議会質問・ニュース

【討論の原稿】 2021年11月議会 陳情(211221田中のぞみ)
[ 12月21日 ]

【印刷用】 2021年11月議会 陳情討論 【田中】(211221)


 

日本共産党市議団の田中のぞみです。

党市議団を代表して以下4件の陳情について、採択を求めて討論します。

 

(陳情第29号)「少人数学級の実現を求めることについて」

まず、陳情第29号「少人数学級の実現を求めることについて」です。子ども・文教委員会では不採択でした。採択を求めて討論します。

新型コロナウィルス感染症の拡大が一つのきっかけとなり、教室の密を改善しよう、子どもたちの学習環境を改善しよう、という全国的な世論がおこりました。実に41年ぶりに文部科学省が学級編成の基準を改定することにつながりました。しかし、今年度から5年かけて実施するため、現小学3年生以上は依然として、密状態のクラスがあります。さらに、特別支援学級の児童数はカウントに入っていません。学級活動等で普通学級と一緒になる時には40人を超えるクラスもあります。個別の状況に応じて前倒しできるところからでも対応いただきたいと強く願うところです。

岡山市の教員の非正規率が全国的に非常に高く、教員採用数を増やし段階的に正規率を上げたいと答弁をいただいている中で、クラス数を増やすことが難しい事は承知しています。一方で、政令市の中で独自に少人数学級を進めている市は、5年前の段階で、千葉、静岡、浜松、新潟、堺、神戸、広島、北九州、福岡、熊本の10市にのぼり、都道府県でも10県府に広がっています。自治体独自で標準法を超える少人数学級を実現させているところが既にたくさんあると指摘させていただき、子どもたちのために何ができるか前向きに検討するためにも、本陳情の採択を求めます。

 

(陳情第31号「給食費の無償化を求めることについて」)

次に、陳情第31号「給食費の無償化を求めることについて」です。子ども・文教委員会では不採択でした。採択を求めます。

ある小学校で、毎月の給食費は5200円です。その他に毎月、ドリルや教材の費用が一緒に集金されるので、毎月の集金額は、一人7000円~8000円です。兄弟姉妹がいても減額はありません。絵具や裁縫道具、習字セット、リコーダー、柔道着などは別集金で、校外学習があるとさらに出費があります。私もあるお母さんが臨時の集金について「いつに何円必要なのか」と繰り返し尋ねているのを見かけたことがあります。

日本国憲法26条では、「義務教育はこれを無償とする」と謳ってあります。ですが、実際はひとりあたり年間10万円近い個人負担があるのです。その大半が給食費です。現在、給食は学校教育に欠かせない食育を担い、アレルギーなど特別の事情がない限り「食べない」という選択肢はありません。さらに、岡山市では文科省が「設置者負担」つまり自治体負担としている、燃料費まで保護者負担にしています。その額は約1.1億円と委員会で答弁がありました。保護者にとってはなぜ岡山市だけと思うでしょう、返金を求める声が上がるかもしれません。ここは直ちに改善するべきです。給食費全体の無償化には約30億円必要との答弁もありました。本陳情では、せめて燃料代を、そして無償化についても段階的に進めてほしいと求めています。採択し、前向きに検討されることを強く求めます。

 

陳情第33号「教育予算の充実に関する意見書の提出について」

次に、陳情第33号「教育予算の充実に関する意見書の提出について」です。子ども・文教委員会では不採択でした。採択を求めます。

世界の主要国が参加するOECD(経済協力開発機構)は、教育状況の国際比較を毎年公表しています。GDPに占める教育に関する公的支出において、初等教育から高校までだと、日本はロシア、リトアニアにつぐ3番目の低さでした。教育にお金をかけていない国として認識されています。相関して、日本は家庭の教育負担が4番目に高い国です。文科省の調査によると高校3年間でかかる学費の目安は、公立で約84万円、私立で約210万円でした。さらにお弁当代等がかさみます。近年ではタブレット代が自己負担です。授業料部分については、一定の支援金が拡充されましたが、公立で年間11万8800円、私立で年間最大39万6千円ですから、到底足りてはいませんし、そこには複雑な所得制限があります。中間層や多子世帯に厳しい状況は変わりません。

