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6月24日に閉会した2020年6月定例岡山市議会で、日本共産党岡山市議団は59件の議案のうち4件に反対しました。
林じゅん議員が、討論に立ち反対理由を述べました。
全文は、次の通りです。
【印刷用PDF】2020年06月議会 議案討論 林潤0624
日本共産党岡山市議団の林潤です。
会派を代表して、
甲第85号議案 令和2年度岡山市一般会計補正予算(第2号)について、
甲第91号議案 岡山市営火葬場条例の一部を改正する条例の制定について、
甲第97号議案 和解について、
甲第129号議案 市道路線の廃止について、
の4件について委員長報告に反対の立場で討論します。
甲第91号議案は、岡山市岡山北斎場を位置づける条例です。
岡山北斎場は地元の方々の反対を把握しながら、インフラ整備や本体工事設計まで進めているものです。
党市議団は、これまでに何度も問題点を指摘してきました。
1つは、場所決定の経過です。市は、地元町内会の臨時総会での採決を場所決定の根拠としていますが、市による地元説明会がないままの町内会決議でした。
そのわずか2週間前に別の候補地を断念した直後です。
市が説明責任を果たさないまま、不十分な情報提供だけで、地元に判断を強いたのです。これは、その後の地元の分断も招きました。市には責任があります。
2つは、産業廃棄物最終処分場だった場所であるということです。何が埋まっているかわからない、今後、地中で何が起こるかわからないという産廃跡地に100本もの杭を打ち込む建設計画です。周辺環境に与える影響が危惧され、地盤強化や継続的な調査・観察に、多くの税金が投入されています。産廃跡地で無ければ発生しなかった費用です。
3つは、産廃跡地にも関わらず、宅地並みという不当に高い値段で市が購入したことです。市は4億3000万円余で購入しましたが、住民が起こした裁判では、第三者の鑑定で6700万円余だったということが指摘されています。7倍もの暴利を、産廃業者に与えたことになるわけです。
4つは、岡山市に必要な火葬炉数のことです。今後の人口減少や運用改善、技術発展などを見据えれば、現在、岡山市が必要としている炉の数は過大であるとの疑いがぬぐいきれません。
斎場整備は必要なものですが、過大な施設にならないように精査が必要です。
岡山北斎場を市の施設として位置づけるには、解決、再検討すべき課題が多々あります。
また運営を指定管理にしようとしていることは問題です。地元からの意見や要望に市が直接、責任を持って対応できるように、直営で運営すべきです。
よって、岡山北斎場を市の施設に位置づける甲第91号議案に反対すべきです。
甲第85号議案 令和2年度岡山市一般会計補正予算(第2号)中、歳出第2款総務費第1項総務管理費第20目企画費中の7450万円余と甲第97号議案は、学校法人川崎学園に定期借地で貸している旧深柢小学校跡地の工事で出たがれきの処理についての処理費用の予算案と金額の根拠となる和解案です。
旧深柢小学校跡地は本来、教育財産として学校のために、そして避難所として使うべき土地でした。それを岡山市は45年の定期借地として貸し出しました。
そこに、川崎学園が病院を建設する際の工事において、埋まっていたことが判明した戦災がれきの処理費用の負担割合を決めるものです。
処理費用の9割が市の負担です。
負担割合を決める際に、地下2メートルまでの埋設物が市の責任とされました。深さは事前には決められていませんでした。
がれきの総量は産廃業者の資料で分かるとしても、地下2メートルまでに埋まっていた物とそれより深いところから掘り出された物の割合の資料はありません。
そもそも2メートルを境にすることについて、合理的な説明がなされませんでした。
この負担割合には納得できません。
今後も市有地を貸したり、売ったりすることはあります。それから、どこをどう掘るのかは市には決められません。悪しき前例になることを危惧します。
よって甲第85号議案と甲第97号議案に反対すべきです。
甲第129号議案は、市道を廃止しようとするものです。
当該市道は、すでに以前から民間の駐車場の一部と化していました。大部分は市道の両側の民間の駐車場と一体にアスファルトが敷かれており、外観からは市道は確認できません。当然、一般の通行人はおらず、意図的ではなかったとしても、駐車場の使用者に占有されている状態です。
今回、民間が土地利用を変更しようとして、図面上は市道と市の水路があることが判明し、払い下げの要望が出されているものです。
このまま払い下げたのでは、公有地が経過不明なまま占有されている現状を追認することになります。
市は、通れないようにはしておらず、占有しているとは言えない、との答弁でしたが、インターネットの地図サイトで沿道の写真を見ると、2019年頃には駐車場にフェンスが設置されて、通行できない状況であったことが見て取れます。
このような占有状態を市が許可した記録はありません。公有地に民間の物が置かれていたら、まず是正を図るのが本来のあり方です。
2018年頃には市が状況を認識したにもかかわらず、遡って許可を出すのでもなく、使用料を徴収するのでもなく、原状復帰させるのでもなく、ここに至りました。
今後については、判明した時点での対応を検討するとのことですが、今回の件は現状追認のままです。
公有財産の管理のあり方として、悪しき前例になる恐れがあり、認めるわけにはいきません。
よって甲第129号議案に反対します。
議員各位のご賛同を賜りますよう、お願い申し上げて、討論を終わります。
よろしくお願いします。