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日本共産党 岡山市議団

【資料】 質問原稿 2015年11月議会(12/10東つよし)

15年12月11日

151210東原稿(確定版)

 

1 TPP(環太平洋経済連携協定)について

(1)市として影響調査と態度表明を

10月5日に大筋合意されたTPPについて、政府は「国益にかなう最善の結果」と言っています。しかし決してそんなことは言えない経過と内容だと考えます。

2013年に上がった国会決議では、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の重要5品目はTPP交渉から「除外又は再協議の対象とすること」としています。しかし3割の品目で関税撤廃、それ以外も関税引き下げが合意されました。また国会決議では情報公開について「国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること」とされているのに、大筋合意の正文は英語、スペイン語、フランス語であり、日本語の正式な訳文はありません。さらに交渉の経緯は4年間秘密になっています。国会決議を守っているとはとても言えません。

薬の値段が高いまま維持され、ジェネリック医薬品の普及が妨げられるということも懸念されています。合意されたISD条項というものは主権を脅かすものです。エクアドルでは環境破壊をおこすアメリカ企業に対し、地方政府が環境規制をかけたら訴えられ、多額の賠償金を払ったという例があります。地方自治体が必要な規制をつくることよりも、もうけが優先される経済ルールなのです。

食の安全も脅かされます。遺伝子組み換えやポストハーベスト、成長ホルモンを用いた肉の表示がされなくなるおそれがあります。また輸入食品でも48時間以内に国境を通過させねばならなくなります。現在は検疫などで平均92時間かかっているので大幅短縮されることになり、安全性が遠のいてしまいます。アメリカの要求のままに、なんでも明け渡すことは国民にとってマイナスにしかなりません。

一方、輸出が増えるといわれた自動車は、譲歩に譲歩を重ねた結果、アメリカへの輸出の関税撤廃は40年後です。東京大学大学院の鈴木宣弘教授の試算によると、当初政府が言っていた2.8兆円プラスの予測は、大筋合意の中身で計算すると4千万円のマイナスになるということです。

TPPは大筋合意がされましたが、協定調印や国会の承認はまだ先です。TPPからは撤退し、日本の産業、農業を守り育てることが必要だと考えます。

TPP参加による影響について、政府は対策を発表しましたが足りるのかどうか、打撃をうけるところに届くのか分かりません。一方、「大学教員の会」が加工や輸送を含む農林水産関係は11.7兆円の減、岡山県では1632億円の減少と試算を出しました。岡山市でも大打撃になりかねません。

質問ア:市産業への影響をつかむ必要がないでしょうか。

質問イ:薬価の高騰や、ジェネリック医薬品の普及が妨げられることが予測されます。岡山市国保財政への影響をどう予測するでしょうか。

質問ウ:地方自治体から反対の声を上げる必要があります。岡山市としてなんらかの態度表明が必要ではないでしょうか。

 

(2)農産物の消費拡大策について

TPPの打撃に対して、岡山市としてできることがないかと考えます。今まで私は米粉の活用や、朝日米の消費拡大など質問してきましたが、今回飼料用米の消費先確保と安定供給についてお伺いします。ある事業所は県内で取れる飼料用米の半分、約三千トンを牛、豚、鶏卵用の鶏に与えています。トウモロコシを与えた鶏卵とくらべ、飼料用米は黄身の色が薄くなるという問題もクリアして、お店では「産直コメタマゴ」と銘打って商品化しています。これからは、豚の飼料の5割を県産の飼料用米に置き換え、特別な産直豚として売り出すということです。利用者には県産の飼料用米を使う意義を繰り返し伝え、消費を増やすようにしているということです。もちろん売り場にも県産の飼料用米で育てたと説明のPOPがついています。TPPで食の安全が脅かされる中、安全な畜産物を供給する業者が増えてほしいと思います。

なお、使われている飼料用米のうち県南で生産されるものの多くはアケボノという品種です。アケボノは収量が多く、主食用として生産されている実績もあります。飼料用米の拡大は独自の岡山ブランドにできる可能性を持つのではないかと考えます。安定的な消費先の確保で市内の水稲農業を守ることができるのではないでしょうか。

