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9月8日に菅原おさむ議員が行った個人質問の最初の質問部分の原稿と、議場で配布した資料です。
1.市内の残土処分場や盛土造成地の調査と規制強化について
(1)盛土総点検について
まず、国の盛土総点検についてです。
静岡県熱海市での土石流災害を受け、国は、盛土の総点検を行い、崩壊リスクが高い盛土を把握し、災害防止のための対策や規制の必要性について議論を進めるとしています。
点検の対象となる盛土は、2000年以降に県および市町村が許可・届出した資料等から確認した盛土、及び国から提供された盛土可能性箇所データ等で推計される標高差5?以上の盛土等です。また、重点点検箇所として、土砂災害警戒区域の上流域及び区域内、山地災害危険地区の集水区域および地区内、大規模盛土造成地をあげています。
岡山市においても、大雨の時には各地で土砂崩れが起こっていますので、危険な盛土を洗い出し、直ちに対策をとることが急がれます。
そこで質問です。
ア 岡山市内で調査の対象となる盛土は何ヶ所になるのでしょうか。また、そのうち岡山市が調査する盛土は何ヶ所でしょうか。
イ 市の調査対象となる盛土について、事前に市民への公表や町内会長や近隣住民へのお知らせ等はしますか。また、調査結果についてはどうですか。
ウ 点検の観点に、「手続き内容と現地の状況が一致しているか」や「廃棄物の有無等、禁止事項に関する確認」という点があります。目視だけでは違法を見抜くことができないケースも考えられます。工事中に違法行為が疑われることがなかったか近隣住民の声を聞いたり、場合によってはボーリングを行ったりすることも必要だと思いますが、どう考えておられますか。
エ 国が示す基準よりも規模が小さな盛土や古い盛土も、危険な場合が考えられます。この場合、例えば、町内会等を通じて住民の皆さんが危険を感じる埋め立て地や盛土の情報をあげてもらうなどして、市独自の調査を行うことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
(2)大規模盛土造成地の安全対策について
次に、大規模盛土造成地の安全対策についてうかがいます。
大規模盛土造成地の安全対策は、阪神・淡路大震災や東日本大震災において盛土等による造成地が崩落したことを受けて、大規模盛土の有無の調査、結果の公表、現地での各種調査、崩落の恐れがある場合にはその防止工事を行うこととされています。
昨年3月までに大規模盛土の有無の全国調査が終了し、その結果は「大規模盛土造成地マップ」として岡山市でもホームページで公表されています。
以下、質問します。
オ 今後行われることになっている現地調査、対策と計画についてご説明ください。
カ この調査においても住民の声を聴取する機会をつくる必要があると思いますが、どう考えておられますか。
キ 国の調査対象としている基準より規模が小さい盛土造成地もありますが、これらにについて、市独自でも調査する必要があると思います。せめて、住民や町内会等から不安の声がある盛土造成地については積極的に調査するべきだと考えますが、ご所見をうかがいます。
(3)盛土や残土捨て場に対する規制強化について
この項最後に、盛土や残土捨て場に対する規制強化についてうかがいます。
危険な盛土が全国に存在する原因は、盛土や残土捨て場に対する十分な規制がなかったこともあると思います。岡山市は、1,000㎡以上の埋め立て行為等を規制する「岡山市埋立行為等の規制に関する条例」をつくっています。そこで質問です。
ク 最初に質問した国の盛土総点検で重点点検箇所としている場所は、土砂災害を引き起こす危険が高いということですから、今後、「このような場所での埋立行為等を認めない」ことを条例に明記するべきではないでしょうか。
ケ 条例では、埋立申請にあたって、事業者は隣接地の住民や町内会に説明し意見を聴取、その結果を報告することが規定されています。しかし、住民の「合意」が許可要件になっていないために、住民の反対があっても工事の基準を満たせば埋立行為等が許可されます。「災害の防止及び生活環境の保全」という条例の目的に厳格に従えば、「住民合意がない埋立行為等は認めない」ことも条例に明記するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
