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日本共産党 岡山市議団

【政策資料】 市長あて2019年度予算編成要求書(全文)

18年11月27日

日本共産党岡山市議団が、11/27に提出した2019年度予算編成要求書の全文は次の通りです。

2019年度予算要求 【市長重点】


2018年11月27日

岡山市長 大森 雅夫 様

日本共産党岡山市議団
団長 竹永 光恵

2019(平成31)年度岡山市予算編成要求書
―憲法を活かし、くらし・健康・福祉最優先の岡山市を―

市民の福祉向上と市政の発展、そして災害被災者の救援と復旧・復興に尽力されている市長はじめ市職員の皆様に深く敬意を表します。
近年、全国で大規模災害が相次ぐ中、2018年7月には本市でも浸水家屋が約7800に上る豪雨災害が発生しました。今なお、生活再建の途上にある被災者が大勢います。市長が「被災された方が日常を取り戻すこと」が大切と述べておられた通り、全ての人が生活再建できることが重要ですが、そのためには一人ひとりに寄り添った施策の展開が必要です。このことは、現在の市政の最重要課題です。
市はこの間、大型事業を次々に発表していますが、一方で国保料の連続引上げ、子ども医療費無料化への消極姿勢などに見られるように、福祉充実の施策は少ないと言わざるを得ません。施策の優先順位が問われています。
世界では、朝鮮半島情勢の激変や核廃絶をめぐる激動があります。国内では、沖縄で米軍基地の強化を強行しようとする日米両政府に対して、「基地は住民の安全を脅かし地域の発展を阻害するので無くそう」と国へものを言う「オール沖縄」の首長が、住民の支持を得て相次いで勝利しています。山口県阿武町長はイージスアショアの配備計画に、茨城県那珂市長は東海第二原発の再稼働に、それぞれ反対を表明しています。
豪雨災害からの生活再建、岡山市民の命と暮らしを守り、必要なことは国にものを言う市政をめざし、2019年度予算に以下の市民要望を盛り込むことを求めて、予算編成要求書を提出いたします。

 

1 日本国憲法と地方自治法を活かして、平和を守り、全ての人の人権が保障される市政を進めること。

(1)岡山市長として日本国憲法擁護の立場に立ち、そのことを明確に発信すること。

(2)世界から核兵器をなくすために、核兵器禁止条約への参加を政府に求めること。あわせて、平和首長会議について、会合に参加するとともに、「行動計画」を本市として具体化すること。

(3)市として「原発ゼロ」をめざす立場に立つこと。

(4)日本国憲法と地方自治法を確実に身に着けられるよう職員研修を行い、非正規職員を含めて窓口職員は誰でもこの立場で対応できるようにすること。

2 豪雨災害からの復旧・復興は、被災者の生活再建を中心にすえて進めること。災害に強いまちづくりを進めること。

(1)被災者の住家と生業を柱にした長期的な生活再建の計画や、市としてのロードマップを策定すること。

(2)在宅やみなし仮設の被災者、さらには介護状態の悪化や障害児・者など、さまざまな困難な状態にある方を定期的に訪問する仕組みづくりなど、1人も取りこぼさない生活支援を行うこと。なお、仕組みづくりに当たっては、民間支援団体等との連携を十分生かして進めること。

(3)住家の被害認定にあたっては、屋内の被災状況も丁寧に調査し、被災者から要望があった際には再調査を行うこと。特に、北区御津で浸水深が床上100cmを超えているのに「半壊に至らない」判定となっているケース等については、市の責任で判定を見直すこと。市内の判定格差をなくすためにも、水害時の被害認定基準について国に見直しを求めること。

(4)4000を超える床下浸水の家屋について、断熱材の被害など浸水の特性もあって、現行の支援制度では生活再建が非常に困難な世帯もある。個別事情を含め精密な調査を行い、本市独自の支援策を早急に検討し、実施すること。

(5)床下浸水を含め、被害建物の耐久度や今後使えるかどうかを調査し、住民に対して対策のアドバイスを行うこと。床下浸水家屋に対して市は「消毒は不要」としたが、これは衛生上の観点からのことであり、建物の耐久性の維持など建築の観点からは課題があった。

(6)敷地の一部崩落などで、住家自体には被害がなくても居住できない事例に対して、被災者支援メニューが適用されるよう配慮すること。国にも必要な制度改正を要望すること。

(7)被災者に対する支援策の大半は、住家の被害程度によって決定されるが、住家被害だけでは測ることのできない被害(車やエアコンなど)についても、実態に即した支援を市独自ででも行うこと。

