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日本共産党 岡山市議団

【資料】 2017年11月議会 河田正一個人質問 原稿

17年12月11日

河田正一質問原稿印刷用(171211)

 

(質問全文)

1 大規模太陽光発電施設について
北区足守、大井、粟井にまたがる大規模太陽光発電計画は、敷地面積1,860,600㎡に交流出力6万KW(60MW)、パネル設置数235,400枚を設置するものです。
環境省の資料によると、5万KW以上の施設は5施設が稼働、未稼働は12施設(2016年3月時点)です。即ち、日本有数の巨大施設計画です。
再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な国産エネルギーです。とりわけ、「晴れの国岡山」の特性に合っているのが、太陽光発電で、地球温暖化対策の観点からは望ましいことですが、メガソーラーのような地上設置型の大規模発電施設においては、地域の自然環境・生活環境や景観等への影響について懸念されるケースが見受けられることから、環境省は2016年4月、「太陽光発電事業の環境保全対策に関する自治体の取り組み事例集」を公表しました。
大規模太陽光発電施設の導入の特徴は、日当たりの良い立地であれば、場所を選ばない。土地を大面積にわたって被覆する。そして影響が想定される主な環境項目として、①パネルの廃棄②動植物・生態系③景観④生活環境⑤水象⑥地形・地質が挙げられています。
こうした懸念から、面的開発事業に対する環境影響の回避・低減等の事前の環境への配慮を求める制度として、条例に基づく環境影響評価手続きを実施するように推奨しています。
また、今年3月には「事業計画策定ガイドライン」(太陽光発電)を資源エネルギー庁が出しています。これは太陽光発電を推進する立場からもFIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)による業者が遵守すべきことをまとめました。
その中にも、「土地や地域の状況に応じた防災、環境保全、景観保全の観点から適切な土地の選定、開発計画の策定を行うように努めること」が謳われています。
質問します。

ア 計画地の多くの直下流が土石流の危険地域です。住宅が多く存在しています。保水力のある森林を伐採して、基礎のコンクリートやパネルで被覆すると、流出係数は大きくなります。流出係数はいくらになるのか先の議会で尋ねたが、県が審査するとして、回答を避けました。森林法によると、開発許可権限は県にありますが、関係市町村長の意見聴取を行うことになっています。岡山市として、意見具申をするときには防災上の観点から適正かどうかの判断を独自には行わなければなりません。その時は県の判断を鵜呑みにして、市の独自検討は行わないのですか。
イ 10ha以上の開発には岡山県自然保護条例第34条で、県は事業者に自然保護協定の締結について協議を求めることができます。また、同条例施行規則(第2条)で市町村と事前協議を行うことになっています。市に対して事業者からの何らかの接触はありましたか。
ウ 岡山市は、環境省の出した「太陽光発電事業の環境保全対策に関する自治体の取り組み事例集」についてどのように受け止めていますか。
防災、景観などの課題以外にも、住民の生活環境、進入路、工事に伴うトラブル、パネルの廃棄等について、住民の不安は多大なものがあります。岡山市として「太陽光発電施設の適正導入ガイドライン」を早急に策定すべきではありませんか。
エ 「岡山市環境影響評価条例」を今年度中に制定しようとしています。しかし、施行は2年以内、更に施行までに計画されたものは対象にならないようです。現在進行中の事業計画は、岡山市環境影響評価条例を潜り抜けます。このような事案にはどのような対応が考えられますか。

2 産廃について
(1)西日本アチューマットクリーン管理型産廃
今年8月に岡山市は西日本アチューマットクリーンの管理型処分場の再許可をしました。この処分場は、2015年7月に最高裁で建設差し止めが確定しています。
質問します。

ア 裁判でこの業者がこの場所で同じ産廃処分場を建設することについて、「平成25年(ネ)第24号産業廃棄物処分場建設差し止め請求控訴事件」の確定判決との関係で岡山市はどのように考えていますか。
イ 中間処理施設の焼却炉も建設差し止めの判決が出ています。裁判の判決は無視しても岡山市が再許可したものは建設許可が優先すると岡山市の弁護団は言っていますか。

