「マイナンバー」カード無くても支障ないことが明らかに ~林じゅん議員の質問で
市議団事務局(東田) 15年12月10日
10日の個人質問で団の林じゅん議員が2人目に登壇し、岡山市長期構想(仮称)、路面電車駅前乗り入れ、マイナンバーの3つのテーマで当局と論戦しました。
林じゅん議員は、他の計画とは性質や重要性が異なることから、シンポジウムなど市民と話し合う場をつくっていくことなどを求めました。また、「3つの将来像」に「福祉」という文言が途中で消えたことを指摘して、市の考え方をただしました。
市は、この期に公表された市民意識調査の結果を示しながら、「“変化を実感したい”という市民の意識に応える、住みやすさや安心感と都市ブランド」「審議会でより前向きな表現として『健康』を打ち出すことが議論されたもので、10の柱に『福祉のまちづくり』を掲げている」などと答弁しました。
長期構想は、来年度から10年間の最も基本となる計画で、基本政策審議会での議論を経て「素案」が公表され、パブリックコメント(~1/5まで)が取り組まれているところです。市民が「私たちの計画だ」と感じられるよう、策定までの過程で多くの市民が関われるようにするとともに、子育てや教育、福祉など市民ニーズの高い施策が十分盛り込まれるようにしていくことが大切です。
路面電車の岡山駅前乗り入れ問題では、林じゅん議員は初めに「共産党市議団は、市内公共交通の整備は必要で、車優先のまちづくりから転換していくべきと考えている」ことを明らかにしました。
その上で、なぜいま駅前乗り入れだけが具体化しているのか地域住民や市民に理解されていない、高知・広島・熊本などとは路線延長や延伸、乗降客数など規模や状況が異なること、乗り入れによって新たにどんな人がまちなかを回遊するのかの検討が進んでいないなどの課題を指摘しました。
さらに、策定中の長期構想などからみても、市全体の公共交通体系や各地域の交通網の整備などを総合的に検討する中の1つとして議論すべきではないかと述べて、市の考えをただしました。
当局は、「地元町内会には7月と10月に説明会を開いたが、案がまとまる前の時期でもあり、施策の実施については理解を得ていない」としつつ、「高齢者などの利便性向上と回遊性向上は喫緊の課題」「まずは駅前乗り入れを進めて、その次にさまざまなことを検討していく」と答弁しました。
今議会には路面電車駅前乗り入れに関して16件の陳情が出ており、このことからも市民の間にさまざまな意見があることがうかがえ、「乗り入れありき」ではないフラットな議論を進めていくことが必要です。
林じゅん議員が、「市がマイナンバーを使う業務にはどんなものがあるか」「市民にとって個人番号カードがないとできない手続きはあるのか」などとただしたのに対し、市は「マイナンバーが記入されていなくても手続きはできる」「個人番号カードがなくても困ることはない」と答弁し、カードの申請をしなくても市民生活に不都合はないことが明らかになりました。
また、虐待を受けた児童やDVの被害者のマイナンバーを虐待した側が把握しているリスクや、国が導入を進めている「顔認証システム」でも悪意ある成りすましを完全に防ぐことはできないことなどが、質疑の中で明らかになりました。
通知カードの配達完了自体が越年するとみられ、岡山市内でも誤配達が発生するなど、1月に安全・安心に開始できるとは到底言えない事態です。共産党市議団は引き続き、制度の廃止を国に求めていくこと、岡山市で利活用を拡大させないことなどを求めていきます。