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【質問原稿】2020年9月議会 竹永光恵個人質問(20年9月14日)
[ 09月14日 ]

【印刷用PDF】2020年9月議会 竹永光恵 質問原稿

2020年9月議会で、竹永光恵議員が行った個人質問の原稿(事前提出したもの)の全文です。

やりとりの模様は、後日お伝えします。

 


1 学校給食について

(1)岡山給食センターの建て替えについて

岡山学校給食センターは、老朽化が著しく再整備が必要です。移転建替計画は現在の2500食を7000食に拡大する方向で進んでいます。

今年7月の岡山市学校給食運営検討委員会では、岡山給食センターの移転建替と大規模化が了承されました。その上、今後すべての中学校のセンターへの集約化まで提示され、その方向も了承されています。資料には給食センターの今後の方向性として、

1、岡山学校給食センターの移転建替に伴い新たな受配校を取り込む

2、旭川から西も中学校の受配を図り、新たな給食センターを整備する

3、周辺地域にある給食センターについては近くの新たな受配校や建て替え時の統合を検討
とあります。

ア 岡山学校給食センターの建替は必要ですが、今と同じ規模での建て替えではなぜだめなのでしょうか。

イ 中学校の給食が将来的にすべてセンター集約化というのは大きな方針転換です。検討会としての答申を出して市民に是非を問うべきではないか。人口減少や人手不足の課題に対してどうするのか、施設整備も公共マネジメント計画と連携してどうするのかなどきちんと方針をつくり市民に問うべきではないか。

ウ 今年の検討会には築年別の単独調理場の状況が示されています。中学校の単独調理場は昭和50年代が16校、昭和60年代が6校あります。このすべてを耐震化や建て替えをした場合のシミュレーションはしたのか。

エ 周辺地域にあるセンターについては近くの新たな受配校を検討とあるが、場合によっては小学校も対象になりうると考えられるのか。

倉敷市の1万2千食の学校給食センターを見学しました。3つのグループに分け1グループ4千食ずつ作っています。調理業務と配送は完全民間委託で、そこの職員の雇用実態など詳細なことは市の職員は把握していませんでした。

また、配送も30分以上かかり、作ってから子どもの口に入るまで2時間以内喫食は3割程度しかできていないとのことです。

立派なアレルギー対応室もありましたが、卵と乳の除去食しか対応していないとのことです。
もちろん調理員の方など暑い中頑張っておられますし、施設も新しいにこしたことはないですが、大規模化のメリットはあまり感じられませんでした。

オ 職員がコロナに感染したら、大規模センターの給食はどうなるのか。

カ 食数で3割弱しか2時間喫食を守られていない現状だとのことです。調理後2時間以内に喫食するという学校給食衛生管理基準を守ることができない大規模センター化は、そもそもするべきでないと考えますが、いかがか。

 

(2)食育としての学校給食について

検討会で了承された内容を学校現場はどう思っているのか、学校を訪問させていただきました。お会いした先生方は、新聞報道しか知らない、直接説明を受けていないとのこと。それだけでもこのことが教育委員会主導ですすめられているということがよくわかりました。

先生たちの主な意見は、

「なぜ中学生がセンター化なのか」

「センターの職員さんが頑張っているのはよく知っているがやはり配送で味がおちる、自校方式の給食はおいしい」

「うちの学校は栄養士が掛け持ちしていて大変そう」

「子どもにお金をしっかりかける立場で考えると、自校方式を守り、人に手当てを厚くという考えになると思うけど」

などでした。

中でも、「子どもを一緒に育てるチームとして学校給食の栄養士や調理師さんのことを考えている」という意見は、印象的でした。

ア 効率化でなく、教育として食育として位置づけることが大事です。その立場で取り組むと、地場の農業や食文化、環境問題などチーム学校・チーム地域で考えることができて、どんどん工夫がひろがり、より豊かになるのが学校給食ではないでしょうか。今後、岡山市の学校給食を豊かにするためのお考えをお聞かせください。

