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※掲載している原稿は、最初の質問の部分で、事前提出したものです。実際とは一部違う場合があります。
1 地域の住民の生活交通確保について
岡山市総合交通計画が2018年に発表されました。計画期間は2027年の10年間です。
計画のコンセプトは、あらゆる人の交通環境を向上させ、人とまちを元気にする。とあり周辺部などの地域特性に応じて自由に選択して便利・快適に利用できる、環境にやさしい人中心の交通体系を築き、各地域の活性化に寄与するとともに、快適な市民生活を支えるとあります。
近年、急激に進む少子高齢化への対応が、我が国全体の大きな課題になっています。
岡山市についても、岡山市の人口は、今後30年で約5万人減少し、その間に、高齢者(65歳以上)は約7万人増加し、3人に1人が高齢者となる見通しです。現在においても、過疎化の進行やマイカーの普及等により、公共交通の利用者が減少し、中山間地域を中心にバス路線の廃止が見られ交通空白地域も多く、移動手段の確保が大きな課題となっています。駅やバス停にアクセスしづらい地域(駅から800m、バス停から300m以上離れた場所)に居住する人口は約20万人で、そのうち65歳の以上の高齢者は約5万人となっています。
自動車へ過度に依存した暮らしは、交通利用者の減少や公共交通事業者の収益低下を招き、その結果、路線の廃止や減便が行われてきました。
また、高齢者による交通事故も年々増えており深刻な問題となっています。免許を返納する人がある一方で、過疎地においては交通手段が少なく免許証返納を躊躇する傾向が見られます。
このような地域の移動手段を確保するために、新たな生活交通の導入が進められています。地域住民の外出機会を創出し、地域活力の維持・向上が期待でき、地域の公共交通を考えるきっかけにもつながっています。
計画の中では、交通不便者の高齢者割合が高い20小学校区が挙げられています。その中の5地区で地元検討組織が設置され、南区の迫川(はざかわ)地区と東区の千種(ちぐさ)地区においては生活交通デマンド(予約)型乗合タクシーの運行が行われています。
今年になって馬屋上・野谷地区における新たな生活交通導入に関する協議が開かれています。
一方で早くから取り組んでいる御津・建部地区のコミュニティバスや足守地区の生活バスの運行は地域住民の移動手段の確保にとって大きな役割を果たしています。
足守地区では昨年6月から12月までの間、ワンボックスカー2台を使用した二つ路線での試験運行が実施され、利用者が2倍に増加したので、今年から二つの路線で2台での運行が始まっています。運行車両の規模や路線の見直しなど、地域のニーズや実情に即した運行が求められています。
地域のニーズを十分調査・反映した上で、常に利用状況を検証していくことが必要です。
こういう総合交通計画を読んで、計画期間の10年でどこまで進むのか、地域任せでは結局進まないのではないか、などの懸念があるので、以下おたずねします。
ア 交通空白地域に住む市民の足の確保は、地元検討組織の設置を待つのではなく、市民の交通権を守る立場で、市が責任をもって進めることが必要ではないでしょうか、ご所見をおきかせください。
イ 計画に示されている高齢者割合が高い交通空白地域に、市側からの説明なり働きかけはするのでしょうか。上位20学区すべて生活交通導入の対象と考えていいのでしょうか。
ウ 足守で運行されている地域交通を見に行き何人かにお話を伺いました。先ほども紹介しましたが、地域のニーズを把握して便数を増やし利用者も倍にするなど、みなさんが協力して地域住民の足を守ろうとされていました。
生活交通について受け皿組織のあるなしで、足の確保のできる地域とできない地域の差が出ることはどう思いますか。
エ 迫川(はざかわ)地域では市が当面、赤字の穴埋めも含めて補助金を出しています。その市が負担した1年間の経費と、利用者が仮にその移動に奥迫川から両備プラッツの移動にタクシーを利用した場合の費用と比較したらどうなりますか。
オ 地域の足をまもるためにも既存のバスを最大限活用すべきです。ふれあいバスを近隣の駅などにルート変更するだけでも助かります。たとえば、西ふれあいセンターのふれあいバスは川入から妹尾駅までの要望が強くあります。福祉局として、ふれあいバスについても一般利用しやすいように変更することを全体の問題として考えませんか。
カ 岡山駅前整備に43億円もかけるのであれば、生活交通に回すべきではないですか。1億円もかけていない市の姿勢を改めるべきだと思いますが、ご所見をお聞かせください。
2 足守メガソーラーの今後について
私たち日本共産党は、環境への負荷軽減を実現しつつ長期にわたり安定的に発電を継続していく太陽光発電は重要なことだという立場です。2011年3月11日の東日本大震災以降、自然エネルギーの活用が大きく進んでいます。