質問ア:飼料用米の消費拡大と安定供給策はどうとられているでしょうか。 質問イ:岡山の飼料用米を用いた畜産物のブランド化を検討してみませんか。

 

2 学童保育(放課後児童クラブ)について

(1)放課後子ども教室との関わりについて

今年度から子ども子育て新制度が始まり、岡山市でも「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」に係る条例が施行されています。学童保育の条件整備に期待をしています。一方、国は放課後子ども総合プランに「全ての小学校区で、放課後児童クラブ及び放課後子ども教室を一体型又は連携して実施する」と盛り込み、岡山市では11月4日に子ども子育て会議第1回放課後児童クラブ部会で協議が行われました。学童保育は共働き世帯などの児童が対象で、資格をもった支援員などによって毎日、夏休みも運営されています。放課後子ども教室は、対象が全児童で担い手は地域のボランティア、特に毎日やるものではありません。そもそもの役割が異なっています。岡山市では小学校区ごとに地域が運営するクラブが85あり、放課後児童クラブ部会でうたわれた「『小一の壁』の打破」という目的には学童保育そのものの充実が一番適切だと考えます。

政令市の中では、放課後子ども教室に相当する活動を学童保育の支援員に負わせて、本当に保育が必要な子どもに力を割けない歪みが生まれているところがあります。一体化の名のもとに岡山市で同じことをやってはいけないと考えます。

質問ア:岡山市は放課後子ども教室に保育を行わせる方針を持つということでしょうか。

質問イ:放課後子ども教室は市内現在33教室で、今後増やすということですが、開設にむけてどんなとりくみを行うのでしょうか。その場合、市当局においてはどこが責任を持ち、放課後子ども教室の受け皿はどなたにやってもらうのでしょうか。

 

(2)校舎耐震工事の際の施設のありかたについて

岡山市内において、学校校舎の耐震化がすすめられています。先日、校舎内に施設のある学童保育で話をうかがいました。

現在耐震工事中の小学校校舎内に施設があるクラブは、教室と同じように周囲に足場が組まれた状況で子どもをあずかっています。授業中は大きな音が出ることはそうないのですが、授業が終わりクラブに子どもが集まるようになる時には大きな音がなりだし、停電や断水になったこともあります。夏休み中にも学童保育は行われますが、とても良好な保育環境が維持されているとはいえないと考えます。実態をつかみ、耐震工事中、校舎内に施設があるクラブは校舎外に施設確保を検討する必要があると考えます。

質問ア:耐震化工事の際、校内に施設がある学童クラブの実態を市としてどうつかんでいるでしょうか。

質問イ:校舎内に学童クラブの施設をもつ校舎の耐震化計画を立てる際、別に施設を確保することを計画に入れられないでしょうか。

 

(3)保育環境の改善について

市内小学校区ごとに地域で運営されている85の学童クラブでは、それぞれ活動を積み上げてきた一方、支援員の待遇や保育の中身がまちまちであるという課題があります。一つ一つのクラブの現状から出発した保育のあり方や支援員の待遇の底上げを求めます。

質問ア:支援員の希望する働き方には現状でいろいろ違いがありますが、新卒の人が職業として選べる水準の確保は必要です。どうすすめるでしょうか。資格取得の補助が検討できないでしょうか。

質問イ:会計アドバイザー、活動アドバイザーを派遣され、平成31年度末までに改善を進めるということです。成果と課題はどうなっているでしょうか。

質問ウ:小1ギャップの解消という点では、土曜保育、最低18時までの保育が必要と考えます。課題は何でしょうか。

質問エ:学童クラブの補助金について、施設の単位を分割した場合に単位ごとに補助金を交付する、国の示す計算方法にできないでしょうか。

質問オ:教育長におたずねします。放課後子ども総合プランでは、学校施設の活用にあたっての責任体制の明確化として、主体が学校でなく教育委員会、福祉部局等と明らかにされました。今までと変化があるでしょうか。

 



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