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日本共産党 岡山市議団

路面電車駅前乗り入れ計画案 ~11月議会の大きなテーマに

15年11月27日

11月24日、岡山市は岡山駅前の路面電車の乗り入れついて、軌道を現在の駅前終点から駅前広場まで延ばす「平面乗り入れ方式」で計画検討を進めていくと表明しました。

報道などでは、平面乗り入れ案の概算事業費を約9.9億円と見込むとともに、将来的にデッキを併せて建設することにも含みを持たせているとされています。

この発表を受けて同じ日には乗り入れ計画検討会が開かれましたし、昨日の岡山市議会建設委員会でも、夜までこの件などで議論を重ねていました。

また、来週から始まる11月定例市議会には、さまざまな立場の市民や市民団体からいくつかの陳情が出される見込みです。今日も市内の団体から陳情書を提出したとして、参考資料をいただきました。

 

このテーマが、11月議会の大きなテーマの1つになることは間違いないでしょう。

日本共産党岡山市議団からは、林潤議員が個人質問でこのテーマを取り上げて、市当局と論戦する予定です(質問日程は12/1以降にお知らせします)

 

党市議団としては、どれかの案に絶対賛成とか絶対反対とかいう立場ではありません。

先日、岡山市長に提出した団の2016年度予算編成要求では、以下のように述べています。

(都市整備局関係 第5項)

5.路面電車の岡山駅前乗り入れについて

(1)広く市民全体を巻き込んだ議論を行ってから決定すること。

(2)費用対効果を示すこと。

(3)市民ニーズの高い環状化や延伸も検討すること。

 

これまで、党市議団はほぼ毎回このテーマを取り上げて市の姿勢をただしてきました。東議員や林議員が、「現在はどういう性質の利用者がどれぐらいいて、それぞれの検討案でどれがどれぐらい増えると見込むのか」「誰にとってメリットのあることなのか」「費用対効果などの数字を示さずに検討をすすめるべきではない」「案内表示の改善充実などもっと費用が少なくても目的を達成できる別の方法があるのではないか」などと質問してきましたが、当局からは「総合的に検討」などとあいまいな答弁しか出てきませんでした。

 

また、全市民的な議論が必要ということも繰り返し求めてきましたが、検討会すら前回開かれた3月からほぼ8か月開かれないまま、第4回を開いたら市長が発表した後ということで、乗り入れ案自体には賛成だがもっと丁寧な議論をと発言した委員もいたとされています。さらに、何人かの委員からは異論や反対の意見が出され、今議会に提出される陳情の中にも、今回の平面乗り入れ案決定に反対や撤回を求めるものがあると仄聞しています。

発表では費用対効果の数値も示されましたが、その根拠の妥当性などもこれから検証していかなければなりません。

 

もっと言えば、岡山市全体で考えたとき、本当にこのことがいまの岡山市政のお金の使い道の順位の上の方に来るべきことなのか、ほかにより優先すべき課題があるのではないか(たとえば福祉はどの分野でもこれまで以上に注力が必要です)、「駅前乗り入れ」など単独課題を先に結論出すのではなく、地域交通全体を見据えた議論と計画づくりが先ではないかなど、乗り入れ案自体のメリットデメリットや賛否を超えた視点と議論も必要です。

 

いよいよ週明け30日からは11月定例岡山市議会。個人質問は4日からです。

共産党市議団としてもしっかり準備をして気合を入れて臨みます。

議場での傍聴、インターネットやケーブルテレビでの中継など、さまざまな議員と市当局のやりとりにぜひご注目ください。

 



コメント2通 “路面電車駅前乗り入れ計画案 ~11月議会の大きなテーマに”

  1. 公共交通ファン 15年11月30日 11:24:06

    公共交通を重視する共産党がなぜ、路面電車の駅前乗り入れに慎重な姿勢を示すのか?岡山市議会議員団の姿勢には疑問に感じます。

    岡山駅前電停は「駅前」と名乗りながら、駅から200メートル余も離れていて、利用者にとって使いにくい現状があります。駅前広場に乗り入れが出来れば、利便性は格段に向上する事は、岡山の隣県である広島のJR横川駅における広電の乗り入れ事例を見れば明らかでは無いですか?

    公共交通を重視した街づくりを提唱するRACDAも今回の駅前乗り入れを高く評価しています。

    https://www.facebook.com/masao.oka1/posts/909198635839870?pnref=story

  2. 市議団事務局(東田) 15年11月30日 19:33:19

    >公共交通ファン 様

    コメントありがとうございます。

    現在の終点を駅前広場まで延ばせば利便性が向上するというのは、おっしゃる通りですね。
    また、路面電車そのものについては、環境影響や交通政策の面などで優位性が高く、今後拡充させていくべき交通手段の一つだと私たちも考えています。

    私たちが現時点で慎重な態度を取っている理由は、ブログ本文に述べたとおりですが、あらためて整理すると、
    ●どういう利用者の利便性がどれだけ向上し、その費用対効果はどうなのか、まだ十分明らかになっていない。
    ●全市民的にはどうなのか、広く議論できているとは言えない。
    ●路面電車に限って考えても延伸化や環状化など多面的な課題を検討すべき。
    ●そもそも『まちづくり』や『交通体系』の全体の議論のうちの1つとして考えるべきではないか。
    ●岡山市政にはさまざまな重要課題があり、その全体の中で政策の優先順位を考えるべき。
    などです。

    検討会でも「利便性の向上」の先例の1つに、広島のJR横川駅や高知などが挙げられています。
    広島の市電は、総延長が岡山に比べて非常に長く、路線も複数あって、広島市民にとっての基幹交通の1つです。JR横川駅前からは2方面に出ており、さらにその先で乗り換えることで広島市南部の各エリアに行くことができるものです。また、高知の市電も総延長がとても長く、多くの市民に利用されています。
    これらの事例を直ちに岡山市にあてはめるには条件が異なると、大森市長も認めておられます。利便性向上をめざすのであればこそ、延伸や環状化などと一緒に考えるべきでないでしょうか。

    最後の点に関して言えば、今月発表された「平成27年度岡山市市民意識調査」で、「これからの市政の大きな方向性として、どんな分野に力を入れるべきか」との問いの回答は、多い順に「健康・医療・福祉」「教育」「安全・安心」「子育て」となっています。岡山市の財政は一部に好転の兆しもあるとはいえ、限られた財源の中で、これらの市民ニーズにきちんと応える施策を進めていかなければなりません。こういった市政全体をしっかり見据えた議論も、市議会議員の責務だと考えます。

    RACDA(NPO法人公共の交通ラクダ)のみなさんとは以前から折に触れて意見交換などしています。講師に招いて先進例を学ばせていただいたこともあり、RACDAの20年に及ぶ調査研究と知見の蓄積はとても大切なものだと、あらためて感じているところです。つい先日も、陳情を提出された役員の方と意見交換をし、新しく教えていただいたこともあって、とても参考になっています。

    今回は、貴重なご意見をありがとうございます。市民の間に多様な意見や考え方があることをあらためて感じているところで、いただいたコメントも大切なご意見として受け止めます。
    日本共産党岡山市議団としては、広く市民的な議論を丁寧に進めていき、岡山市民全体にとってためになる政策決定がなされるよう、引き続き重視して取り組んでいきます。

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