2015年6月議会 田中のぞみ議員が規制緩和3条例に反対する討論(全文掲載)
市議団事務局(東田) 15年07月6日
2015年6月議会 議案反対討論
日本共産党岡山市議団・田中のぞみ
日本共産党市議団を代表して、委員会報告に反対の立場で討論させていただきます。
今議会に上程された60件の内、以下3件の議案に反対するものです。
まず、甲第113号「岡山市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定」と、甲第114号「岡山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定」についてです。
いずれも保育士の配置基準を緩和しようとするものです。保育園や家庭的保育事業では子どもの人数に対し保育士の配置数が決められていますが、その保育士の代わりに准看護師でも良いとする内容です。昨年の9月議会で同様に看護師を「みなし保育士」とする条例案が出され反対したところですが、この度は、さらに准看護師を追加するものです。
そもそも保育士と看護職では専門性が異なります。保育園での看護師は保育園ナースとも呼ばれ、子ども達の健康管理、慢性疾患やアレルギーなどを持つ子どものケア、お薬の管理と服薬サポート、病み上がりの子どもの体調観察とケアなどを行ない、あくまでも保育のサポートです。一方、保育士はゼロ歳からの子どもの発達を促す遊びや学びを、一人ひとりに合わせた保育計画を作成して保障していくという保育の専門家です。保育士が足りないからと言って専門性の異なる看護師や准看護師をみなし保育士するべきではありません。今回の国の政令は最低基準をさらに引き下げる内容ですが、同時に都道府県には最低基準を向上させるように努めるものと定められています。政令市岡山でわざわざ最低基準を引き下げる条例を制定する必要はありません。岡山市として保育士の確保を追及するべきです。よってこの条例改正は認められません。
つぎに、甲第117号岡山市建築関係事務手数料条例の一部を改正する条例の制定についてです。この度の条例改正は建築基準法等の改正により、許可や認定に関わる手数料の一部を追加・削除するものです。その中で 耐震不足のマンションを建て替える際に容積率の緩和を許可する申請手数料を新たに定めており、この部分に対し反対します。
これは、昨年12月に施行された「マンションの建て替え等の円滑化に関する法律」に基づくものですが、そもそもこの法律は、マンションの建て替えだけでなく敷地そのものも売却を可能とし、その敷地はマンション以外の用途にも使えます。一定の条件を満たせば大幅に容積率を緩和することができるので、まさに大手ゼネコンや、ディベロッパーによる超高層マンションやビルの開発が可能となります。居住者のための耐震化推進にはならないことが明らかです。居住していた方の再入居の保障もあいまいです。高層マンションについては現在でも近隣住民とのトラブルが絶えず、周辺の平穏な生活を破壊してしまう場合も少なくありません。もともとその土地の用途に合わせた容積率の設定がなされているのであり、さらなる特例を認める必要はありません。
よってこの条例改正に反対します。
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、討論を終わります。