イ 岡山市は5年ぶりに正規の栄養教諭の採用試験を実施したとのことです。この間の退職不補充や、非正規雇用で栄養教諭が不足したままで、現場は大変でした。非正規の不安定雇用のままでは、なかなか応募もなかったと伺っています。今後の栄養教諭の採用の考え方をお示しください。

ウ 岡山市初の義務教育学校として山南学園が誕生します、農業の盛んな地域性もかんがみ、自校方式の直営の学校給食で、食育のモデル校にしませんか。

 

(3)調理業務民間委託先の職員について

コロナによる学校給食の中止や、この間の台風の中止の日は、民間委託先のパート職員は無給になったという話があります。

ア 実態は把握していますか。

イ 業者側の都合ではないやむを得ない理由で中止の場合、パートも含めた非正規職員に対して保障されるべきではないか。委託料は休みが増えても減っていないのだから、委託料の中で出せるのではないか。指導できるのではないか。


2 市立保育園と幼稚園のこども園化について

今年度の待機児童数が報道され、岡山市は259人と全国で昨年に続き4番目に多いという実態です。

市は、保育所などを新設し受け皿を増やしているので昨年より94人減ったものの、無償化によるニーズが高くなったこと、保育士の確保が課題との見解をしめしました。計画では再来年には市立園を中学校区に一つだけ残し、あとは廃止民営化とし、待機児童ゼロを目指すこととなっています。

今回示された259人は、第三希望までの保育園に入れなかった人たちの数で、現在、企業主導型保育などの認可外に入っている人たちは待機児童として数えられていません。

抜本的に待機児童の受け皿を増やさないといけないときに市立の保育園、幼稚園を廃止民営化するという方針は待機児童対策には役立っていません。現にこの間、市立の幼稚園・保育園を16園こども園化しましたが、約35億円もかけて165人しか待機児童の受け入れはできていません。また幼稚園と保育園を合わせた分児童数も増え大規模園化しています。

コロナで3密が避けられない状況の中で、保育士には多人数の子どもを相手に重労働を強いることになっています。税金の使い方にしても、また、安心して預けることができる園という保護者視点でも、働く保育士視点からも、岡山市の言う「将来にわたり安定的な就学前教育・保育を持続するため」ということからも、問題だらけだと思います。

保護者や保育士など現場のニーズとかけ離れた動きだからこそ進まないのであって、今こそ考え直す時だと私たちは思っています。そもそもこの方針は白紙撤回すべきと再度指摘し、質問に入ります。

(1)実際にこども園になってどうなのか、管理職にヒアリングするだけでは実態はわかりません。園のすべての職員や保護者にも無記名のアンケートをとり、実態を把握していただきたいが、いかがか。

(2)市は丁寧に説明といいますが、地元の合意形成の仕方が間違っています。現に私の地元では、地域の各団体の役員だけ集めて説明会を行い、保護者はまだ知らないという実態です。そのうえ説明会に入っている別の園では、保育園で保護者にアンケートをとり反対の声を出しているが、地域の推進協議会には全く届かないと保護者の方は言っておられました。こども園化をすすめるにあたって、地域の代表者の協力と理解のみで進められるとお考えか。

(3)幼稚園のある保護者は、「幼稚園を選んで入園し、PTA活動などゆっくりかかわる中で親としても成長したいと思っていたので、いきなりこども園になるといわれても契約違反のような気がする」との声があります。その声にどう答えますか。

(4)保育園と幼稚園の合体でこども園にすると、どうしても一つの園の規模が大きくなります。子どもにとっての最適な集団人数は何人だとお考えか。


3 瀬戸内市との共同火葬場について

この事業は、平成28年に瀬戸内市から岡山市に対し新火葬場整備について連携の協議の申し入れがあったことからのはじまりです。その後、担当者レベルの協議会を立ち上げ、平成28年11月に岡山市は、必要な炉数は2炉と瀬戸内市に回答をしています。

しかし、平成29年2月策定の瀬戸内市新火葬場整備基本計画には、平成24年から岡山市と協議をはじめ、新施設は瀬戸内市民と岡山市東区周辺住民を対象とした広域火葬場として整備検討することが計画の目的だと書かれています。この時にすでに岡山市と整備することを目的としていることと、スタート時点が平成24年となっていることが、岡山市の説明と違います。

