国保ロングラン宣伝に市議も参加 「払える国民健康保険料に引き下げてほしい」 切実な声を市に届けよう
市議団事務局(東田) 16年10月12日
みなさんが加入している「健康保険」は何ですか?
「ア〇〇ック」とか「〇〇生命」とかは違います。それらは民間の保険ですね。
そうではなく、病院にかかるときに持っていく保険証のもとになる公的な(=健保組合や市町村が運営している)医療保険のことです。
この健康保険の1つに75歳未満の退職した方やパート・アルバイトなどで会社の正社員が入っている保険に入れてもらえない方、無職の方などが入る「国民健康保険(=国保)」というのがあります。
この「国保」に入っていれば、病院にかかるときには、窓口で支払うのは医療費全体の3割で済んだり、年1回の健診に補助があったり、出産やけがなどの際に給付があったりします。
ご自身が加入し、保険料を払っているという方や、家族の扶養として使っている方もいらっしゃると思います。
あるいは、さまざまな事情で入っていなかったり、保険証を取り上げられたりしていて、もしも病院に行ったら「全額自腹」になってしまう方もいらっしゃるかもしれません・・・。
この「国保」は現在、市町村が運営主体(=保険者といいます)で、そこの住民(=被保険者といいます)から集めた保険料+国などからの財政支援+自治体の持ち出し(=法定外繰入といいます)などを収入として、支出(=被保険者が使った病院代や薬代、健診代などの費用)をまかなっています。
他の健康保険には、例えばたいていの民間の会社員が加入する「けんぽ」や、大きい企業や自治体などは単独(または連合して)「〇〇健保組合」をつくり、その組合が保険者で従業員が被保険者という形のものがあります。
これらの健保と国保には、構造上大きな違いがあります。それは、なんでしょう?
1つは被保険者。それぞれの健保は従業員です。それに対して国保は退職後の人やパート、アルバイトなど会社の健保に入れてもらえない人が中心です。
そのことによって2つめ、主な年齢構成が変わってきます。健保の方は現役世代、国保は(全体には広いですが)高齢世代が多くなります。
さらにそこから3つめ、収入となる保険料が現役世代から集めるのと、高齢世代や非正規の方から集めるのとで違ってきます。
また4つめに、病院にどちらかといえばかかりにくいか、それともかかりやすいか、あるいは病院にかかったときに時間やお金がどのようにかかるかにも傾向の違いがあります。
こういった構造上の性質から、国保は、どちらかと言えば収入部分が弱く、支出部分が大きくなる傾向があります。
このため、国保には国からの財政支援と市町村の補てんが制度上あります。
けれども、国はこの数十年間財政支援をだんだん切り下げてきました。もともと1/2程度と言われていたのがおよそ1/4に下がっています。
一方で、高齢化、非正規化の進行で保険料収入が不安定になるとともに、治療や薬の発展により医療費支出の増加が続いています。
こういったことを踏まえて、全国の自治体は、それぞれの実情に応じた補てん(繰入)を行ってきました。
岡山市でもこの繰入を義務的なものとそれ以上に制度維持に必要なものとをあわせて繰入を行っています。
一方、岡山市の国保の保険料は、例えば夫婦と子ども2人の世帯で年36万円など、健保の約2倍で、とても重たい負担になっています。
岡山市の繰り入れと制度維持のさまざまな努力は、9年連続の保険料据え置きとなって表れており、全国的にとても優れたものですが、一方で「払いたくても払えない」という世帯も多く発生しており、現在ではおよそ15世帯に1世帯が保険料を滞納している状況です。
今日とりくまれた「国保ロングラン宣伝」は、「高すぎる保険料を引き下げてほしい」「そのために岡山市もがんばって」という署名を集めるキックオフです。
医療や福祉の前進を願う市内の団体や個人が結成している岡山市社会保障推進協議会が呼びかけている署名で、会員団体のみなさん方がかわるがわるマイクを持って訴えました。
日本共産党岡山市議団の河田正一、竹永みつえ、林じゅん、田中のぞみ、東つよし各市議も参加し、それぞれの想いを伝えながら署名を呼びかけました。
署名は来年1月頃までをめどに取り組み、市長に提出する予定です。
ぜひみなさんのご協力をよろしくお願いいたします。