議会質問・ニュース

(質問原稿) 2019年2月議会 個人質問(3/4林潤)
[ 03月04日 ]

3月4日に林じゅん議員が行った個人質問(1回目)の原稿です。

(質問原稿・個人)190304 林じゅん


1.放課後児童クラブの充実について
クラブごとに保護者負担金、支援員の処遇に格差があり、開所時間やサービス内容で子どもたちへの対応にも違いがあった放課後児童クラブの運営の平準化について、市が各クラブの運営委員長に案を示しました。
日本共産党岡山市議団は、どの学区でも子どもたちの放課後を保障するために、運営委員会に丸投げのやり方は改めるように求めてきました。
より市が責任を持つ体制になることは評価します。
同時にこれまでのやり方が大きく変わることになるため、懸念もあります。
運営の平準化は、子どもたちに質の高い放課後を保障するためです。
運営委員会、保護者、支援員の懸念の一つに、クラブで行ってきた特色ある活動が維持できるのか、があります。
保護者も運営に加わる地域運営委員会方式により、保護者会は保育の充実に直接、寄与してきました。遠出や宿泊を行っているクラブがあります。行事の主催が保護者会になっているクラブもあります。その行事も含めクラブの保育環境を考えるべきです。
平準化の目的に、支援員の処遇の向上による確保があります。保育の質の向上のために重要です。一方で、国は支援員の基準を引き下げました。市として、配置基準は維持、向上させることが求められます。人員の充実としては、作業療法士の活用も考えられます。
施設面の課題では、エアコンがあります。小中学校にもエアコンが設置される予定になっています。
小学校の夏休み中に一日を過ごす放課後児童クラブの方がエアコンの必要性が高いくらいです。
エアコンは、保護者負担で設置する設備の中で額が大きな物です。そのために保護者会で積み立てをしているクラブもあります。施設整備の出費に備えてきた保護者会や運営委員会があります。それを日々の子どもたちの保育に回せれば、日々の保育の充実に繋がるでしょう。
そこでお尋ねします。
ア 平準化のスケジュールはどうなっていますか。
イ 平準化について、運営委員会、支援員、保護者から、それぞれ、どのような質問や要望が出されていますか。
ウ 支援員の処遇引き下げにならない経過措置は取りますか。
エ 子どもたちの体験の機会や処遇を維持するために、これまで取り組んできた活動には予算を付けたり、支援員の業務としたりしますか。
オ 支援員の配置基準は堅持し、むしろ引き上げるべきです。ご所見をお聞かせください。
カ 保育の質の向上のために作業療法士の配置も平準化に合わせて盛り込みませんか。
キ これからは、エアコンは市費の設置になりますか。
ク 平準化後の施設整備は、岡山市ふれあい公社の役割になりますか。
ケ すぐに移行しないクラブには、3年の間に何をどうすることを求めるのですか。
 

 


2.国民健康保険料の引き下げについて
今年度、岡山市は国保料を値上げしました。値上げを抑えるための予算を削ったからです。今年だけでなくさらに6年間、上げ続ける方針です。
岡山市社会保障推進協議会が集めている国保料の引き下げを求める署名には、市民のメッセージが寄せられています。
「年金は下げられ、保険料を上げるなんて許されない。断固反対である」
「今でも地下街から連絡して便利な路面電車をわざわざ駅前広場に乗り入れさせる意味がわかりません。ムダな事業は廃止して市民税を下げるとか、子供の医療費を無料にするなど、大切な税金の使い方を考えてください。もっと住みやすい岡山にして下さい!!」
「シングルマザーで現在失業中です。国民健康保険料が払えず滞納している現在です。臨機応変に対応して頂けないでしょうか」
さらに国保料が上がり続けたらますます大変になる、という声です。
日本共産党は、市がこれまで通りに予算を組んで国保料の値上げを抑えること、さらには引き下げを求めています。
国の責任も重要です。
地方の財政にしっかり予算をつけることと、保険料の計算方法を変えることで庶民の負担軽減ができます。
国民健康保険料は、家族が増えると所得が増えなくても高くなります。
所得が増えなくても子どもができたら保険料が高くなって、大変になるのでは子育て支援にも逆行します。
日本共産党は国保料の計算方法を変えることを求めています。
例えば、岡山市がホームページに載せている平成30年度の年間保険料の算出例を見ると、世帯主35歳で営業所得250万円、妻30歳でパート収入100万円、小学生の子どもの世帯で、国保料が35万7千円あまりです。
すでに重い負担ですが、この世帯に子どもが生まれたら乳児を抱える間、妻のパート収入が減るかもしれません。それでも均等割が36,000円ほど増えます。
協会けんぽでは、均等割も平等割りもありません。
この二つが、所得の低い国保加入者の大きな負担になっています。
そこでお尋ねします。
ア 国民健康保険料の負担が重くて大変だ、という加入者の声にどう応えますか。
イ 協会けんぽ、組合健保の雇用主負担と所得割のみの考え方を国保にも適用して負担軽減ができませんか。
ウ 18歳未満の加入者の均等割の負担は総額でいくらですか。
エ 子育て世帯の支援策として、18歳未満の均等割分を減免しませんか。実施している自治体があります。

