12/6 河田正一個人質問 「国保料は健保の2倍、ぜひ引き下げを」
市議団事務局(東田) 16年12月6日
2016年11月定例岡山市議会で、個人質問2日目の12月6日、2人目の質問に立った河田正一市議は、①国民健康保険、②事業系ごみ、③御津虎倉産廃、④富吉新斎場の4テーマで論戦しました。
傍聴席は半分以上の席が埋まり、多くの市民が熱心に傍聴しました。
①国民健康保険では、岡山市の国保基金が35億円あり目安の29億円を上回っていること、それでも健保組合の2倍という高い保険料であることなどを示し、9年間据え置いてきた市の姿勢を高く評価しつつ、市民の暮らしに寄り添って、保険料を引き下げるように求めました。
答弁に立った市長は、「繰入額は、被保険者1人当たりの額で20政令市中5番目の高さ、県内では倉敷市の約3倍。このような状況の中で、医療費の増大などによる将来的な財政負担を考えると、給付と負担のバランスを取ることが喫緊の課題であり、保険料の引き下げをする状況にはないと考えている」と述べました。
国保に加入している人は、相対的に収入の低い人が多く、多子世帯の保険料も相対的に負担が重いことから、保険料の引き下げは必要です。
もちろん制度の維持には公的な支えが必要で、河田議員は国に対してもきちんと意見を言うよう求め、市も指定都市市長会で緊急申し入れをしたと述べました。
市に、市民の立場に立って国保料の引き下げを決断させるには、市民の大きな声を寄せることがとても大切です。今年も取り組まれている国保引き下げ署名などで市民の願いを示しましょう。
②事業系ごみでは、河田議員はまず、事業系ごみが増える傾向にあることを指摘して、市の認識と対策をただしました。市は、大規模や中小規模の事業者それぞれに減量化の指導や啓発を進めていること、排出ごみの中に再資源化できるものの混入割合が少なくないことから、分別徹底の指導などを強化していくなどと答弁しました。
また、一部のごみ収集業者が業者が処理場に持ち込んだ際の確認伝票に、数字や記入の不正常な点があることを指摘し、改善を求めました。市は、「2度計量について検討していく」と答弁しました。
③御津虎倉産廃では、昨年12月に市が設置許可を職権で取り消し、その後今年8月に業者が浸出水調整池を約2倍に大きくした修正計画を出し直したことを踏まえて、業者の資料や市の手続きの進め方などについての問題点で、河田議員と環境局長との間で論戦が交わされました。
河田議員は、周辺環境への影響を調査した環境アセスについて、前回調査以降に周辺地域でオオタカ(準絶滅危惧種)、ブッポウソウ(絶滅危惧種として環境省レッドデータブック掲載)、ナガレホトケドジョウ(県の絶滅危惧1B指定、本州生息地の西限と確認)などの生息が確認されたことを紹介し、環境アセスのやり直しは必要だと指摘しました。
また、業者の浸出水の計算の考え方に誤りがあると指摘し、独自の試算も示しながら、市の見解をただしました。
市は、環境アセスの内容や浸出水の計算方法、関連施設の運転計画などについて、改めて専門家の意見を聞く考えを示しました。
客観的で中立公正な専門家を選定し、市から十分な情報を提示して、きちんとした意見を聴取することは最低限の前提です。
④富吉新斎場では、今年8月と9月に行った溜まりガスの調査結果について、可燃性ガスの一種であるメタンガスの測定濃度が短期間に0.0018%から4.3%まで急上昇していることなどが議論となりました。
河田議員が「わずか10日ほどの間に数千倍にあがっている、ガスがいまだに発生しているということではないか」とただしたのに対し、当局は「産廃跡地として土地は安定しており、ガスの継続的な発生はない」と平行線でした。
傍聴席を埋めた多くの市民の関心事でもあり、当局にはしゃにむに推進せず、客観的な調査と検証をきちんと進め、さまざまな意見を持つ住民との丁寧な意見交換が、これからも求められます。