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日本共産党 岡山市議団

【資料】討論原稿・議案 2015年11月議会 (151217東毅)

15年12月17日

151217議案討論東(確定版)

 

みなさんおはようございます。日本共産党岡山市議団の東つよしです。委員長報告に反対する立場で討論に立ちます。反対する議案は以下の3つです。

甲第206号議案 平成27年度岡山市一般会計補正予算(第3号)について

甲第213号議案 岡山市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の制定について

甲第215号議案 岡山市市税条例等の一部を改正する条例の制定について です。

 

甲第206号議案で反対する部分の一つは、歳入第22款第10項雑入第6目雑入第10節教育費雑入の頑張る学校応援事業収入700万円と、歳出第10款教育費第1項教育総務費第5目事務局費中、教育支援充実費に関わる700万円です。

これはがんばる学校応援事業にかかわる歳入と歳出です。事業の目的は優良実践校のとりくみを伸ばし、全市的に広げていくとされており、今年は7校計700万円にのぼりますが、教育の問題を解決するどころか学校間の格差を広げ一層の困難を持ち込むものであり、賛成することはできません。

7校という数は、県との協議でまず数を決めたということです。県のかかげる事業目的は、多くの教育課題を抱えながらも真摯に努力し、落ち着いた学習環境の確保等に成果を上げている学校のとりくみを応援するということですが、実際は割り当てられた数だけ選定する形なのです。今年度県下で選ばれた数は30ですが、選ばれた学校が、県の基準の上位30校に入っているのか、はたまた選ばれなかった学校は県の基準の上位30校に本当に入っていないのか、もともと判断しようがないしくみです。

お金の使い道の多くはタブレット等の最新鋭のIT機器の購入です。優良実践校のとりくみを伸ばし、全市的に広げていくと言っても、他の学校は別に新たな予算がつくわけでないので、差が広がるばかりです。

教育現場の問題解決に必要なのは人の手です。「パソコンよりも人が欲しい」などの声をうかがいます。100万円は人件費に使えません。本当に教育の問題解決に取り組むなら、モノより正規の先生やスクールソーシャルワーカーを各校に配置することが必要であると考えます。100万円で競わせることよりもどこの子もわかる教育環境を整備することが求められます。

そもそも「頑張る学校」にはいらなかった学校ががんばっていないのか。そんなことはありません。しかし頑張る学校応援事業は、頑張った学校とそれ以外の学校という線を引き、お金で差をつけることになります。生徒にとってあまりに教育的でない扱いではないでしょうか。学校を地域で応援する人の元気を削ぐことにならないでしょうか。

以上の理由で頑張る学校応援事業に関わる補正予算に反対します。

 

甲第206号議案で反対するもう一つの部分は、一般会計歳出第3款民生費第10項児童福祉費第16目認定こども園費中の認定こども園整備費3170万円と、繰越明許費補正第3款民生費第10項児童福祉費幼保一体化整備事業3170万円、地方債補正の保育園・幼稚園一体型施設整備事業費充当2520万円です。

これは伊島認定こども園(仮称)に関わる補正予算です。耐震性の不足している伊島幼稚園を建て替えて、伊島保育園との合築で認定こども園をつくるというものですが、300人入ることができる幼稚園と、70人枠の保育園を合築してできるうけいれ枠は、240人と大幅減少です。耐震化にかこつけて保留児解消に逆行する政策をすすめるのはおかしいのではないでしょうか。またもともと名目は耐震化予算としてでなく、保育園・幼稚園一体型施設整備として計上されているものです。

「施設配置計画における岡山市の考え方」によれば、「北1」と呼ばれる伊島、津島の教育保育提供区域では、市立の認定こども園にする対象は伊島幼稚園の一園というのが市の計画です。伊島保育園はこども園の対象ではありません。しかし補正予算では合築の対象にされています。

市内30の提供区域で市立園をそれぞれ1園残し、他は廃止民営化という計画について議会では様々意見が出されました。私も大問題だと考えます。当局は計画の変更はないと答弁しながら、一方ではこの補正予算で明確な説明なしに政策の変更をやろうとしているのです。こんなやりかたを認めるわけにはいきません。

 

合築されると「施設配置計画における岡山市の考え方」では存在していた、こども園化した伊島幼稚園と、70人入ることのできる伊島保育園が共存する可能性はなくなります。子ども子育て会議や議会に市が示した計画と、実際に市が行う政策が違っているわけです。耐震化が必要な園舎には、市は単独で耐震化を行うとしています。いつか民営化することがあったとしても、伊島保育園を残すことを前提にして耐震化を行うべきと考えます。未入園児の解消に本気で取り組むなら、今の市の方針の枠内でも行える政策です。

 

認可保育園は、児童福祉法第二十四条で保育を必要とする子どもは保育所において保育しなければならないと定められています。これと異なり認定こども園は、保育を確保するための措置を講じなければならないという位置づけです。認可保育園には自治体による保育の責任が明確に定められ、それゆえにきちんとした人や広さの基準が定められております。働きながら子育てしようにも預けるところがないという現状を解決するためには、認可保育園を増やすことこそが必要であると考えます。

 

以上の理由で伊島認定こども園(仮称)に関わる補正予算に反対します。

 

 

 

甲第213号議案甲第215号議案はともにマイナンバー制度に関わる条例案です。

14日、大阪府堺市で全有権者の約68万人の個人情報を流出させる事件が発覚しました。どれだけセキュリティに力をつくしても、情報流出を完全に防ぐことはできないと実感したところです。

 

マイナンバーについても情報漏えいの不安はぬぐえません。市から番号を知らせる「通知カード」が送られてきましたが、番号を関係ない人に知らせてはいけないという要らぬ義務を市民に負わせるものです。

「通知カード」は、受取人不在で手渡せないケースも続発し自治体に返送された通知カードは全国で500万通を超えるといいます。以前から指摘されていた問題でした。1月開始にこだわって強行した結果ではないでしょうか。ここ岡山市においても配達数32万通中、届かなかった不達は1万6千通で、このうち転居で届けられないものが5、6百通にのぼると言うことです。

住民票を変えずに特別養護老人ホームで生活する高齢者、DVから避難している人などへの手だても本人任せです。普及ばかりに力を入れる政府の姿勢は、国民のプライバシーを危うくします。

一昨日、厚労省は認知症などで個人番号が分からない場合、介護保険の手続きに番号の記載を免除する方針を通知しました。介護施設で暮らす場合、施設が管理することも認めるということです。実施の半月前に方針を出す泥縄的な対応で、結局マイナンバーの必要性はますます疑わしくなりました。

 

もともとマイナンバー制度は、国による住民監視の強化を行い、税の取り立てや社会保障の削減を狙ったものです。それにとどまらず、政府はマイナンバーの民間分野への利用拡大を狙っています。しかしひとつの個人番号を官民共通で広く使っている国はアメリカなど少数です。アメリカでは個人情報漏えいなどが大問題になっているのが実態です。日本が同じ轍をふむ必要はありません。マイナンバー差し止め裁判が提訴されるなど、国民の不安は広がっています。1月実施を延期して制度の危険性を検証・再点検し、廃止へ向け見直すことが必要であり、岡山市においてもマイナンバー制度のための条例づくりはストップすべきと考えます。

 

以上、反対討論といたします。議員各位の賛同をお願いいたします。



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