(質問原稿)2018年9月議会 個人質問(9/12河田正一)
市議団事務局(東田) 18年09月12日
2018年9月定例岡山市議会で、9/12の個人質問に立った河田正一議員の質問(事前提出原稿)全文です。
1 旭川の決壊・氾濫と河川・ダム管理について
7月の西日本豪雨災害で、旭川流域の御津鹿瀬・御津草生・御津矢原・御津金川・御津宇垣・御津国ケ原、牧山・牟佐・玉柏などの多くの地域で浸水被害を受けました。
一方、国土交通省管理の下流地域では氾濫がなく、市街地には中流域に比べてさしたる被害が報告されていません。中流域で被害か大きかったことから、原因として考えられるのが、旭川ダムの放流管理と岡山県の河川改修の遅れ、維持管理の不徹底です。
(1)浚渫、樹海林の伐採について
ア 浚渫の過去3年間の予算と浚渫個所、浚渫量を示してください。
イ 浚渫土砂の捨て場を地元で確保することと岡山県はしています。そのため浚渫が進んでいません。河川を管理する県が、住民の安全確保のために責任をもって捨て場を含めて確保するのが筋だと思うが、いかがですか。
ウ 捨て場がないという理由で、浚渫を放置してきた根底に、河川の浚渫を生コンクリート会社などに請け負わすことをしていない岡山県の方針が間違っていると思うが、ご所見をお示しください。
(2)大曾根頭首工の改修について
御津金川の浸水要因の一つに旭川を堰止めている大曾根頭首工の存在があります。可動堰部分は10mしかないので洪水時には上流部の水位を上げてしまいます。この頭首工から取水した用水は、御津川高、御津国ケ原の農地を灌漑しています。近年、国ケ原では農地の多くが、鯉の養魚場とネギの畑になっています。水稲の作付けは以前に比べて格段に減っています。頭首工から常時大量の用水を取水する必要がなくなっています。さらに、国ケ原用水は江戸時代につくられた歴史的な農業施設ですが、石積みが老朽し補修が必要です。そのうえ、農地を養魚場やネギ畑に貸しているので農業者は大幅に減っていて水路の管理に苦労していると聞きます。かつては頭首工の上流に渡し船があり、川を堰止め水深を確保する必要がありましたが、橋の架橋で渡船もなくなりました。
河川の通水を阻害している堰をポンプに変更すれば、河床が下がり通水能力が向上します。
ア 大曾根頭首工を撤去し、ポンプに変更するように地元関係者へ働きかけませんか。
イ 県が河川改修を実施し、河床を下げるように求めていただきたいがいかがですか。
ウ 頭首工の撤去が難しいならば、現在10mしかない可動部を拡幅する工事を河川管理の観点から実施するように県に働きかけていただきたいがいかがですか。
(3)旭川ダムの放流について
旭川ダムの構造 流域面積 1,140平方メートル
コンクリート重力式 建設年度29年 有効貯水量 51,772千立方メートル
利水容量 28,772千立方メートル(洪水期) 51,772千立方メートル(非洪水期)
治水調節容量 230,000千立方メートル(洪水期) 6,000千立方メートル(非洪水期)
越流頂 101.0m
満水位 110.0m
制限水位 103.5m
今回のHWL 108.87m
洪水位満水位 109.5m
放流ゲート 10門(12m×9.3m) 上下稼働幅 9.3m
放流能力 3,700?/sec
排砂方法 なし 堆砂EL 88.0m
改造 S58 放流トンネル新設 25?/sec
旭川ダムは、岡山市北区建部町にある多目的ダムです。
7月5日の大雨警報発令時点21時で、旭川ダムは1,500?/secの放流をしていました。6日になり放流量を減らし、10時から16時までは500?/sec以下の放流量でした。しかし、深夜24時には2,400?/secにまで一気に放流量を増やしたのです。
昼間に水位が減ったと安心して眠った人にとっては信じられない量が放流されたことになります。
質問します。
ア 旭川ダムは多目的ダムと言いながら、大部分を発電の利水を主としたダムです。洪水調節の機能が今のままで、岡山市民の安全確保ができると考えますか。
イ 旭川ダムが7月6日の昼間に500?/sec以下の放流量にして、結果として水位を最下限にできなかったのは何故ですか。
ウ ダムの治水機能が不足しているとすればどのようにすれば洪水を防ぐことができると考えられますか。
エ 国、県に対してダムの改修を早期に実現するように働きかけをしていただきたいが、いかがですか。
(4)旭川の改修について
ア 旭川の計画洪水流量は合同堰6,000?/secですが、今回の豪雨で合同堰は4,500 ?/secでした。懸念された東・西中島はぎりぎりで浸水を免れました。百間川一の荒手の改修のおかげだと考えます。しかし、これ以上の流量では出石、二日市などは決壊し、数千戸の浸水家屋が出ます。国交省管理区間の改修計画はどうなっていますか。
