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日本共産党 岡山市議団

【資料】 2014.11月議会 個人質問(河田正一)

14年12月5日

2014.11月議会 個人質問(1204河田正一)  (PDF 349kB 6ページ)

動画はこちら(岡山市議会HPが開きます)http://www.okayama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=406

 

 

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2014.11月 個人質問   日本共産党 河田正一

 

今年の流行語大賞が決まりました。(集団的自衛権」と「ダメよ!ダメ、ダメ!」でした。2つの言葉を続けると。「集団的自衛権、ダメよ!ダメ、ダメ!」となります。先日亡くなられた菅原文太さんは、沖縄知事選挙の応援演説で、このように言っています。「政治の役割は2つあります。一つは、国民を飢えさせないこと。安全な食べ物を食べさせること。もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないことです。」と最後の力を振り絞って訴えています。

 

1 介護保険について

 

 「医療・介護総合法」が可決され厚労省が「総合法」の具体化に向けた「ガイドライン案」告示案、政省令案などを明らかにしました。そこでは、法案の提出時には政府が隠したりごまかしてきた制度改悪の狙いがあらわになっています。

「総合法」は要支援者の訪問介護・通所介護を保険給付から外し、市町村の地域支援事業に移すとしています。具体的には、地域支援事業の「予防介護事業」に、要支援者の訪問・通所介護の”代替えサービス”を加え、「新しい介護予防・日常支援総合事業」(新総合事業)に改編します。

 「ガイドライン案」では要支援者の多くは、食事・排せつなどの日常生活行為は「自立」しているとし、掃除や買い物の困難があるのは、動機づけや周囲の働きかけ「新しい介護予防・日常支援総合事業」の問題であると規定して、要支援者の「自立意欲の向上」を図るべきとしています。「意欲」さえあれば困難はなくなると決めつけるとは、驚くべき非科学的な要支援者像です。

 要支援者の「意欲」「能力」を引き出すには、「支援する側とされる側という画一的な関係」から脱却する必要がある、と強調し、「住民相互の助け合い」に積極的に参加し、より重度の高齢者を助ける「支え手」となることを求めています。そのために、今回、保険給付による介護サービスをやめることにしたという説明です。

漫然とサービスを受けることは許さない。要支援者は自立せよ“と言っているのです。「自助・自立のための環境整備」と説明しています。「公的支えをなくし、国民を『自助』に追い込む」という方針を実践したのが今回の”要支援切り”であるといえます。

 「ガイドライン案」は、「新総合支援事業」への転換により「費用の効率化」、すなわち、「介護給付費の抑制を図るように市町村に要求し、3つのやり方を示しています。

 第1が、「低廉なサービスの利用普及」です。「介護予防・生活支援サービス事業」には、既存の事業所による「専門的サービス」とボランティアなどによる「多様なサービス」が用意されることになっていますが、新規利用者は基本的に「多様なサービス」を割り振るよう指示しています。

 第2が、「認定に至らない高齢者の増加」、すなわち、要介護認定を受けさせないことです。高齢者が介護サービスを申請しても、窓口担当者が”要支援者”と判断した時は「基本チェックリスト」に応えさせるだけで、「新総合事業」のサービスを割り振ることができるようになります。これは、医療窓口に例えると、病院で患者に待合室で問診票を書かせただけで、事務員が「医師の診察は必要ない」と判断するようなものです。

 第3が、「自立の促進」です。「新総合事業」の適用者は、「目標」「課題」を持たされ、行政側が「目標達成」「状況改善」とみなさすと、単価の安いサービスへの転換やサービスの「終了」を求められることになります。

 岡山市では、介護認定者は36,061人いてそのうち要支援1,2の人は9,783人います。

要支援1,2の認定を受けている人のうち通所型予防サービスを受給している人は2,677人。また、生活支援サービス(訪問介護)を受けている人は2,278人です。

 

質問します。

① 市長として新総合事業への移行に際して、岡山市民が老後も安心して暮らせる岡山市であるために、現在のサービス水準を低下させないという決意を表明していただきたいがいかがですか。

② 通所型予防サービスを行っている事業者は現段階でいくつありますか。また、生活支援サービスを行う事業所はいくつありますか。現在は、サービス受給希望者に対し事業所は足りていますか。 

③ 新総合事業に移管するにあったって、NPO,任意団体、社協、介護事業所などで担うことになると考えます。受け皿づくりはどの程度進んでいますか。

④ 新総合事業の事業費は、「新総合事業」開始前年度の実績額×当該市町村の75歳以上の人口伸び率という上限が設けられています。つまり前年の事業費を絞り込むと、国からの支給額が低く抑えられることになります。つまりサービス低下になります。導入までに必要な手立てを最大限しなければなりません。そのためには時間が必要です。