(8)医療費等の無料化を、継続すること。2019年1月以降の対応を含め、十分周知すること。

(9)避難所のあり方や公共施設への物資備蓄については、地域住民や施設管理者と協議しながら改善を図ること。避難所運営についても地域との連携を強化すること。

(10)災害弱者の個別支援計画の作成は、市が責任を持って進めること。

(11)生活再建支援制度について、支援金の増額や、支援対象を半壊や一部損壊にも拡大することなどを、被災自治体として国に強く求めること。

(12)雨水排水対策は、宅地化などによる変化を踏まえて強化すること。とりわけ、雨水流出抑制施設の事前協議を義務付ける民間の開発行為等について、対象を大幅拡大すること。設置すべき必要貯留量を増やすこと。

3 大型事業はムダがないか見直し、豪雨災害対応や福祉施策の充実を優先させること。

(1)路面電車乗り入れと駅前広場、芸術創造劇場(仮称)、本庁舎建替え、吉備線LRT化など、この間発表した事業計画等を1つ1つ市民や議会とともに十分検討し見直して、豪雨災害対応や福祉の充実を優先させること。

(2)水道事業は公的責任のもと、民営化しないこと。あわせて、広域水道企業団からの過度な受水について、きちんと検証すること。

4 国民健康保険について、市として責任を持って市民の負担軽減を図ること。

(1)政策繰入を継続し、35億円の基金活用などもあわせて、市民にとって払える保険料にすること。

(2)多子世帯の保険料軽減を市として制度化すること。あわせて、現行の減免制度の周知を強化すること。

(3)滞納者に対しては、納付相談だけなく、背景を含めた生活相談を行う仕組みをつくること。短期証や資格証の発行・交付をやめ、性急な差し押さえはしないこと。

5 最優先課題である待機児童と未入園児童の解消に向けて抜本対策を取ること。

(1)認可保育園に入ることを希望しているのに待機児童から外すことは市民ニーズに合っていない。入園申込書に第3希望まで書いていても入れなかった児童は全て待機児童としてカウントし、その前提に立って必要な施策をたてること。

(2)保育士不足を解消するために、賃金や労働条件を抜本的に改善すること。保育士等処遇改善事業は延長・拡充すること。

(3)私立認可保育園の障害児保育加算を抜本的に拡充すること。

(4)公有地や既存施設の活用などを含め、認可保育園を増やすこと。

(5)北長瀬みずほ住座再生事業の併設施設は、認可保育園として整備すること。あわせて、今後市有地に整備する保育施設は、認可保育園に限ること。

(6)市立幼稚園・保育園の廃止・民営化を行わないこと。こども園については公私立を問わず、職員配置や大規模化など、多くの課題があるとの声が寄せられている。実態把握を行い、検証すること。

(7)2020年度以降を見据えた岡山市の保育所整備計画を立てること。

6 子どもの貧困対策を、全ての子どもを対象として、子育て支援の施策の全体的な底上げを図ること。

(1)条例の制定及び独立した計画の策定と推進に、早急に取り組むこと。

(2)市独自の給付型奨学金制度を創設すること。

(3)児童手当および児童扶養手当の毎月支給を検討すること。

(4)就学援助制度の対象と支給額を拡充すること。特に、給食費と修学旅行費については、大半の政令市と同様に岡山市でも全額実費支給とすること。

(5)就学援助や特別支援教育就学奨励費の対象に生活保護世帯を含めること。生活保護世帯にも就学援助から修学旅行費などが支給されることを、対象世帯および全ての教職員に周知すること。

(6)子ども食堂や無料塾、子どもの日中の居場所づくりなど、実施団体等が活動を継続できるよう財政措置を含め支援すること。

(7)学童校外事故共済、災害遺児教育年金、交通遺児基金について、貧困対策としても位置付け、支給対象の拡大や掛金の減免など、それぞれの制度を拡充すること。

7 子どもと教職員が、双方向で学ぶ喜びを実感できる学校づくりを進めること。

(1)30人学級の実現と教職員の負担軽減のために、正規教員の増員を図ること。特に、定数内はすべて正規職員で確保すること。

(2)競争偏重の教育方針を改めるために、全国・全市共通テストとなる全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)への参加はやめ、市独自テスト(学力アセス)は中止すること。