イ 県管理区間の改修計画はどのようになっていますか。
ウ 国交省は旭川の河床調査を行うことを約束しました。岡山県も河床の調査を早急に行うよう求めませんか。
2 ごみ処理について
(1)災害ごみについて
ア 災害ごみ発生量
イ 未処理量
ウ 未処理の大きな要因は
エ 災害ごみの処理完了見通しは
オ 災害ごみの分別により埋め立てを極力少なくするように取り組みますか。
(2)ごみ処理広域化について
広域処理の計画地が岡南環境センターに決まりました。今年度にも調査費が計上され、処理方法等の研究が始まるようです。税金の無駄を省き、資源を活用する観点でお尋ねします。
ア 広域処理場改修計画200t/日を変更して災害ごみを想定し直し、300t/日などに変更する動きはありますか
イ 広域化計画の中で、災害ごみ処理量を81,816tと想定しています。今回の豪雨災害を受けて、災害ごみの想定についてのご所見は。
8月に、東大阪都市清掃施設組合を視察しました。昨年4月に第5工場が焼却能力200t炉2基で稼働を始め、発電効率が全国有数の施設です。発電量の80%を売電して、9億円/年を売り上げました。特徴的なことは、発生した蒸気をすべて発電に利用しています。さらに、地元還元の温水プールなどは作らず、半径2km以内にある地元町内会には、集会所や防犯灯などの電気代を10年間補助しています。この方法だと、直接町内会や住民に還元されていることが目に見えます。また、還元施設建設に多大の経費を使わず済むし、後々の維持管理経費も掛かりません。
発電効率を比べると、岡南は112kwh/ごみt、東部は345 kwh/ごみt、東大阪は524 kwh/ごみtです。
試算を行うと、東大阪都市清掃施設組合の発熱量はごみ1㎏当たり3,225KCalです。この施設の組成分析ではプラスチック類が28.3%ですので、油化すれば軽油が約31,700k?採取できます。軽油の発熱量は38.2MJ/l、31,700,000×38.2MJ=発熱量1,210,940,000MJですので、6,236KCal/ごみkgです。軽油だけでも、サーマルリサイクルに比べて193%です。軽油の他に灯油類・重油類がそれぞれ10%程度採取できます。炭が9,700t/年できるので活用も考えられます。油化・炭化することは燃やすよりはるかに資源を活用することになります。
6月議会でもごみを焼却ではなく、油化して発電に使う方式について質問しました。環境局長は、一定の成果は認めつつも、「広域処理施設に直ちに採用できる状態ではないと考えている。」と答弁しています。技術は進歩しており、兵庫県豊岡市や静岡県袋井市の産廃業者が油化・炭化方式を採用したと仄聞しています。
東大阪の施設では焼却灰・飛灰の処分費に約4億円/年かかっています。油化方式によれば、このお金は必要ありません。
質問します。
ウ 東大阪都市清掃施設組合の発電効率についての所見をお聞きします。
エ 還元施設をつくらず、地域近郊の町内会の電気代を助成する方法についての所見をお聞きします。
オ サーマルリサイクルと比べて、油化する方法が優れているとは思われませんか。
カ ごみ広域化計画の中で、油化・炭化する方式を検討しませんか。
3 斎場整備計画について
瀬戸内市は9月補正予算に火葬場用地費等3,350万円を計上しています。
瀬戸内市新火葬場に岡山市分を加える必要がないという、6月議会での私の質問に対し、市民生活局長は必要炉数について「計算しなおす」と答弁しました。
質問します。
ア 瀬戸内市からはどのような報告を受けていますか。
イ 今年になって、瀬戸内市とはどのようなことが話され、どのような返事をしましたか。
ウ 必要炉数についての検討結果をお示しください。
エ 今議会に東山斎場の使用料の値上げ条例が上程されています。大人の処理料金を1体 8,000円から10,000円に値上げするというものです。瀬戸内市の計画は岡山市に10億円以上の負担と、毎年多額の維持管理費をしなければならないものです。市民に火葬場使用料値上げを求める一方、無駄な火葬場建設を行う。岡山市民の納得が得られるとは思えません。この計画は中止すべきです。
4 エヌエス日進処分場について
御津虎倉の安定型処分場は岡山市が許可しましたが、業者が砂防指定地内の行為の許可を岡山県に申請しないまま工事を行いました。
ア 業者のその後の動き、県の動き等を、市はどのように把握していますか。
イ 昨年4月の建設許可以降、業者からは市に対しどのような報告がありましたか。また、市としてはどのような対応をしましたか。
ウ 使用前検査はどうなっていますか。