(2)エヌエス日進安定型産廃
今年4月、岡山市は御津虎倉のエヌエス日進の産廃処分場建設を許可しました。地元同意書は18年前のもので、同意した人はいずれの方もなくなっています。当時の計画図面は現存していません。それでも、岡山市は同意書の地番は現計画地と一致している。当時と変わったことはないので問題ないとして、許可を下ろしました。
質問します。

ウ H11に御津町長と業者が交わした「公害防止協定書」第6条の、「この協定締結後は処分場の拡張は認めない」という文言はどのように解していますか。
エ 計画地の御津虎倉字中尾谷2149番~2155番の7筆は、砂防指定地として登録されているのではありませんか。
オ 砂防指定地は法律に基づき危険区域が指定され、一定の行為が制限されます。土地の掘削、盛土など、土地の形状を変更する行為は制限されます。
「砂防指定地内で、土石等又は鉱物の堆積または投棄には、あらかじめ、知事の許可を受けなければならない。」と岡山県砂防指定地等管理条例に決められていますが、産廃物を堆積することはこの条例に言う堆積物には該当しませんか。
カ この産廃場計画を審査するにあたり、砂防指定地を県知事の許可を得ない段階で申請された建設計画をどうして許可したのですか。

3 都市再開発と地域交通について
(1)都市再開発
全国各地で「国土形成計画」(2015年)にのっとり、競って再開発が行われています。中でも首都圏では、リニア新幹線沿線に形成される人口6千万人の超巨大経済圏、「対流型国土」形成の中心エリアとしてスーパー・メガリージョン構想が進んでいます。さいたま市大宮と東京品川が滞留拠点とされ、東京駅周辺では大手町から兜町にかけて複数の連続する巨大再開発計画が進められています。八重洲では容積率を2200%に緩和して、390mなどの高層ビルが林立する計画です。
岡山市ではコンパクト化+ネットワークを掲げて中心部の市街地再開発計画が多く動き出しています。岡山市中心部において、現在12箇所の再開発が計画・進行しています。人口減少社会の到来はすでに日本全体で起こっており、岡山市でも2020年度をピークにして減少するとされています。
そうした中で、スーパー・メガリージョンによる更なる東京一極集中が行われるわけですので、岡山市中心部への他都市からの大量流入は考えられません。そうすると、コンパクト化が起こるとすれば、岡山市周辺部からの都心への移動となります。
質問します。

ア 市街地再開発計画に、岡山市としてどのようにかかわりますか。今後、岡山市が行おうとする都市計画のマクロ的視点でお答えください。
イ 2020年オリンピック以後の消費の落ち込み、2022年の都市緑地法の生産緑地が30年間の期限切れにより軽減税率が適用されなくなる問題でマンションの大暴落や土地の大量供給が三大都市圏等で起こるのではないかと業界で囁かれています。不動産の2020年問題、2022年問題とはどのような問題なのかについての説明とご所見を。
ウ 市街地中心部の再開発、高層化にともない、市内の中心部以外の地域への影響について、どのように考えていますか。

(2)地域交通
周辺部では高齢化・人口減少は現在でも顕著に起きています。これがさらに加速されることが懸念されます。周辺部が過疎になると、商店は閉店し、バス路線の採算はますます悪くなり減便・廃止につながってしまいます。買い物難民や医者にも行けない状態が加速します。
質問します。

エ 路面電車の駅前乗り入れによる利便性向上は否定しませんが、公共交通不便地域の解消に向けた施策のほうが市民生活にとって必要性は高いと思います。ネットワーク構築に欠かせない公共交通網の拡充にはどのように取り組みますか。
オ 灘崎迫川のデマンドタクシーは運行して1年が経過しました。1年間の利用者数、市の負担額を示してください。また、1年を経て、デマンドタクシーの地域交通に対する評価を示してください。

 

 

 



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