼稚園の場所で市立認定こども園を整備するものです。当初の話では、津島保育園か御野幼稚園、どちらかをこども園にする計画で、他は廃止か民営化という方針でした。しかし、いつの間にか民営化の選択肢すらなくなり、3つの園を1つに統合することとなりました。地域の保育施設がなくなってしまいます。
また、甲第214号議案の工事請負契約の締結については、竜操中学校区の幡多幼稚園に保育所機能を加え、認定こども園にするものです。幼稚園の園児数は今年度59名で人数が極端に少ない地域でもありません。これまで市立の幼稚園がこども園になるもので、周辺に市立園がない地域に関しては反対してきませんでしたが、この地域では今年度、幡多幼稚園とは別の4つの市立園が1つの民間こども園に統合され、園児が300人以上の規模なり、残る竜之口幼稚園についても、市は民営化を進めていく方針でいます。幡多幼稚園のこども園化は、この一連の統廃合民営化計画と一体となるものです。
竜操中学校区は今年度、希望園を3園書いても入れなかった方が30人以上いる地域で、保育の受け皿は足りていません。民に出来ることは民に、を理由に急激に市立園の統廃合をすすめ、保育の受け皿を民間事業者任せにしていますが、民間では余裕をもった受け入れ体制を持つことが難しかったり、障害児やグレーゾーンの子どもの受け入れを断る園もあります。
未入園児は毎年600人以上いるのに市立園をどんどんなくしていく岡山市のやり方は逆行しています。就学前教育や保育に一定の質を担保するためにも、市立園の統廃合はこれ以上進めるべきではなく、賛成できません。
以上、3件についての反対の理由を述べさせていただきました。議員の皆さまのご賛同をお願いいたします。