コ 市が知らない間に、届出や許可の内容に違反する工事がおこなわれる場合があります。申請内容を市民が縦覧できる制度を設けることと共に、違法が疑われる工事や住環境への影響について住民から通報があった場合には速やかに調査し対応することも条例に盛り込むことが必要と考えますが、いかがでしょうか。
サ 違法、危険な埋立や盛土をなくすため、岡山市として、建設残土の発生から最終処分までを管理監督する部署を設置する考えはありませんか。
シ 建設工事は今後も増加し、発生する残土も増えることが予想されます。建設残土のリサイクル、工事間利用についても、真剣に検討する必要があります。岡山市での取り組み状況や課題についてうかがいます。
ス 安全を軽視した埋立や盛土造成を厳しく規制する法律を、国にも求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
2.危険な樹木から市民の命と財産を守る行政のとりくみについて
近年、樹木の倒壊について、不安を感じることが増えてきたように思います。手入れが行き届かなくなった山林や空家の増加で放置された樹木が倒れるなどして、付近を通行していた人や車、近隣の民家に被害が発生する話を聞くこともあります。
最近、私自身も市民の方から危険な立木についてご相談を受けました。市の担当職員も現地を見に行って下さったり、何度か話を聞いて下さったりしました。
こういった問題はこれから増えていくと思われます。
広大な市域に多くの里山や空家を抱える岡山市として、危険な樹木から市民の命と財産を守る行政の取り組みについて考えたいと思います。
(1)民有地からはみ出している立木の危険性について
民間所有の敷地から外にはみ出した樹木については、言うまでもなく敷地の所有者に伐採や剪定など適切な管理の責任があります。しかし、管理されていない山林や空家の樹木について、危険性が現実にあったり、危険性が予見できたりする場合があります。こういう時に、岡山市に求められる役割は何でしょうか。
ア 公道にはみ出した危険な立木に関連して市民から市に寄せられる通報や相談の件数と、その中で立木を市が処理したケースは1年間にどれくらいですか。また、相談等の内容をお聞かせください。
イ 市道上にはみ出した樹木について、岡山市の一般的な対応をご説明ください。
ウ 立木の状態そのものでは直ちに深刻な危険とまでは言えないとしても、豪雨等で倒壊する恐れがあるなど、何らかの危険性が予測できる樹木の「未然防止」という考え方について、市のご所見をお聞かせください。
エ 調べてみると、横浜市の「樹林地維持管理助成事業」をはじめ、土地の所有者に対して、危険木の除去費用等を助成する制度をつくっている自治体があります。岐阜県下呂市は、土地所有者だけでなく自治会による伐採も助成対象にしています。また、山梨県富士川町の「林地内危険木防災対策に関する条例」は、町職員に調査立ち入り権限を与えるとともに、最終的には町が行政代執行で危険木の除去をできるよう定めています。こういった取り組みを岡山市でも研究してみる考えはありませんか。もし研究しているのであれば、現状をお聞かせください。
オ 今回、岡山市のホームページや「岡山市くらしの便利帳」などをあちこち見てみましたが、「樹木、立木の対応」に関して書いているページを見つけられませんでした。また、こういった課題をどこの課が担当するのかもよく分かりませんでした。他の自治体のホームページでは、「支障木を伐採してほしいです」「道路上に張り出している樹木の伐採について」などの記事があり、どういう場合には行政が対応するのかが分かるように書いてあります。岡山市でも、こういった情報発信や困って相談してきた市民への丁寧な対応が必要と考えますが、ご所見をお聞かせください。
(2)空き家における立木の実態と対策について
先日の都市・環境常任委員会で、岡山市空家対策計画の改定に向けた令和2年度空き家実態調査結果の分析が報告されました。その中で、「老朽危険度以外の項目が管理不全な空き家の推移」では、「立木・雑草の繁茂」が前回比5.8ポイント増の57.5%、「立木のはみ出し」が同2.3ポイント増の31.2%となっており、市自身が、他の項目は改善傾向にあるが、立木の繁茂や越境に関する通報等が増加傾向にあると分析しています。まさにここが焦点の一つと言えます。
カ 「特定空家等」の認定に至らない段階でも、立木の倒壊はもちろん、枝や実や葉っぱの落下による事故を心配するご相談もよく受けます。改定後の空家対策計画には、立木に関連する課題への具体的対応も盛り込むよう検討しませんか。