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日本共産党岡山市議団の東つよしです。陳情について、委員会報告に反対する討論をいたします。
陳情第8号 無料低額診療事業における薬代の助成制度を求めることについて は、採択すべき陳情だとうったえます。
無料低額診療とは、社会福祉法第2条第3項第9号にある「生活困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業(無料低額診療事業)」のことです。県知事の認可のもと、市内では済生会病院をはじめ12の医療機関で実施されている、第二種社会福祉事業です。
特に今、コロナの中で生活に困窮する方が増えています。さまざまな理由で生活保護受給には至らない方にとって、無料低額診療は必要な医療をうけるために必要な、文字通り命をつなぐ制度です。
しかしこの制度は、医薬分業が進んだ現在であっても、保険薬局を無料低額診療の対象事業所にしていません。それにより、無料低額診療事業で医療をうけても、処方箋をもらって院外薬局で薬を買うときには自己負担がかかります。全国的には薬代を捻出することができず十分な治療ができない事例や、生活費を削って薬を買わざるをえない事例が生まれています。
ある40代男性は、糖尿病と全身性乾皮症があり、無料低額診療を受けていますが、薬は月一万円近くかかり、医師から薬の購入を勧められても経済的理由で拒否している状況です。
別の70代女性は、既往症に糖尿病があり、無料低額診療で受診にかかる費用は軽減していますが、インシュリンは負担せざるをえないために、他の生活を切り詰めて、薬を買っています。
保健福祉・協働委員会で市は、院内処方で薬も無料低額にできる病院があるという説明でした。しかし市のHPによれば「減免の対象となる場合があります」という、可能性の話です。数も5つだけです。それ以外の医薬分業を行った病院にとって、院内処方は入院患者用で薬の種類が限られており、在庫も限りがあります。そもそも、医薬分業は国の制度として進められてきたのです。無料低額診療事業から薬代だけ取り残して院内処方でなんとかしろと言うのは無理筋です。制度に問題があるからこそ、本陳情が出されているのです。
国制度として、無料低額診療の対象に保険薬局も加えることが必要です。ただ実態は、何も進んでいないと言わざるをえない状態です。保健福祉・協働委員会での市の説明では、無料低額診療を薬の処方にも広げるかどうかは国の動きを待っているというものでした。委員会では国を待っていては今困っている人を助けられないという声があったということです。まさにその通りだと思います。
すでに高知市など全国9自治体で、自治体独自に無料低額診療の院外処方の薬代に助成制度を作っています。岡山市でもぜひ続いていただきたいとうったえます。
以上の理由で、陳情第8号は採択すべきものとうったえます。議員のみなさんのご賛同をお願い申し上げて討論といたします。