議会質問・ニュース

【データ】 原稿 2021年6月議会 竹永みつえ個人質問(210617)
[ 06月18日 ]

【印刷用PDF】質問原稿(印刷用) 竹永みつえ210617

6月17日に竹永みつえ議員が行った個人質問の最初の質問部分の原稿です。


 

1 指定管理者制度について

(1)包括外部監査の指摘事項について

指定管理者制度は、公の施設についてサービスの水準の向上や、より効率的かつ効果的な管理運営を図ることを目的として導入された制度です。

私たちは制度導入に当たり、公の施設として業務の質を低下させないことや、公共性、専門性の担保をはかることを前提に、一つ一つが市民にとってどうなのか、何でも反対ではなく是は是、非は非の立場で議論させていただきました。

制度導入より20年近くたった今、公の施設のあり方、制度運営、当該施設で働く人たち、利用者・地域住民にはどういう影響が出ているのか、メリット、デメリットをまとめる時期ではないかと思っていたところ、令和2年度の包括外部監査の報告が出たので読ませていただきました。この制度は、総務省自身も「コストカットのツールとして使ってきたきらいがある」と指摘してきたという経過もあります。

包括外部監査の指摘事項もふまえて、関連しながら本来の「公の施設」が行うべき役割は何なのかを改めて質問いたします。

ア 指定管理者制度のことを定めた地方自治法第244条の二第三項には「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは」との前文になっています。あくまでも直営が基本であり、住民の利用をより有効、適切におこなうことができる場合に利用できる制度という考え方でいいのでしょうか。

イ 公共施設等総合管理計画の策定後、全国的には指定管理者制度導入が加速しているように思えます。ご所見をおきかせください。

ウ 岡山市全体の公の施設に占める指定管理者制度導入の割合はどのくらいでしょうか。

管理者の選定には公平性が重要だと考えます。市は制度導入時、庁内組織の検討委員会で選定をしていましたが、平成25年の条例制定により外部の有識者を構成員とする「岡山市公の施設の指定管理候補者選定委員会」設置し選定することとしました。

その後、平成26年以降は「岡山市公共施設等マネジメント推進本部及び公共施設等マネジメント推進委員会設置規程」が制定され、現在は、各局室に設置される「公共施設等マネジメント推進委員会」が公募か非公募を審議し、公募の場合は庁外組織の選定委員会に諮問されその答申に基づき市が決定するという仕組みをとっています。

エ 包括外部監査でも推進委員会での利害相反の可能性について言及されていましたが実質選ぶ側と選ばれる側が地位を兼ねているケースはどのくらいあるのでしょうか。

オ そういう場合議事に関わらない仕組みをとるべきとの指摘にどう答えますか。

カ おおむね指定期間を5年としていますが、5年以上経過した施設の点検は延長になり途中の点検は実施できていないとのではないかとの記述が包括外部監査の報告にはありましたが、実際はどうなのでしょうか。

キ 5年以上指定する場合や非公募の場合の継続の基準や理由は統一されているのでしょうか。施設の特殊性や安定性、利用者との関係から長期や非公募が適当な場合とはどんな場合なのでしょうか。

ク この間、指定取り消しのケースがどのくらいあったのでしょうか、主な理由も含めてお示しください。

ケ 指定管理者制度の導入が増えるにつれ、全体的にコスト削減にはなるが、その主な理由は人件費ではないかと考えられます。非正規雇用がどんどん増え、官製ワーキングプアが増えていることを危惧します。ご所見をおきかせください。

(2)個別の施設について

ア 政田サッカー場について

ここはファジアーノ岡山の拠点練習場としての施設で、株式会社ファジアーノ岡山に非公募で継続的に指定管理者をお願いしているところです。多額の税金が投入されていることもあり市民を対象にしたサッカー教室などの自主事業やサッカー場を貸すことなどの事業をしています。

ア)平成27年度公募時の指定管理料の上限額の積算に対して、消耗品費は約25万円増額、水道約165万円増額、修繕費過去二年の平均額3万円から137万円増額、使用料賃借料過去2年平均額12万円から約138万円の増額と、報告書に記載があります。なぜ、こんなに増額しなければならなかったのか、どこで検討してこの結果になったのでしょうか。

イ)建設当初自主的に募金を行っていましたが、その後どうなりましたか、総金額はいくらでどこに反映されているのでしょうか。

ウ)スポーツ少年団などが多目的広場を借りた場合にこの施設のトイレを利用させてもらえず、近隣の公的施設まで行っているとの声を聴きます。幅広く利用者が使えるようにしてください。

エ)基本はファジアーノ岡山の拠点練習場ということで非公募で、継続に同じ指定管理者になっています。公の施設の点検時だけの情報公開だけでなく常に地域に情報公開をして、地域住民や利用者の声を聴く仕組みをとってほしいが、いかがでしょうか。

イ 岡山市会陽の里と会陽の里ふれあいデイサービスセンターについて

ここは、高齢者の入所系の施設なので、指定管理者が短い期間で変わることで生活環境が変化し、高齢者にとってのリスクが高いことを理由に、この施設は10年間、同じ法人が指定管理を受けています。また今議会で介護保険事業に関する介護報酬を収受できる条例も上程されていて、仕組みとしても整理されることになりました。今年度同じ施設内にあるデイサービスセンターが非公募で同じ法人に選定されています。選定後利用者が1000人近く増えているということも含め法人の努力がうかがえます。

そこで伺います。

今年10年の改定時期ですが、会陽の里と、会陽の里ふれあいデイサービスセンターのスペース跡も一体的に公募にするとのことですが、そのスペースの活用方法については、公募事業者が自由に提案できると伺っています。利用者が増えている中で市全体の介護事業とのバランスなどは考えず、フリープランで公募するということなのでしょうか。

ウ PFIの施設と指定管理者制度について

当新田健康増進施設と東部健康増進施設はPFIに基づく特定事業として公募し、15年間同じ民間企業が管理しています。どちらも期間は15年という期間で、これは指定管理者制度の基準とも異なるものです。包括外部監査の指摘にもありますが、PFIとして契約が締結されていても、指定管理として指定する場合、別途協定書などが必要で、5年の基準や利用者の声を聴く仕組みなど指定管理者制度と合わせるべきではないでしょうか。

エ 北斎場について

もともとの基本計画では北斎場の管理運営が指定管理になるとの方向性は示されていませんでしたが、岡山市公の施設の総合計画をうけて指定管理についての判断をしたとのことで、今議会に指定管理者制度導入の公募結果が示されています。私たちは一部地域住民との信頼ができていない中で指定管理の導入はやめていただきたい、直営で市がきちんと責任をもってほしいと反対をしております。

ア)今回指定管理者は新潟の会社とのことですが、全く地域性のわからないところが心配です。地域住民の調整はどのように行うのでしょうか。

イ)指定管理者が地域住民に対して果たすべき役割はどう考えていますか。また地域住民への継続的な情報公開や、説明などはきちんと協定書の中に盛り込まれますか。

ウ)指定管理者による管理となっても市は設置責任者です。市として地域住民にお約束できることは今の段階で何ですか。

エ)指定管理者による運営は、今後の利用状況などをみて、たとえば炉を一日3回、回すことも含めて柔軟な運用がされるように望みます。ご所見をお聞かせください。