一方で、日本の学校における1クラスあたりの児童生徒数は、2番目の多さです。OECD全体の平均は小学校で21.1人、中学校で23.3人でした。日本の半分です。先進国では30人以下学級が多く、少人数化が世界の時代の流れと分析されています。個人的にショッキングであったのは、教員の満足度が最も低い国であったことです。中学校の教員に行った「職業を選び直せるなら、再び教職に就きたいか」という質問に対して、肯定的な回答をした割合が日本は54.9%にすぎず、OECD平均75.6%に比べても大幅に少ない状況でした。50%台なのは日本だけです。半分の教員がやりがいと魅力を感じることができていない教育の現場で、子ども達がどうして学びに魅力を感じることができるでしょう。こういう所こそしっかりした分析が必要です。

諸外国と比べて1クラスあたりの子どもの人数が多すぎる点についても、学校教育費の家庭負担率が高いことも、全ては教育予算の低さに起因します。国際競争力がどうのと言うなら、まず子ども達の教育環境こそ諸外国並みに引き上げてからの話ではないでしょうか。地方からこそ声を上げていかなければならないと、本陳情の採択を求めます。

 

陳情第32号「学校女子トイレに生理用品を常備することを求めることについて」

最後に、陳情第32号「学校女子トイレに生理用品を常備することを求めることについて」です。子ども・文教委員会では採択されました。ひきつづき本会議でも採択される事を求めて討論いたします。

子どもの貧困やコロナ禍での経済的な理由でナプキンが買えない子がいると、注目された生理の貧困ですが、これは長い間タブー視されてきたジェンダー課題の一つとも言える問題です。全ての女性にとって必需品である生理用品を全ての女子児童生徒が使えるように学校トイレに常備する、という考え方は、全ての人が必要とするトイレットペーパーを全ての児童生徒が使えるように学校トイレに常備する、という考え方と全く同じで、自然です。生理は病気でもなく個人特性ではないからです。基本的に全ての女性が毎月直面する生理現象です。さらに、初潮を迎える年齢は低年齢化が進み、小学4年生以下で迎える子が7%と増えています。私の周りにも3年生、2年生という子がいます。ある日突然くる初潮に限らず、まだまだ不定期で急におとずれる生理に、予めナプキンを用意する事は実は簡単な事ではありません。

トイレットペーパーについては、自分が必要な分だけ自分で学校に持参しなさい、とはならないのに、なぜ女子だけ必要な分を予め自分で持参しなさいなのか、同じではないのか、今、世の中全体が考え始めている、という事だと思います。経済的な貧困対策だけの課題ではない、社会のあり方の問題だと改めて指摘します。今後、ジェンダー平等の観点からも、急速に世界的に広がる新たな常識・習慣となると確信しています。本市も早急に具体化する事を強く求めます。

「学校で誰が管理するのか。」という声があります。トイレットペーパーと同じで良いのではないでしょうか。トイレットペーパーは子どもたちが掃除の時間に保健室等から補充しています。「困った人が保健室にくればいい。困った人が相談できることが大切だ。」という声があります。行けないから、声に出せないから社会問題化しているのです。ご自身の事として考えてみてください。実は困っていても毎月毎回、頻繁に取りに行けますか。小さな少女達の中に、恥ずかしいと思う気持ちがあると容易に想像がつくのに、なぜそれを強要するのでしょうか。困ったと声を上げなければ助けない、そんな社会ではないと、示していきましょう。

父子家庭の場合は娘の変化に気づきにくい場合があります。親の精神疾患やネグレクト、ヤングケアラー、見えにくい貧困問題、いろんな状況が広がる中、「ナプキンを買って」と言えなかったとしても、どんな家庭に生まれても、健やかに育つ、社会性を身に付ける事ができる、そんな学校現場になるために、大人の私たちに何ができるか、ぜひみなさんで一緒に検討を始める一歩にしていただきたく議員みなさんの賛同を心から求めます。

以上、議員各位のご賛同を求めて討論を終わります。