岡山市は介護の実態も地方自治の基本もわかっていないのか!? ~3/10東つよし個人質問
市議団事務局(東田) 16年03月10日
10日の個人質問で林潤議員に続いて登壇した東つよし議員は、①妊産婦への支援、②介護保険(総合事業、今後の改悪など)、③公共交通(移動権の明記、路面電車乗り入れ案の再検討)の3項目で市と論戦を交わしました。
妊婦や出産後の母子に対する支援では、東つよし議員は訪問や相談に乗るのは専門家だけに限るよう求め、当局も現在の保健センターでは保健師、新年度に設置予定の支援窓口では助産師が相談にあたると答弁しました。一方で、相談窓口の周知には難しさもあることが説明され、検討していくと述べました。また、東つよし議員は、鳥取などの先進例を示しながら、産後ケアを低負担で利用できる制度の創設を求めましたが、当局は「自己負担必要」と述べるにとどめました。
介護保険の問題では、東つよし議員はまず、昨年8月の負担増について、月9万・年100万円以上負担が増えたケースや、負担激増のため結婚49年で離婚を選ばざるを得なかった例を示し、市の認識を問いましたが、市は「平等性の観点から」必要と、従来の答弁を繰り返し、実態調査も行わない考えを示すなど、市民の生活実態に背を向ける態度に終始しました。
また、2016年度から開始される総合事業について、要支援の人たちが現在の介護保険サービスではなく自治体ごとのサービスに移行することについて、問題点をただしました。自治体ごとのサービス=緩和サービスでは、これまでの介護の専門職が担っていたサービスをいわば介護の素人が担うことに「緩和」されます。そして、事業所はこの「緩和」されたスタッフを使わなければ収入減・負担増になります。東つよし議員はこれらの問題点を指摘し、岡山市に制度をきちんと認識して対応するよう求めましたが、市は独自対応する考えはないことを答弁しました。このやりとりの際、保健福祉局長は「市町村は国の意図通りやっていくことが仕事」と答弁し、介護の実態だけでなく地方自治の基本すらわかっていないことを露呈しました。
公共交通の課題では、東つよし議員はまず、生活交通を新たな交通計画にきちんと位置付けるよう求めましたが、当局は「生活交通は、まず地域住民の自主的なとりくみが必要」として、市が率先して地域の交通課題をあきらかにしたり、対策立案を主導することに消極的な姿勢を示しました。
路面電車の駅前乗り入れ問題では、市が検討委員会に示した図面が誤っていたことについて、導入可能性を一から考え直すべきと求めました。また、訂正された図面では、岡山駅前から東方向に3車線分ある一方、交差点を東進した先の直進は2車線しかないことを指摘し、考えをただしました。市は、訂正した図面で検討を続けていくことに問題はない、車線の課題は県警と協議していく考えなどと答弁しました。