新総合事業の導入が困難な自治体については、条例で最大2年間、実施を遅らせることができます。2年間実施延期の条例が必要です。その条例はいつ出しますか。

⑤ 来年度の利用料改訂が俎上に上がっています。消費税増税の上に、年金の引き下げ高齢者の懐に入る収入が減っています。今でも多くの方から、介護保険が負担だとの声は聞きます。介護保険料の値上げは極力避けるべきです。所見を伺います。

⑥ 今年4月に消費税引き上げに伴い、養護老人ホームにたいする措置費の引き上げはどうする予定ですか。

 

2 米価と農政について

 

 米価は大暴落です。農協の概算金は前年を1表あたり3000円前後も下回り、コシヒカリで9000円、その他の銘柄では8,000台~7,000円台の価格も続落し、2013年の下落と合わせると2年間で5,000円を超える下落です。コメの生産費は農水省の調査で全国平均1万6236円(農水省調べ過去5年、全国平均)です。種もみや肥料、燃料費などの物財費だけでも9,666円(同)かかります。

JAおかやまの今年の概算払いは8,000円程度です。

 農家は生産費の半値、物財費を割り込む価格でコメを出荷することになるのです。低米価に加えて政府は今年からコメの直接支払交付金を10アール当たり15,000円から7,500円に半減させ米価下落補てん給付金も事実上廃止しました。しかも、天候不順による収量減や品質低下による等級落ちで収入はさらに下がるのです。

 米価がどれほど安いのか市販の水(ミネラルウオーター)と比べてみます。ペットボトル500mlは自販機で120円ほどで売られています。ペットボトルに入るコメの量は403グラムです。これを概算金に当てはめると8000円のコメは54円、日本一高いとされている新潟魚沼産コシヒカリでさえも95円にしかなりません。

 ペットボトル1個分からおにぎりを作ると8.8個できます。おにぎり1個あたりはわずか6円13銭にしかならないのです。

 大量の水を使い、種まき、田植え、施肥、草取りなど半年間も手間暇かけて収穫するコメが、水より安いのです。こんなことが許されるのでしょうか。政府は市場価格に任せると、米価暴落に何の手も打ちません。しかし、これで農業をする人がいなくなっていいのか。国土や景観をどうやって誰が守るのか。農民の努力だけにゆだねていたのでは農山村は守ることができないのです。国の農政を抜本的に改め、小規模家族経営を基本に、農業の再生産を可能にする価格保証や所得保障が必要なのです。

さしあたり、市場原理に任せるとして米作農家を切り捨てるのではなく、米価の低下を抑えるために、政府が備蓄米を増やし、買い支えが必要です。

また、岡山市の国土と景観を守り、雇用の受け皿となっている農業を維持するうえで、行政の適切な支援が求められます。

 

質問します。

① 政府が進めている「強い農業」、「所得倍増」の掛け声は、岡山市の農家のうち何パーセントが対象となると思いますか。

②  岡山市は政令市の中でもとりわけ多くの農地を有しています。この農地を守るためにどのような施策を岡山市としてとりますか。

③ 異常な米価の低下に対し、岡山市はどこにどのような働きかけをするつもりがありますか。

 

 

3 TPP(環太平洋連携協定)について

 

 TPPは即時あるいは10年以内の例外なき関税撤廃を原則としています。

 今年11月10日、北京で開かれたTPP首脳会議は、オバマ大統領が「11月に妥結する」と宣言したにもかかわらず、妥結することなく閉幕しました。

毎年「年末までには合意する」という空約束を繰り返したあげく、今回は、ついに達成期限も示せませんでした。

 これには2つの側面があります。1つは、国際的な反対運動と参加国政府の抵抗の強まりの前に行き詰っているということです。

 もう1つは、日本政府がアメリカの圧力に屈して大幅な譲歩をするとともに、アメリカと手を組んで参加国に圧力を加えているという危険な側面です。

 国際労働組合総連合は、TPP交渉の秘密主義や多国籍企業の利益本位の内容を批判し、政府に対し「交渉停止」を要求しました。また世界の中で異例なほどTPPキャンペーンを張っている日本のマスコミでさえ、「TPP、にじむ漂流懸念、新興国冷やか」、「オバマ氏と一緒に沈没できない」と交渉離脱をほのめかす東南アジア代表の言葉を「日経」が載せました。

「産経」は、「日本の交渉筋は、合意が遅くとも来夏までにできなければ『次期大統領の下で体制が整う3年後まで交渉ができなくなる。そうなれば交渉は漂着してしまう。』と危機感を募らせる」と指摘。

一方、甘利TPP担当大臣は「外からは中身が見えないだけで、私に言わせれば確実に進んでいる」と述べました。報道によると、日米TPP協議は、牛肉関税を38.5%から9%に引き下げ、残る争点は豚肉と自動車に絞られた『事実上合意に近い状態』になっており、来年2月までに合意する可能性が高まっているとされています。(テレビ朝日)