(3)教育大綱の見直しにあたっては、数値目標をやめ、一人ひとりの子どもが分かる喜びを実感出来る教育を大切にすること。

(4)不登校の子どものための、適応指導教室以外の日中の居場所づくりを、教育行政としても取り組むこと。

8 交通政策は、公共交通空白地域の解消を最優先にすること。

(1)総合交通計画は、公共交通空白地域の解消を最優先課題とし、明確な目標値をすえて取り組むこと。

(2)路線バスの再編にあたっては、重複路線を無くし、周辺路線を増やすこと。

(3)路面電車の岡山駅前広場の乗り入れと駅前広場の再整備は全市民的課題であり、事業の優先順位の再検討を含め、一から見直すこと。

(4)吉備線LRT化についても、計画策定段階で、市民や議会と十分議論すること。

9 障害者や高齢者をはじめ、誰にでもやさしいまちづくりをすすめること。

(1)子ども医療費助成制度は県下で唯一小学生が有料であり、子育て支援策として、通院も中学校卒業まで無料にすること。

(2)重度障害者の医療費を無料化すること。心身障害者医療費助成制度を拡充すること。

(3)65歳以上の重度障害者が、障害福祉サービスを継続して使えるよう保障すること。

(4)更新時の認定で介護度が軽度化し、今までの生活を維持できない事例が増えている。また、軽度化にともない、次の更新までが長く、サービスを減らすか自己負担を増やすかを選択せざるを得ないケースもある。あわせて実態調査を行い、不適切な事例については是正すること。

(5)個別のケアプラン作成にあたって、地域ケア会議がサービスの切り下げを勧奨する事例がある。実態調査を行い、不適切な事例については是正すること。

(6)地域包括支援センターの抱えているケースで、介護度の区分変更申請を水際で止めている場合があると仄聞する。申請の希望はすべて受け付けること。あわせて、認定審査の訪問調査に、ケアマネージャーが求めた場合には最初からの同席を認めること。

(7)介護保険料の滞納に対するペナルティにより介護サービスが使えず、状態悪化につながっている事例がある。ペナルティをやめるよう、国に働きかけること。

(8)障害福祉サービスの一割負担について、市独自で減免すること。

(9)高齢者や障害者などとの共生社会実現のために、地域包括支援センターを小学校区ごとに整備し、ソーシャルワーカーなどの専門家を配置すること。

(10)総合事業は現場の声を聞くなど実態把握を行うこと。現行相当サービスは、将来にわたって維持すること。

(11)全ての人がその人らしく生きられるよう、LGBT等の当事者の人権保障のため、パートナーシップ宣言をすること。条例を検討すること。

(12)DV対策等について、市民の人権を守る観点で充実させること。

①24時間対応の性暴力相談支援センターを、市民病院に設置すること。

②配偶者暴力相談支援センターの相談員について、育成と増員を進めること。そのためにスーパーバイザーを配置すること。連携中枢都市圏も視野に入れ、広域的に対応できる体制とすること。

③市として一時保護や自立支援の拠点を整備すること。

10 「ゼロ・エミッション」の環境行政を進めること。

(1)ごみ減量計画を抜本的に見直し、大胆な削減目標を立てること。あわせて、ロードマップをつくって具体的に進めること。

(2)ごみ処理は、現在のサーマルリサイクル政策を見直し、市民の理解・協力を得ながら、生ごみの堆肥化等による大幅な減量や資源化を進め、焼却施設の縮減を図ること。あわせて、油化・再エネルギー化など新技術を積極的に取り入れ、焼却量やエネルギーコストの縮減を図るなど、複合的に進めること。

(3)家庭ごみ有料化を再検討し、無料に戻すこと。

(4)事業系ごみの料金を適正に見直すこと。

(5)ごみは域内処理が原則であり、広域化にあたっては、候補地周辺住民に丁寧な説明をし、合意の無いまま進めないこと。

(6)施設整備にあたっては、処理量予測を厳格に見直して炉数の削減を図ること。建設コスト・運用コストの縮減を可能な限りはかること。

11 斎場整備を大きく再考すること。

(1)斎場整備計画は、必要炉数の計算など計画の前提を見直すこと。岡山市内2斎場でまかない、不要・過剰なものはつくらないよう再検討すること。他市の斎場整備には支出しないこと。

(2)富吉新斎場の計画は白紙撤回し、一からやり直すこと。地域住民との十分な合意形成ができていない、産廃跡地で何が埋まっているか分からないなど、問題山積のまま進めてはならない。

12 市民福祉の向上のために、職員配置を改善すること。

(1)会計年度任用職員の制度導入にあたっては、公民館職員、図書館司書、栄養士、配偶者暴力支援センター職員をはじめ専門性が必要な職員については、正規化すること。

(2)法定数及び交付税で措置するケースワーカー、保育士、保健師、消防士など基準や目安が示されている職種で基準等より少ない場合は、早急に充足すること。

以上

 



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