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(討論原稿) 2019年2月議会 議案(消費税関係)の討論 東つよし(2019.03.15)
[ 03月15日 ]

(印刷用PDF)190315 議案への反対討論(消費税部分) 東つよし

 


 みなさん、日本共産党岡山市議団の東つよしです。日本共産党岡山市議団を代表して、水道料金や下水道料金、市施設の利用料や手数料について、消費税増税による値上げを行う議案に反対する立場で討論をいたします。

 反対する議案は以下の通りです。

甲第2号議案 平成31年度岡山市一般会計予算について

甲第15号議案 平成31年度岡山市水道事業会計予算について

甲第18号議案 平成31年度岡山市下水道事業会計予算について

甲第22号議案 岡山市財産条例の一部を改正する条例の制定について

甲第24号議案 岡山市立市民文化ホール条例の一部を改正する条例の制定について

甲第25号議案 岡山市御津ふれあいプラザ条例の一部を改正する条例の制定について

甲第26号議案 岡山市灘崎文化センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第27号議案 岡山市建部町文化センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第28号議案 岡山市立福祉センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第29号議案 岡山市営墓地条例の一部を改正する条例の制定について

甲第30号議案 岡山市営納骨堂条例の一部を改正する条例の制定について

甲第31号議案 岡山市民プール条例の一部を改正する条例の制定について

甲第32号議案 岡山市社会体育施設条例の一部を改正する条例の制定について

甲第33号議案 岡山市立市民会館条例の一部を改正する条例の制定について

甲第34号議案 岡山シンフォニーホール条例の一部を改正する条例の制定について

甲第35号議案 岡山シティミュージアム条例の一部を改正する条例の制定について

甲第36号議案 岡山市宇垣コミュニティセンター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第37号議案 岡山市人権啓発センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第39号議案 岡山市男女共同参画社会推進センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第40号議案 岡山市休日夜間急患診療所条例の一部を改正する条例の制定について
甲第41号議案 岡山市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定について

甲第42号議案 岡山市ふれあいセンター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第43号議案 岡山市ウェルポートなださき条例の一部を改正する条例の制定について

甲第47号議案 岡山市保健所及び保健センター条例の一部を改正する条例の制定について
甲第48号議案 岡山市こころの健康センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第49号議案 岡山市簡易給水施設の設置及び給水に関する条例の一部を改正する条例の制定について

甲第50号議案 岡山市立老人憩の家条例の一部を改正する条例の制定について

甲第51号議案 岡山市福寿苑条例の一部を改正する条例の制定について

甲第54号議案 岡山市障害者体育センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第55号議案 岡山市立勤労青少年ホーム条例の一部を改正する条例の制定について

甲第57号議案 岡山市立少年自然の家条例の一部を改正する条例の制定について

甲第58号議案 岡山市日応寺自然の森条例の一部を改正する条例の制定について

甲第62号議案 岡山市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例の制定について

甲第63号議案 岡山市東部リユースぷらざ条例の一部を改正する条例の制定について

甲第64号議案 岡山市西部リユースぷらざ条例の一部を改正する条例の制定について

甲第65号議案 当新田健康増進施設設置条例の一部を改正する条例の制定について

甲第66号議案 東部健康増進施設設置条例の一部を改正する条例の制定について

甲第67号議案 岡山市勤労者福祉センター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第69号議案 岡山城天守閣条例の一部を改正する条例の制定について