 

 
3.中国残留日本人孤児の帰国後のくらしについて
厚労省ホームページには、中国残留邦人について、
「昭和20年当時、中国の東北地方(旧満州地区)には、開拓団など多くの日本人が居住していましたが、同年8月9日のソ連軍の対日参戦により、戦闘に巻き込まれたり、避難中の飢餓疾病等により多くの方が犠牲となりました。このような中、肉親と離別して孤児となり中国の養父母に育てられたり、やむなく中国に残ることとなった方々を「中国残留邦人」といいます)
と書かれています。
私は、平成21年にも中国残留日本人孤児の帰国後の支援について取り上げました。国の新たな支援策がまとまった後でした。その時は、日本語教室の支援が主な内容でした。
今回、高文研の『中国残留日本人』や中国「残留孤児」国家賠償訴訟弁護団全国連絡会の『政策形成訴訟』などの資料で中国残留日本人孤児の経過を振り返りました。
1932年3月1日の「満州国」の「建国」からの歴史や孤児たちのさまざまな苦難の物語はとてもここで述べ尽くすことはできません。
まとめると、旧満州地区に多くの日本人が住んでいたのは、日本の侵略政策によって、軍事と産業のために移住が進められたためです。残留孤児、残留婦人が生まれたのは、関東軍はソ連参戦の情勢を分かっていながら作戦のために、あえて民間人を残留させ、放置したからです。
中国残留日本孤児は、国策と戦争の犠牲者です。
彼らは、3度に渡り国から捨てられた思いをしています。
最初に置き去りにされたこと、早期に帰国させる責任を果たさなかったこと、帰国後の放置です。さらに日中の関係悪化で帰国の道が閉ざされたことも、捨てられた思いに数えることも出来ます。
厚労省の平成27年の調査で、帰国者の全国平均は76歳でした。
対応には人数や年齢分布、介護や医療の利用状況などの岡山市の実態の把握が重要です。
同じく厚労省の調査で、介護保険制度を知らない人が36%いました。介護認定を受けている人は半数ほどです。
サービスの利用は、帰国者で「デイサービスなどの施設へ通所」が37.9%と最も多く、「ホームヘルパーなどの訪問介護」が31.5%など、居宅介護の方が多くなっています。
介護現場で取り入れられている、回想法という手法があります。懐かしい歌や遊び、写真などを用いて本人が語り、周りが傾聴することで、高齢者の気持ちを落ち着かせたり、認知症の進行を穏やかにさせる効果が期待されています。
中国残留日本人孤児にとっては、懐かしいのは中国の食べ物や遊び、街の様子です。
回想法でなくても、介護現場のスタッフが中国の文化や残留孤児が置かれた境遇を理解していないと日々のコミュニケーションもうまくいかないでしょう。
中国に残されたことから、帰国の経過でも、さらに帰国後も非常な苦労をされた中国残留日本人孤児のくらしを支援することは国の責任であり、具体的には自治体の仕事です。
岡山市では、毎年、市役所のロビーを中国帰国者問題の展示に貸し出しています。市として問題の理解を拡げる協力で、主催者にも市にも敬意を表します。
今回の質問は、国策と戦争に翻弄され、ようやく帰国した中国残留日本人孤児の皆さんが、少しでも快適な老後を過ごせるように、との思いで組み立てました。
そこでお尋ねします。
ア 中国残留日本人孤児と家族、親族は市内に何人、居住していますか。
イ 岡山市での平均年齢など高齢化の状況はどうなっていますか。
ウ 介護保険制度は、どうやって周知と理解はどうなっていますか。
エ 支援・相談員の活用状況はどうなっていますか。
オ 自立支援通訳の活用状況はどうなっていますか。
カ 特に介護施設での通訳支援はどうなっていますか。
キ 中国語の対応が可能な介護事業所は、市内にいくつありますか。
ク 介護サービスの利用状況はどうなっていますか。