「政令市」と「特別区」 どちらが住民のためになるのか?
市議団事務局(東田) 15年05月12日
5月12日の「しんぶん赤旗」に、東京・世田谷区の保坂展人区長が大阪で行った講演の要旨が紹介されていました。
岡山市の今後の発展にも参考になる記事ですので、要約して少しご紹介します。
講演は、「府民のちから 2015」が大阪市内で10日に開いた住民投票緊急セミナーで行われたものです。
「特別区は現在、東京にしかない。もとは戦時下で戦争遂行のための非常事態ということでつくられた。戦後いったん公選制になったあと廃止され、1975年に公選制が復活して、自分は3代目。数々の自治権拡充の運動やたたかいで2000年にようやく基礎自治体としての位置づけが与えられた」
「世田谷区は人口88万。政令市でも世田谷区より人口が少ないところがたくさんある。ところが首長である区長の権限は、市町村長以下の部分が歴然。税収も非常に限られている(特別区民税、たばこ税、軽自動車税など)。大きな財源(固定資産税や法人住民税など)は区に直接入らない。東京の場合は45%を都がとるが、どう使われたか分からない」
「地域活性化の施策をうとうとしても、固定資産税を有利にすることもできないし、そもそも街づくりの初歩中の初歩=用途地域ですら自分たちで決められない」
「いまの大阪市、壊すのは簡単だけれど、1回壊したら元に戻すことはできない」
「都市や自治体の改革は必要だが、方向をしっかり見定めれば、例えば大阪市の24区役所がより住民参加を拡充し、自治権をしっかり持ってやっていくことができる」
「私は、都区制度はモデルではなく、歴史的には終わりを告げつつある制度だと思っている」
岡山市の人口は約71.5万人で、4つの区があります。
保坂区長のお話は、様々な制度や法令の中で苦労しつつ財源の確保に知恵を絞り、住民自治の発展をめざしてきた特別区の実態を具体的に示しているものではないでしょうか。
岡山市の発展は、住民による自治の発展と重ねて進んでいくべきものです。直接には「大阪市がなくなるのかどうか」という大きな問題に対するご意見ですが、岡山市にとっても多くの示唆を含んでいると思えたのでご紹介しました。
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