御津虎倉の産廃 建設を許可 岡山市は環境行政を業者いいなりにゆがめていないか?
市議団事務局(東田) 17年08月8日
岡山市は8日、株式会社西日本アチューマットクリーン(アチュ社)が岡山市北区御津虎倉に建設を計画している産業廃棄物処分場の建設計画を許可しました。
2015年には、アチュ社が住民から訴えられていた民事訴訟で敗訴し、建設差し止めの判決が確定していました。その後、岡山市は、同年12月には建設許可を「職権取消」し、2016年8月にアチュ社が内容を一部変更して出しなおした計画を審査していました。
通常ありえない「職権取消」や、再審査を手続きの途中から始めたこと、10年以上前の環境影響評価がそのまま使われたことなど、「許可ありき」で業者の意のままに審査を進めたのではないかと疑われるほど、不自然な点が数多くある審査でした。
建設計画地は、岡山市の主な水源である旭川に流れ込む支流の上流に位置し、オオタカをはじめ希少な動植物が多く生息する自然豊かな山中です。そこに巨大な産廃処分場をつくることは、岡山市民の安全・安心や岡山市の環境を大きく損なうものです。
地域住民がやむにやまれぬ思いで裁判に訴えたことや、議会でも何人もの議員が何度も取り上げて、市に再考をうながしてきましたが、これでは、岡山市は、住民や環境を守るためにではなく業者のために環境行政をゆがめているといわれても仕方ないのではないでしょうか。
大森市長はこの4年間、繰り返し「市民の声をきく」と言い続けてきましたが、実際にやっていることはその反対で、強引な市政運営を進めていることが、ここでもあらわになりました。
市議団は引き続き、水源地や豊かな環境を守り、公正な行政を願う市民のみなさんと力を合わせて、産廃処分場建設阻止のために全力で取り組みます。
住民の粘り強い運動で、最高裁で建設差し止めを確定。市が許可したことの是非を問う行政訴訟でも最高裁が口頭弁論を開くと決めたとたんに岡山市は「職権取消」し、業者に再許可を約束したうえで上申書を出させるという裏技を使いだされたのが今回の「許可」ではないか。
しかも、岡山市は今回の「許可」を出したことについて、マスコミ発表はしないとして、市民が関心を示してきたこの問題を広く知らせることに消極的な態度です。
産廃阻止同盟は、弁護団と早急に打ち合わせをして今後の対応を決めます。