この間、岡山市議会への説明はあいまいなまま進められています。先日の市民産業委員会で6回の説明をしたとの報告があったとのことなので、あらためて議事録を確認しました。

1回目の平成28年の8月30日では、瀬戸内市が火葬場計画をつくっているので協力してほしいといわれ、2炉必要と答え、今後運営体制などを話し合うようになると思うという内容の報告が簡単にされています。

2回目は平成29年2月17日、岡山市の新斎場基本構想の抜粋が示されただけ。

3回目は平成30年3月12日、平成29年6月に設立された岡山市・瀬戸内市新火葬場整備推進検討会議の報告と規約が提示されています。平成28年度から3回話し合われた結果を口頭で報告。その内容は「何も決まらない中で瀬戸内市長が岡山市長に申し入れ、手を携えるとしたらどういった手法があるのか」と議論しているというものです。この時すでに瀬戸内市の基本計画はできていますが、委員会には示されていません。詳細は次回の委員会でとのことで終わっています。

4回目は平成30年の6月8日です。ここで瀬戸内市の基本計画が示されると思っていましたが、瀬戸内市がつくったので答弁できないと示されませんでした。そしてそこでの説明は、「瀬戸内市とは検討はしているが、連携するとは決まっていない」という答弁です。そのうえ西大寺の建て替えは平成23,24年ころ困難という判断になり、そのころ瀬戸内市の話があったので瀬戸内市が土地を買い、声をかけるのを待つというスタンスで、西大寺での土地探しは一つもしていないという答弁がありました。「じゃあその時点から瀬戸内市ありきで動いていたのか」との私の質問に、「そのころ合意した記録も記憶もない、合併政令市の時の立ち話程度なのでないか」「あくまで検討を一緒に進めていけないかということで、だから一緒にやっていこうということではない、決まったわけではない」という局長答弁でした。

5回目の平成30年9月に瀬戸内市が土地購入のための補正予算を上げたとの報告があり、6回目の平成30年11月28日に土地のめどがついたので今後、瀬戸内市の計画を岡山市が吟味して、条件が折り合うようにしていくとの報告でした。その委員会では、「その時折り合わなければ一緒にやることはあり得ない」とまでおっしゃっている。

それ以降、委員会には報告のないまま今回、規約の条例と予算が計上されています。

(1)平成30年以降、議会には何の報告もありません。この間、どういう折り合いで今回の事務委託することや、建設費用の分担の結果が出たのでしょうか。

(2)岡山市は事務委託という連携手法をとるとのことですが、そもそも事務委託とはどういう手法なのか詳細をお示しください。

(3)瀬戸内市の説明によると、用地買収費は減額となったものの、道の付け替えや県との隣地開発協議で造成池の規模が拡大したこと、ブルーラインの接道協議で盛り土の工法が変更になったことで4億円の増額となっています。場所の選定は瀬戸内市に任せていましたが、あの場所ゆえに増額せざるをえないという実態です。それで適正な場所といえるのか。

(4)経常経費は、収入を控除した額にそれぞれ12.5%が均等割、残りの75%に実績をかけて計算。岡山市分が1077万2千円との計算です。
その根拠として、瀬戸内市が558件、岡山市が383件との平均値を出しています。平成31年度の西大寺斎場の利用実績は市内694件でした。瀬戸内市斎場利用者の数をどう見積もっているのか。

(5)平均値ではほぼ6:4の利用実績なのに、建設費半分は妥当なのか。

(6)瀬戸内市の火葬場利用者数のピークは平成47(2035)年で岡山市のピークは平成52(2040)年と若干のずれがあります。

瀬戸内市の斎場計画には、瀬戸内市単独整備の際は3炉と書いています。建設費10億円負担し、実質毎年1000万円以上かけるより、瀬戸内市で火葬した場合の市外料金を補助するほうが、岡山市の税負担としては少ないのではないでしょうか。費用対効果をシミュレーションしたのでしょうか。