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日本共産党 岡山市議団

【資料】 2014年11月議会 議案討論(1216竹永光恵)

14年12月16日

2014.11月議会 議案討論(1216竹永光恵)

JUNH9905b

私は日本共産党岡山市議団を代表して、甲第265号議案平成26年度岡山市一般会計補正予算(第3号)について反対の立場で討論します。

まず、甲第265号議案平成26年度岡山市一般会計補正予算(第3号)中、歳入第16款国庫支出金第2項国庫補助金2目総務費国庫補助金、社会保障・税番号制度システム整備事業費補助金447万円、同じく歳出第2款総務費第1項総務管理費1目一般管理費社会保障・税番号制度関係事務費447万円はいわゆるマイナンバー制度施行に伴うシステム関連の費用です。

マイナンバー法は、日本で暮らすすべての人に12桁の番号をつけ、個人情報を国が一元的に収集、利用するものです。特定個人情報の提供の原則禁止としていますが政令で定める公益上の必要があるときに提供できるとして利用の拡大が懸念されています。導入の理由で国は、行政の効率化、真に手を差し伸べるべきものへの給付の充実などの利点を挙げていますが 情報漏えいや個人管理についてなど,利便性と危険性は表裏一体です。

 

様々な個人情報が本人の意思とはべつに勝手に形成され個人の自己決定や権利も侵害されるのではないでしょうか?また先行国ではなりすましによる個人情報の漏えいが頻繁に起こっています。岡山市議会での答弁も第三者委員会は設置するもののどこまでそういうことが防げるのか明確にはなっていません。国の議論も曖昧です。

 

 たとえば、12月10日から施行された特定秘密保護法との関連でも、秘密にかかわる人物が、秘密を漏えいする可能性があるか調べるという「適正評価」への個人情報提供に勝手に利用されるのではないかとの懸念がぬぐえません。

 

そして、今回予算に計上されているマイナンバーのための地方公共団体情報システム機構の負担金についても疑義があります。マイナンバーは国の事業だから関連する費用は国の負担とされています。それならばマイナンバーのためのサーバーを運用する機構の負担も国が負担すべきです。国策の必要で作られた組織が、地方公共団体情報システム機構であるのに管理運営は地方負担とされています。今回初期費用として国が全額補助をしていますが国から市に入ったお金を右から左へ機構に支出している予算となっており、そんなことをするのであれば、機構に直接支払うべきです。また負担に応じて自治体が意見を反映できるのか不明です、そのうえ理事長の報酬上限が月額119万8千円なのが適当なのかなど判断しかねます。

よってこの予算は認められません。

 

次に甲第265号議案平成26年度岡山市一般会計補正予算(第3号)第2表繰越明許費補正第3款民生費10項児童福祉費 幼保一体化整備事業 2億1146万7千円についてです。

 この予算は幼保一体化にむけた試行的な取り組みを進める岡南、太伯、中山、御津・金川、灘崎の5か所の保育園、幼稚園について必要な施設、設備の改修や備品の配備を行う予算であり今回工事が遅れた岡南幼保一体化にかかわる予算を繰り越し明許するものです。

 

そもそも幼保一体化の試行自体が平成24年12月、岡山市の就学前教育・保育のあり方についての素案が成案となったわずか数日後、担当課から試行園の指定があり突然進められてきたものです、地元調整の結果試行を1年先延ばしにしたにもかかわらず、ここでまた繰越です。

我が党市議団は岡山市が認定こども園ありきで進めている方針や拙速に試行を始めたこと、また総額6億円以上の予算を使い子どもたちや保護者に負担をかけ待機児童削減にどれだけ役立つのか?など疑問がぬぐえない中で、当初よりこの予算については反対をしていました。

 

議論の中で、市当局も拙速であったことは反省し地域住民、保護者や子どもたちのことを一番に考えて事業を進める旨を委員会でその都度表明していました。しかしここへきて法令違反である3歳未満児の給食の外部搬入を最大6か月も続けることが判明、結局は工期ありきで、子どものことを一番に考えての整備事業となってないことが明らかになりました。

 

今議会の本会議や委員会審議を経て岡南幼保一体化事業の工事日程の見直しも検討されることになり外部搬入の時期を極力少なくされることとなりました。

市当局の努力は認めますが、

市内の公立幼稚園、保育園を30の提供区域にわけ一か所以上をまだ詳細が不明な認定こども園として残し、それ以外を統廃合するという方針自体を認めることができません。

 

保留児童解消のための抜本的対策は、認可保育園を増やすことと、幼稚園での3歳児受け入れ、預かり保育の実施が一番の効果的だと申し添えこの予算に反対します。

 

次に甲第265号議案平成26年度岡山市一般会計補正予算(第3号)歳入第22款諸収入10項雑入6目雑入頑張る学校応援事業収入700万円、同じく歳出第10巻教育費1項教育総務費5目事務局費700万円は、県が頑張る学校に100万円支出するという頑張る学校応援事業の予算です。

そもそもこのやり方自体が、選ばれる学校、選ばれない学校と差別することです。

各学校にお金を出すくらいであれば総予算を増やしてほしいと岡山市としても県に主張すべきであり、玉野市のように受け取りを拒否してほしいとの議論をしていました。しかし市長はこの取り組みを評価され学校からの情報発信に役立つとの立場でありました。

今回7校が選ばれましたが、何を基準にどう評価されて選ばれたのか?選ばれなかった学校は何が悪かったのか、学校間の格差を広げただけだと思います。

 

その100万円でタブレットを購入する小学校もあると伺っています、同じ中学校区にある2つの小学校の片方が選ばれ、全児童タブレットをつかいこなせる、そして選ばれない一方の小学校では学校で使ったことがない子どもたちが同じ中学校に入学してくるのです。そのスタートラインから格差が出るという意見が委員会で議論されたと伺いますが全くその通りだと思います。これが格差というのではありませんか!

 

また県の予算の出し方も自治体によってバラバラです。笠岡市では学校に直接100万円を支払いそのうち30万円を市教委に上納させています。浅口市では直接学校に県が100万円を払い、議会には上程していません。岡山市は市を通しての交付というやり方をおこなっているので、学校現場の申請書類実務の負担も大きいと思います。

そしてそもそもこの問題の本質は、良い取り組みを広げるのではなく学校どうしを競争させ子どもたちの間に格差をもたらすことです。

今、それぞれの学校では、子ども一人一人の尊厳を守り人格の完成をめざし、どの子も大切、どの子にもわかる教育をと、子どもを中心に現場の先生、保護者、地域の方が力をあわせて頑張っています。それをお金でどう評価し、頑張る、頑張らないと選別し差別するのでしょうか?現場の取り組みをないがしろにする今回の県の事業は間違っていると申し上げを予算に反対をさせていただきます。

議員の皆様のご賛同を賜りますようにお願いし討論を終わります。



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