甲第70号議案 岡山市足守プラザ条例の一部を改正する条例の制定について

甲第71号議案 岡山市かながわSAKAGURA条例の一部を改正する条例の制定について

甲第72号議案 岡山市建部町八幡温泉配湯条例の一部を改正する条例の制定について

甲第73号議案 岡山市たけべ八幡温泉条例の一部を改正する条例の制定について

甲第74号議案 岡山市営宝伝駐車場条例の一部を改正する条例の制定について

甲第75号議案 岡山コンベンションセンター条例の一部を改正する条例の制定について

甲第76号議案 ママカリパーキング条例の一部を改正する条例の制定について

甲第77号議案 岡山市農村集落活性化施設条例の一部を改正する条例の制定について

甲第78号議案 岡山市クラインガルテン条例の一部を改正する条例の制定について

甲第79号議案 岡山市サウスヴィレッジ条例の一部を改正する条例の制定について

甲第80号議案 岡山市漁港管理条例の一部を改正する条例の制定について

甲第81号議案 岡山市公共物管理条例の一部を改正する条例の制定について

甲第82号議案 岡山市城下地下広場条例の一部を改正する条例の制定について

甲第83号議案 岡山市営駐車場条例の一部を改正する条例の制定について

甲第84号議案 岡山市パークアンドライド駐車場条例の一部を改正する条例の制定について

甲第85号議案 岡山市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定について

甲第86号議案 岡山市公園条例の一部を改正する条例の制定について

甲第87号議案 岡山市児童遊園地条例の一部を改正する条例の制定について

甲第88号議案 岡山市道路占用料徴収条例の一部を改正する条例の制定について

甲第89号議案 岡山市港湾水域占用料徴収条例の一部を改正する条例の制定について

甲第90号議案 岡山市駅前広場駐車場条例の一部を改正する条例の制定について

甲第91号議案 岡山市農業集落排水処理施設条例の一部を改正する条例の制定について

甲第92号議案 岡山市下水道条例の一部を改正する条例の制定について

甲第93号議案 岡山市準用河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例の制定について

甲第94号議案 岡山市採石及び砂利採取関係事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について

甲第95号議案 岡山市水道条例の一部を改正する条例の制定について

甲第96号議案 岡山市工業用水道条例の一部を改正する条例の制定について

甲第98号議案 岡山市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例の制定について

甲第99号議案 岡山市花き地方卸売市場業務条例の一部を改正する条例の制定について

甲第100号議案 岡山市立学校条例の一部を改正する条例の制定について

甲第101号議案 西川アイプラザ条例の一部を改正する条例の制定について

甲第102号議案 岡山市立公民館条例の一部を改正する条例の制定について

甲第103号議案 岡山市立犬島自然の家条例の一部を改正する条例の制定について

甲第104号議案 岡山市環境学習センター「めだかの学校」条例の一部を改正する条例の制定について

甲第105号議案 岡山市近水園条例の一部を改正する条例の制定について

甲第106号議案 旧足守藩侍屋敷遺構条例の一部を改正する条例の制定について

甲第107号議案 岡山市立オリエント美術館条例の一部を改正する条例の制定について

甲第120号議案 平成30年度岡山市一般会計補正予算(第6号)について

 消費税増税を行えば暮らしも経済も破壊されます。消費税増税そのものに反対です。そして、10月からの消費税増税を岡山市も一緒になって進めることを認めるべきではありません。

2014年に消費税の8%への増税によって日本経済は深刻な消費不況に陥りました。JNNの2月の世論調査では、82%の方が景気回復の「実感ない」と答えています。安倍総理は「私の政権で景気回復した」と自慢しますが、国民の実感とかけはなれていると言わねばなりません。

安倍総理は賃金上昇を増税の理由の一つにしています。しかし、上がっているのは「名目賃金」だけで、買えるモノやサービスを決める「実質賃金」は、2012年の396.1万円から消費税増税後激減し、2018年は382.1万円とマイナス14万円で推移しています。最近の賃金についても、毎月勤労統計の偽装が発覚し、実際の2018年の賃金は、上がるどころか下がっていると指摘されています。賃金上昇という増税の根拠は崩れています。

就業者数が380万人増えたことも安倍総理は増税の理由にしています。しかし安倍政権6年間の就業者増の内訳を見ると、65歳以上は266万人、大学生高校生などが74万人増です。就業者が増えたと言っても、削減の続いている年金だけでは暮らせない高齢者と、高学費に苦しむ学生たちが大多数であるのが実態です。

家計から見ても増税はすべきでない状況です。家計消費は消費税8%増税の打撃から未だに回復していないのです。2人以上世帯の実質家計消費支出の推移では、8%への増税前の2013年平均が363.6万円だったのが、2018年平均は338.7万円と、25万円も減っているのです。家計消費は日本経済の6割を占める経済の土台です。痛手から回復していないのに大増税を被せれば日本経済は破滅への道まっしぐらです。