 アメリカ農務省は、TPP合意による試算を発表しています。それによると①12か国の農産物輸出が85億ドル増え、そのうち33%をアメリカが占める。②日本は参加国の輸出量の70%を押し付けられる。③日本の輸入が増えるのはコメ、砂糖、牛肉。④12か国の中で農業生産が減るのは日本とベトナムで、日本の生産減が大きいのは酪農、小麦、牛肉。

これを報じた日本農業新聞は「日本農業ひとり負け」と指摘しています。安倍政権は交渉の真実を隠したまま選挙中は「国会決議を守る」と宣伝し、選挙が終わればアメリカにとって『意味ある市場アクセス』を実現し、日本農業を破壊させる譲歩に乗り出す危険が強いと言わざるを得ません。

 

質問します。

① 岡山市の農業と農村にとって、TPPは「国の動向を見守る」として傍観しておけばよい事柄と思いますか。

② 岡山県は来年度の機構改革の中で、農業改良普及センターの機構を変え、畜産部門を縮小することを表明しています。TPPでの畜産の先細りを先取りする施策についてどのような所見を持っていますか。

③ 「農産物の重要5品目」は必ず守るという、国会決議や自民党の選挙公約が履行されていると思われますか。

④ 農業と農村・国土を守る上でもTPPからの即時撤退を国に求めるべきと思いませんか。

 

4 新斎場について

 

 11月17日に、住民から岡山市職員措置請求が出されました。富吉新斎場用地取得において、不当に高い金額で用地を購入したことに対するものです。この土地は産廃跡地でありながら宅地見込み地として購入したことは、市民の血税の無駄遣いであるというものです。

 このことは、かねてより私も指摘してきました。

本土地の産廃処分場は、平成2年に届け出がなされた処分場であり、現在では管理型廃棄物となる廃棄物が混入している可能性があります。石綿含有廃棄物は一定の場所において、埋め立てることが決められています。しかし、平成18年以前はこの規定はなく、管理についても厳格な規定がありませんでした。産廃業者からの届では、石綿含有廃棄物が3,640㎥埋められたことになっています。埋め立てられた位置も特定できるような図面も出ています。しかし、埋め立てが行われたのは大部分が平成18年以前のことです。厳格な埋め立て場所や処理方法が現在の規定に合ったとは考えにくいことです。さらには、9月議会で私が指摘したように、業者が地盤沈下の測定数値を後で改竄していたことでも明らかなように、とても全面的に信頼を置ける届出だとは思えません。

 

質問します。

① 産廃跡地と知りながら周辺とほぼ同じ評価額で購入して家を建てる人が、一般市民にいると考えますか。

② 宅地として購入するとして、「最終処分場跡形質変更に係る施行ガイドライン」に係る調査費用は、土地評価額の中で考慮され、売り主側の負担とすべきです。しかし、この土地の評価額ではスティグマ修正として5%が削減されたとされています。「ガイドライン」の調査費用にも届きません。これでは正当な評価額とは言えません。所見を示してください。

③ ボーリング調査で明らかになった地盤の安定、支持力は想定されたいたものとはどのようになりましたか。

 

 

 

5 産廃について

 

(1)御津河内産廃について

 専門家(設置審議会委員)の多くの懸念を無視する形で、岡山市は建設を許可しました。

そこで後日の検証のために、問題点を明らかにして岡山市の判断に誤りがなかったのかを問います。

  •  安定5品目以外の混入は、目視により避けることができるのか。有害物質の混入は起こらないと言い切れるのか。

② 計画雨量は近年の集中豪雨が多発する中で適正であるのか。想定外との言い訳は決してあってはなりません。

  •  廃プラスチックが70%を占める処分場の土質の安定は保障されたのか。どこで、いつ安全であるとの証明をしたのか。

③ 廃プラスチックが70%を占めることによる比重が軽い物質に対し、浮力が働き崩壊する危険は、立坑の設置で全くなくなったのか。非透水性の廃プラが、横方向の浸透を妨げることは起こりえないのか

④ 建設許可を下ろした最終責任はだれがとるのか。事故が起きた時の責任はどのようにとるのか。

 

(2)畑鮎の産廃計画について

 笠井山の中腹、北区畑鮎 に大規模な安定型処分場が計画されていると仄聞します。この計画を岡山市はどのように把握されていますか。

 

(3)高野の産廃計画について

金山の中腹、北区高野にも安定型計画が計画され、用地買収が終わり、下流の辛香町内会への説明会が開かれたと仄聞しています。この計画は岡山市にはどのような情報提供がありますか。事前の打ち合わせ等は進行していますか。

 

(4)御津虎倉処分場について

① 最高裁で係争中ですが、裁判の状況はどのようになっていますか。

 

② 工事の進捗状況はどのようになっていますか。最近の動向はどのように把握していますか。



コメント1通 “【資料】 2014.11月議会 個人質問(河田正一)”

  1. 市議団事務局(東田) 14年12月10日 10:12:38

    竹永光恵、田中のぞみ、東毅、河田正一の各市議の質疑について、動画を閲覧できるリンクをそれぞれの記事に追加しました。

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