新聞記事の見出しから
市議団事務局(東田) 12年04月24日
共産党市議団では、新聞を2紙(山陽、赤旗)取っており、記事のチェックとスクラップが事務局員の業務の一つです。
本当は全国紙や経済紙とも読み比べをしたいところですが、2紙だけでもけっこうな作業量で、週明けは大変。現状で精一杯…ですね。
さて、週末の新聞をチェックしていて、ちょっと気になることがあったので、今回はその話題を。
気になることとは…「見出し」です。
TPP(環太平洋連携協定)に関する民主党の議員調査団について、4/21付山陽新聞の記事の見出しは、「TPP交渉 関税撤廃 柔軟対応も 民主議員団に米高官表明」というものでした。
この記事中で見出しに関わる部分は、(以降の「」は記事から引用)
米政府高官が、「『(交渉参加国)みんなの勝利宣言が可能だ』と述べた」ことが、「関税撤廃を原則としつつも、柔軟に対応する考えを示唆したとみられる」
と、記者の観測になっています。
記事は続けて、
「政府内には、コメなど重要品目の例外扱いを期待する声もある。ただ交渉で例外を勝ち取るのは困難との見方も強い」
としています。
その後には、同じ高官が「(関税撤廃の)例外を最初から認めると例外だらけになるので米国は例外を持ち込まない」と説明したとか、ベトナム、マレーシアの例、韓国とのFTAの例などが挙げられています。
そして日本が交渉参加するならば「牛肉、自動車、保険問題の協議が必要」「日本の共済制度の在り方を日米間で協議していく必要性」などと書かれています。
見出しだけだと、交渉次第では関税撤廃させない品目もありうるような雰囲気ですが、記事全体を読むと、この見出しが示していることは希望的観測に過ぎず、可能性の非常に小さいことがわかります。
見出し自体は記事から起こしたもので誤りというわけではないけれど、記事全体の要点とニュアンスをちょっとずらしたような印象を受けました。
なんでこんなことが気になるのでしょうか。
たぶん、半ば無意識に、“自分が記事を書くなら”“自分ならこの記事にどんな見出しをつけるか”などニュースの作り手の意識が働いているからでしょうね。
新聞記事のスクラップは、そういう意味でも勉強になります。
ちなみに、同じ事柄を扱った同日のしんぶん赤旗の記事は、
「米・加訪問のTPP調査報告 民主党内でもかん口令 相手国から“外交上差しさわり”」
という見出しで、
「民主党の議員調査団が相手国の『政府関係者』から『外交上差しさわりがある』ことを理由に聴取内容の『公表を避けてほしい』との要請を受け、相手側が『本音で全部話す』ことと引き換えに秘匿要請を受け入れていたことが明らかになりました」としています。