安倍総理は、経済への打撃を避けるため「いただいたものはすべてお返しする」と言いますが、全て返すなら最初から増税しなければいいだけの話です。
プレミアム商品券の発行を補正予算で行いますが、商品券を買えるだけのお金がなければ恩恵にあずかれません。中小のお店でキャッスレス支払いならポイントが還元される制度も、恩恵を受けるのはお金のある人です。安倍総理がスーツを仕立てているという銀座英國屋で50万円のスーツを買えば2万5千円分のポイントがつきます。高級店ですが、ポイント還元の使える中小事業者なのです。安倍総理のスーツならもっとポイントがつくかも知れません。一方で身近なスーツのお店の「青山」や「はるやま」で買っても大企業なのでポイントはつきません。消費税増税の打撃を一番うける所得の低い層からすれば、「いただいたもののお返し」から外れ、とられた消費税はお金のある層に移るだけになるのです。
ポイント還元について商店からは、「売り上げの現金がすぐに入ってこなくなって困る」「カード手数料が心配。補助は9ヵ月だけだ」「キャッスレス決済に対応できない」という声があがっています。日本スーパーマーケット協会も「消費者にとっては極めて分かりづらい」「日々の買い物において必要のない混乱が生じる」「過当な競争を招き込む」と厳しい批判が出されるほど、お店にとっては厳しい制度であります。

軽減税率で8%に据え置くものがあるという触れ込みではありますが、岡山市でも水道料金、下水道料金は10%への値上げが行われます。これによる下水道料金の負担増は一月あたり1,600万円になります。ペットボトルの水は軽減税率の対象ですが、買わなくても生活できます。しかし水道水は使わずに生活はできません。そして連動して下水道料金もかかります。上下水道の利用は生活に不可欠なのに、容赦なく増税されるのが実態です。

いま消費税に賛成の人も含め「今度の10%増税には異議あり」という声が広がっています。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文名誉顧問は「今のタイミングで消費税を上げたら間違いなく消費は冷え込む」「企業倒産増加、失業率上昇の危険がある」と警鐘を鳴らしています。まさにその通りではないでしょうか。

果たして財源と言えば消費税しかないのでしょうか。そんなことはありません。消費税に頼らない「別の道」があります。アベノミクスで大もうけした大企業や富裕層に、応分の負担を求めれば、10%増税などしなくても社会保障の財源は作れます。例えば法人税、2015年度の国税庁データから法人企業の利益に対する実質負担率を計算すると、中小企業は19%前後なのに、大企業は12%しか負担していません。さらに連結納税法人であれば5.6%にまで下がります。研究開発減税などの租税特別措置、連結納税制度、受取配当益金不算入制度など、実質は大企業にしか使えない優遇税制があるからです。大企業にもせめて中小企業並みに税金を払ってもらえば年間4兆円の財源です。
所得税、働く皆さんが一生懸命働いて得るお給料よりも株で働かずに得たもうけの方が、税金が安くなりうるのが日本の税制です。配当や株式譲渡所得への税率は、どんな富裕層でも20%(所得税15%、住民税5%)という低い税率なのです。この結果、2014年では所得税の負担率は所得1億円の28.7%をピークに下がり、所得100億円では17.0%しかとっていません。富裕層の株取引に欧米並みに課税すれば年間1.2兆円生み出せます。
安倍総理はアメリカの兵器を買うとトランプ大統領に約束し、1機110億円を超えるF35戦闘機を147機も買うなど、軍事費は「中期防衛力整備計画」の5年間で27兆4,700億円を注ぎ込みます。この軍事費や米軍への思いやり予算、辺野古米軍新基地建設の費用、政党助成金などの税金の使い方をただすことも大切です。
消費税増税は社会保障のためなどと言いながら、実際の税金の集め方や使い方で大企業や富裕層を優遇し、アメリカには大盤振る舞いです。財界大企業やアメリカばかりを向いた政治のゆがみを正す改革こそが必要です。

対案はくらしの応援です。国内景気について、景気動向指数が3カ月連続で悪化し、内閣府は基調判断を下向きに修正しました。中国経済の減速などが要因とされています。世界経済との関わりでも、いまやるべきは、外需頼みでなく、国内需要、とりわけ家計を温めて日本経済の足腰を強くすることです。必要な経済対策は、先に挙げた消費税増税によらない財源をくらし応援に使うことです。景気の足腰を破壊する消費税増税はいよいよもって論外であり、岡山市が条例を変えることで増税の先駆けになることはやってはならないと指摘します。

 以上の理由で、消費税増税による値上げの条例案に反対する討論とさせていただきます。みなさんのご賛同をお願い申し上げます。ありがとうございました。