再生可能エネルギーの拡大につながるFIT制度(固定価格買い取り制度)は2012年7月に施行され、運用開始から7年目を迎えました。
さらに、先日の報道によると、国は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度について、メガソーラーを買い取り対象から外す法改正を2020年に行う方針を示したとのことです。メガソーラーでなく家庭などへの普及を含めて再生可能エネルギーの利用を広めて行くべきと考えます。
同時に、大規模な太陽光発電=メガソーラーは、住民の生活や周辺環境を脅かす場合もあります。
北区の足守・大井・粟井地区にまたがる巨大な太陽光発電メガソーラーの計画は、186ヘクタール、東京ドーム約39個分の森林を伐採し、丸裸にして山を削り、約28万枚の太陽パネルを設置するものです。事業者が地元説明会を行ってから7月で丸2年を迎えます。このことに関連して、以下質問いたします。
(1)地元の懸念を受けとめて
地元では今回の計画の問題点を具体的に指摘をして反対の声を挙げています。その各点について、岡山市の認識をお聞かせください。
ア 防災上の問題について。
最大の問題は、大規模な山林伐採により、計画地からの水路のすぐ下に位置する粟井・大井・足守地区の集落の生存権が脅かされることです。多くの集落が土石流警戒区域に含まれており、現状でも災害の危険が高く、過去に大雨により、ため池が被害を受けたこともあります。真砂土で崩れやすい山林は、一度更地にすると樹木が育ちにくく、大規模に伐採することで斜面崩落、土石流、ため池の堤防決壊などの危険が増すのではないか。このことについて、市のご所見をお聞かせください。
イ 下流域の災害リスクの増加について。
大雨時に一度に出水する可能性が高まったり、表土の浸食、土壌流出が続くことによる足守川への土砂堆積の促進により、下流域の水害などのリスクが増すのではないか。このことについて、市のご所見をお聞かせください。
ウ 里山景観の喪失、水質、生物への影響について。
長年慣れ親しんできた里山景観、癒しの効果、ふるさとの風景、歴史・文化的地域資源が失われるのではないか。ため池、井戸水、農業用水へ泥水が流入し水質が悪化するのではないか。里山が開発されることで地域の生物相に影響が出るとともに、足守川への土壌の流出により、ホタルやスイゲンゼニタナゴの生育環境など、「岡山市の身近な生きものの里」指定地として保全してきた環境や足守水辺教室等の学習環境に影響が及ぶのではないか。このことについて、市のご所見をお聞かせください。
エ 高温被害・光害 施設廃止後の廃棄物処理について。
山林を大規模に伐採し、ソーラーパネルを敷き詰めることで、局地的な気温上昇、光害が生じるのではないか。廃棄が必要になったソーラーパネルの処理は適切に行われるのか、その後の土地利用は誰が責任を持つのか。このことについて、市のご所見をお聞かせください。
(2)FIT制度の変更による固定価格買取制度改定に関して
経済産業省は2018年12月に、「FIT制度における太陽光発電の未稼働案件への新たな対応」を決定しました。2012~14年度に認定された事業用太陽光発電が対象で、運転開始が遅かった案件については、買取価格がより安くなりました。
すでに改正FIT法において、2016年8月以降に締結した接続契約が運転開始期限の3年を過ぎると、調達期間20年が期限超過分だけ短縮されることになっています。
さらに、経済産業省は、大規模太陽光の固定価格の全量買い取りをやめる方針だと報道されました。2020年にも法改正とのことです。
ア 足守メガソーラーは2015年度の認定ですが、今後、適用期間が拡大される可能性がありますか。
イ 足守メガソーラーの接続契約の(中国電力との)締結時期は、いつですか。
ウ 足守の案件の事業者にとって、一連の変化は、駆け込みの方向に向かうか、あきらめる方向に向かうか、どのような影響があると思われますか。ご所見をお聞かせください。
(3)住民と生活環境を守る行政に
ア 4月1日から施行された岡山市環境影響評価条例によって何がどのように変わりますか。足守にはどんな影響がありますか。市条例で、住民の反対する大規模太陽光発電の建設に、何らかの歯止めをかけることができますか。
イ 地元住民に市条例の説明会を開きませんか。
ウ 環境保全や安全に問題があれば、市は計画の修正を求めますか。
エ 県が制定しようとしている「岡山県太陽光発電施設の安全な導入を促進する条例」について、その内容をお示しください。また、計画予定地域の中に、県条例で設置が禁止される区域はありますか。それはどこですか。
オ 環境への影響が大きい、あるいは周辺住民の理解が得られない大規模太陽光発電の建設はできないようにするルールを、市としてつくりませんか。