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日本共産党岡山市議団の東つよしです。
陳情第17号 障害者用ハレカハーフ使用者の1回乗車ごとのバス運賃100円均一化を求めることについて 及び、
陳情第21号 消費税率5%以下への引き下げとインボイス制度の廃止を求める意見書の提出について
の2本の陳情について、委員会報告に反対し、採択することを求めて討論いたします。
陳情第17号は、障害者の通勤、通院の負担が大変な中、バス運賃は無料にして欲しいが、せめて100円に下げて欲しいという陳情です。
陳情でも触れられていますが、働きに行くための運賃でわずかな賃金が吹き飛ぶことになりかねません。
多くの自治体で障害者手帳の提示などでバス運賃が無料になる施策を行っています。陳情では熊本市、横浜市,名古屋市,神戸市を挙げています。そのほかにも島根県松江市や埼玉県入間市などが無料で、東京都や大阪市は一部の交通機関が無料です。
当局の答弁では、ハレカハーフの利用実態から出される障害者一人あたりの昨年度の運賃の負担額は、平均で110円です。運賃を100円にしても市の財政負担がものすごく増えるわけではないと認識します。なお現行制度で運賃が100円に届かないケースがありえますが、陳情の趣旨からすれば一律100円でなく最高100円という解釈で問題ないと考えます。
2021年10月1日より高齢者、障害者を対象として路線バスと路面電車を半額に割り引くハレカハーフの運賃割引がおこなわれています。制度の目的はバスの利用の利便性の増進とバス事業者の経営の安定化ということです。交通弱者になりやすい障害者の運賃を下げて公共交通をより使いやすくすることは、ハレカハーフのそもそもの目的であり、本陳情は不採択にすべきではないと考えます。
陳情第21号は消費税の緊急の5%への引き下げとインボイス廃止を求める陳情です。
物価高の中、さまざまな世論調査で消費税減税を求める意見が7割に達するようになっています。消費税を5%にすれば、平均的な勤労者世帯で手取りが年12万円増える計算です。苦しい家計の大きな支えになる政策です。
財源はどうするんだという議論のあるところだと思います。赤字国債、借金で消費税減税をという意見もありますが、これは将来的な国民負担でしかありません。陳情でもふれられていますが財源はあります。消費税が5%から8%、10%に上がる間、大企業にはさまざまな減税が追加され、これにより減った法人税収は2023年度推計で年間11兆円を超えます。また、日本では所得が一億円を超えると実際の所得税負担率が減っていく「1億円の壁」という大資産家に甘い税制が温存されています。これらを改め、以前のように税金を払ってもらえば、消費税の5%への減税に必要な年間15兆円の財源はまかなえます。時限的な減税どころか、恒久減税が可能な財源です。さらに、3年間で倍に増え、アメリカの要求でさらに増やそうという軍事費にメスを入れることもくらしの財源を作る上で大事だと考えます。
国会でも、消費税減税の財源として大企業大資産家減税の見直しという提案に対し、石破総理が「議論する余地が多分にある」と答弁をしています。
消費税は「社会保障の財源のため」と宣伝されてきましたが、消費税が導入されて37年間、私たちが日々の買い物で払ってきた消費税の累計は571兆円、一方同時期の法人税と所得税住民税の減収分の累計は605兆円にのぼります。もともとの社会保障の財源だった所得税や法人税の税収が消費税に置き換えられてきたのです。これを元に戻すことは、消費税は下げても社会保障の財源がなくなることにはつながらないと考えます。
陳情では2023年10月より導入されたインボイス(適格請求書)の廃止も求めています。例えば仕入れをした際に商品を納入した業者からインボイスをもらって保存しておかないと、消費税を税務署に納めるときに仕入れ分の消費税を差し引くことができなくなったのです。商売をするなら取引先にインボイスを出してほしいと言うようになるわけですが、インボイスが発行できるのは、国税庁に登録した課税事業者だけです。これにより、年間売り上げ1000万円以下で消費税の免税事業者だった零細な事業者や、フリーランスで働く人までが、課税事業者になるよう迫られることになったのです。それまでなかった消費税の負担、膨大な事務負担が増えました。導入後半年で160万もの事業者が消費税納付義務を新たに負ったといいます。
