議会質問・ニュース

【陳情の討論原稿】 24年9月定例岡山市議会(東つよし)
[ 09月19日 ]

陳情討論原稿240919【東】


日本共産党岡山市議団の東つよしです。本市議会に出されている陳情のうち3本について、討論に立ちます。よろしくお願いします。

 

まず、陳情第27号 国指定史跡大廻小廻山城跡(おおめぐりこめぐりさんじょうあと)の域内におけるイノシシ追い込み猟に係る危険防止対策を講ずるよう求めることについて です。これは大廻小廻山城跡で行われている銃による猟をやめさせて欲しいという陳情です。銃による猟の地域を指定する権限は県にありますが、県は要件には合わないとしたとのことです。

大廻小廻は岡山市にある重要な歴史的遺産です。市としてもHPなどで史跡や観光スポットとして押し出しており、今後訪れる人が増えることが予想されますし、その方が望ましいと思います。現在は大廻小廻に見学に来る人が週に一組ぐらいですが主に土日祝に来るといいます。一方、銃で追い込み猟をするハンターも来るのは、土日祝だそうです。猟にまき込まれないか、心配です。あらかじめ注意喚起の看板等を立てておくなどの対策はやっておくべきではないでしょうか。市が危険防止対策とるよう、議会としても市民の願いをくんで意思を示すことが必要だと考えます。

現地はたびたび出没するイノシシに悩まされているといいます。地元の方は銃でなくワナでイノシシを捕獲しており、銃でなくては猟ができないというものではありません。イノシシ対策は、市としても公有化をすすめる史跡であるだけに力をつくしていただきたいとも思います。
以上の理由で、本陳情について、委員会報告に反対し、採択することを求めます。

 

続いて、陳情第26号 新型コロナワクチン定期接種において、次世代mRNAワクチン(レプリコン)「コスタイベ筋注用」の使用中止を求めることについて、及び 陳情第30号 新型コロナワクチン定期接種において、次世代mRNAワクチン(レプリコン)「コスタイベ筋注用」の接種リスクを広く市民等に周知するとともに、医療機関に対しインフォームドコンセントの徹底を喚起することを求めることについて について述べます。

私は本陳情が議会に出されたことをうけて自分自身学ばねばと思い、8月末、陳情者から紹介のあった講演会に行ってきました。赤磐医師会主催の「コロナ禍、マスク禍、ワクチン禍を検証」という講演会です。勉強になりました。ここではメイン講師の一人である臨床薬学の博士の堀内有加里氏がレプリコンワクチンについて、一旦止めて検証しなくてはならないと指摘しつつも、一生効果が出ることや周囲に伝染することについてはありえないというお話をされていました。これは医学会の知見と共通するものだと認識しています。堀内有加里氏のフェイスブック記事も読みましたが、レプリコンワクチンについての評価は、「現行のmRNAワクチンと同様の健康被害が起きることは十分に予測できる」という内容で、レプリコン特有の危険性は挙げられていません。

一方、陳情本文では、第26号、30号ともに「自己増殖型であるレプリコンワクチンはRNA複製遺伝子を積んでいるため細胞内で自己増殖」するとし、「『簡易型人工ウイルス』と呼べるようなもの」「レプリコンワクチンの本質的な問題は『増える』という性質に加え、増えながら『変わっていく』という性質をもつ」「これはまさにウイルスそのもの」と書き、「接種者の呼気からレプリコンmRNAを含むエクソソームが放出されてその呼気を吸った人の呼吸器の粘膜細胞でレプリコンが増え始め」ると述べています。この指摘は、堀内有加里氏の講演でも否定されたことであります。

陳情にあるような指摘をされる学者さんがおられるにしても、実際に起こる、あるいはワクチンのベネフィットを超えるリスクになるかどうかについて、私たちは判断にいたりませんでした。よって、本陳情には賛成することは難しいと考えます。

同時にレプリコンワクチンをはじめ新型コロナワクチンについての不安の声があることは正面からうけとめる必要があると思います。

日本共産党は、まず一つ、コロナワクチンを接種するかしないか、何をうつのかは個々人の自由な意思によって判断されるべきものであり、接種への強制や圧力、接種の有無による差別には断固反対します。

二つ目に、党としては医学会、医療界の知見に基づき、ワクチン接種が、新型コロナ感染症の発症・重症化から国民の命を守る重要な手段の一つであると考え、希望する人への安全・迅速な接種を政府に求めます。その前提として、発症予防効果、重症化予防効果などワクチンの有効性と、発生しうる副反応やその頻度といった安全性について、情報公開と国民への説明を求めます。特に臨床試験の結果など副反応や健康への影響の情報は、企業秘密の壁など理由にせずに積極的に公開されなくてはなりません。

三つ目に、あらゆるワクチンには、感染症の脅威から命を守るメリットとともに、副反応のリスクがあります。新型コロナワクチンについても、接種後に起こっている有害事象への徹底した原因究明と被害者への救済・補償を求める、という考えです。

この立場で7月19日に日本共産党の国会議員団は、厚生労働大臣あてに要請を行っています。コロナ治療薬への公費助成とコロナワクチンの自己負担の減免とともに、ワクチンの有効性・安全性について、新たな知見も含めて情報提供を行い国民の疑問にこたえる、副反応の原因究明と被害者救済に万全を期すことを求めています。

新しい医薬品には不安がでます。イギリスで1796年、エドワード・ジェンナーという医者は、種痘法とよばれる世界初のワクチンを生み出しました。牛の天然痘である牛痘の膿を使ったため当初は、「牛痘種痘をすると牛になる」という風評があったといいます。しかし天然痘を克服する画期的なものだという事実をもって広まり、死の病気と恐れられていた天然痘は1980年に世界から根絶されることになりました。

ワクチンには本来の目的である主反応・ベネフィットとともに、副反応・リスクがあります。レプリコンワクチンについても、情報を広く市民等に周知するとともに、医療機関に対しインフォームドコンセントの徹底を喚起することが不可欠です。陳情30号では、レプリコンワクチンの接種リスクについて周知することを求めていますが、先に述べた通り、リスクとして指摘されている点に賛同できるだけの裏付け、知見があるのかと考えます。今必要なことは、裏付けにもとづく情報公開の上で一人ひとりに判断していただくことではないでしょうか。

以上、陳情第30号と陳情第26号は委員会報告に賛成し不採択にせざるをえないことを指摘するとともに、ワクチンにかかわる行政は市民の不安にこたえるものにしなくてはならないとうったえ討論をおわります。

議員のみなさんのご賛同たまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。