免税事業者という制度があったのは、零細な事業者は価格を自分で決める力が弱いからです。これが課税事業者になると利益を削り、事業自体が赤字でも消費税を納めなければなりません。
財務省の試算では、免税事業者の年間粗利益は平均154万円ですが、課税事業者になった場合、消費税負担が新たに15万円も生まれます。インボイス導入により、一ヶ月分以上の利益を税金として納めなくてはならないのです。2024年度時点だと約1700億円も消費税収が増える、それだけ零細業者から取り立てる計算になります。はじめの3年間は消費税納税額を2割とするなど負担を軽減する時限措置がありますが、段階的に縮小されるため、事業者の消費税の負担は年々重くなっていきます。税率を変えない消費税増税だとも言われます。
免税事業者を続ける道自体はありますが、4割超が、制度開始後に重要な取引先からの値引き・発注量の減少など、なんらかの不利益を被っており、公正取引委員会は未登録事業者に対する不当な利益の侵害につながりかねないと、制度導入の2023年度だけでも40件の注意を行ったということです。
5月28日、「インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)」が衆院第1議員会館で「1万人のインボイス実態調査」結果を報告しました。インボイス制度開始から2回目の調査で、18日間で1万538人が回答、回答した課税事業者の90.8%が消費税に強い負担を感じ、インボイス登録事業者の8割近くが価格転嫁できていないということです。同制度の負担軽減措置の一部がなくなる来年10月以降について「見通しが悪く不安」50.2%、「廃業・転職も視野」14・7%という数字です。インボイス反対は97.3%にのぼります。
インボイスは、消費税を10%に増税した時に複数税率になることを口実に導入されました。消費税を一律5%に引き下げれば根拠がなくなります。零細業者の苦難を軽減し、生活を守るために、消費税の緊急の5%への引き下げとインボイス廃止を求める意思を岡山市議会として国に上げる必要があると考えます。
以上です。議員のみなさんのご賛同よろしくお願いします。
[陳情全文]
陳情第17号 障害者用ハレカハーフ使用者の1回乗車ごとのバス運賃100円均一化を求めることについて
国は働き手不足の対策として,障害者の就労支援を本格化させる法案を次々と打ち出しています。ですが,仮に就労しようにも,そこに行くためにはバスが必要です。労働収入が健常者より極めて低いことを十分考慮し,通勤にかかる運賃費用もこれまで以上に割引をしないと,今の運賃半額では就労場所にも行けない,または負担が大きいといつも感じています。
熊本市では障害者は無料でバスに乗車ができ,横浜市,名古屋市,神戸市も福祉特別乗車券で無料でバスに乗車できるようです。他市が無料運行しているのですから,岡山市も無料にしていただきたいですが,昨今ガソリン代も高騰している折に,無料はお願いしにくいです。
障害者の生活や通院時などの負担を減らして,生きやすい共生社会の実現を望みます。
以上のことから,障害者用ハレカハーフを使用している障害者の1回乗車ごとのバス運賃100円均一化を求めます。
陳情第21号 消費税率5%以下への引き下げとインボイス制度の廃止を求める意見書の提出について
長引く物価高が国民の生活を直撃し,節約してきたがもう削るものがないという状況です。税金や社会保険料の納付に行き詰まって倒産する企業数が過去最多となっています。
2024年10月27日に行われた総選挙では裏金・金権腐敗政治に厳しい審判が下され,消費税減税,インボイス廃止を掲げた政党が議席を増やしました。
世界では110の国・地域が消費税に当たる付加価値税を減税し,国民の生活と中小事業者の生業を守ろうとしています。ポルトガルは電気代の税率を23%から6%に引き下げ,スペインやポーランド,ブルガリアなどは食料品をゼロ%に引き下げました。台湾政府は2024年4月に起きた大地震後,事業者の付加価値税負担を軽減する措置を発表しました。
政府は社会保障のためと繰り返し説明しながら税率を引き上げてきましたが,医療,介護,年金,教育のどれをとっても国民負担は増えるばかりです。大企業や富裕層を優遇する不公平な税制を正せば消費税を廃止できる財源が生まれます。回答者の9割超がインボイス制度の廃止を求めているというアンケート結果もあります。
以上の趣旨から,下記事項についての意見書を国に提出していただきますよう陳情します。
記
1 消費税率を5%以下へ引き下げること
2 インボイス制度を廃止すること