【資料】 2017年11月議会 竹永光恵個人質問 原稿
市議団事務局(東田) 17年12月12日
1 国民健康保険について
2018年4月から国民健康保険財政が都道府県化されます。
1)市民への説明はどうするのでしょうか?
2)7割の被保険者が所得200万円以下の生活をされている中、2割が滞納している実態です。加入者は限界です。一般会計からの繰り入れは、医療費適正化などの事業のために残すとのことですが、激変緩和のためにも払える国保料にすべきではないか?
3)子育て支援の観点から、多子世帯の保険料を軽減すべきではありませんか?
4)重症化、重大事態につながりかねない保険証の取り上げと、資格証の発行はやめるべきではありませんか?
5)市独自の4割減免制度は、リーフレットなどには掲載がありません。使える制度として啓発すべきではないでしょうか?
6)無料低額診療の薬代は減免になりません。ある病院の無料低額診療の対象患者は、複数の病気をかかえていて薬物治療がかかせません。薬代が払えないため薬局への未納が増える中、1か月の処方を自己調整し、三カ月後に薬局に来て何とか命をつないでおられます。見直して薬代も対象にしてはいかがでしょうか?
2 岡山市地域共生社会推進計画について
この計画は、誰もが住み慣れた地域で自分らしい暮らしを、人生の最初から最期まで続けることを目標に、高齢者、子ども、生活困窮者、障害者など分野別の縦割りから脱却し、分野を超えた支援体制を確立することが求められます、そこで伺います。
計画には「地域包括ケアシステムを全分野で実効力のあるしくみ」と掲げられており、具体的に相談機関の一覧を市民に配布するよう準備をしているだとか、縦割りをこえた連絡会議をひらくなどの答弁がこの議会でもありました。
1)この計画にある「相互連携により支援の流れを構築する」という内容を、具体的におこたえください。
2)計画の事例にも複雑な支援の必要なケースが掲載されていました。私のところにも、台風で家が半壊されていてご近所の方がのぞいてみると、一人暮らしの方が大変な状況になっているというご相談をうけたことがあります。60代の男性で1人暮らし、ライフラインが止められたごみ屋敷のような家で、布団のなかで発見されました。介護拒否がある中で、包括支援センターや民生委員さんにつないで入院、介護保険申請までつながりました。今後この方が、退院され在宅生活をのぞまれたとして、生活再建までの支援、地域での見守り、ごみ屋敷の解決、お金の管理などが必要になります。
このようなケースを地域共生社会の計画に基づき支援するとしたらどういうイメージで連携して支援することができますか?
3 岡山市第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について
第7期計画は、高齢者に関する保健福祉施策を総合的に、定型的に展開することにより、岡山市の地域包括ケアシステムを深化・発展させるとともに、地域共生の社会づくりの推進に重きをおいているとのことです。
そこで伺います。
1)今後、団塊の世代が75歳以上になる平成32年をピークに、高齢者が増加します。したがって給付費の増も避けられません。だからこそ健康寿命を延伸するために、介護予防が重要です。介護予防センターは各区に必要ではないか?
2)地域支え合いの活動を進める体制作りの項で、支え合い推進員を各福祉区に配置させ、小学校区単位での地域支え合い推進会議の立ち上げを支援とあります。地域共生社会の制度との整合性や、役割分担はできるのでしょうか?この際、一緒に取り組むことはできないのでしょうか?
3)複数の現場から、生活困窮者で無保険や無年金などの方々がぎりぎりまで一人で頑張っておられ、倒れてから病院に運ばれるというケースが時々ある、とのことを伺いました。倒れてから成年後見人探しをする場合が多いので、有効に成年後見人制度を活用することが望まれます。第7期計画ではどう位置づけられて改善されるのでしょうか?
4)総合事業の緩和型サービスの評価は、新しいサービスの内容や効果が市民や事業者に理解されず、最適なサービス利用につながっていないと明記されています。それを受けて、緩和型の通所サービスの目標人数が今後三年間で+10人程度とされています。なぜスムーズに開始されていないのか?課題は何で、あまり増やさない目標をたてた理由はなぜですか?
5)特別養護老人ホームの待機状況調査では、3割が自宅で待機しており、主な介護者は5割が子どもとの結果です。
ア 自宅待機の方の実態をどう把握していますか?
イ あるデイサービスセンターで、それまで約1年特養に入居していた母親を、利用料支払困難のため自宅に引き取り、デイサービスで在宅介護をしていた息子さんが、約2か月で自殺をしてしまうというつらい事例を伺いました。在宅生活を持続させる支援、経済的な状態の把握など、第7期にうたわれる地域包括ケアで、このケースの場合救われますか?
ウ 施設入居費で社会福祉法人が減免している制度があります。ある特養では、低所得者の入居支援のためのこの制度で、年間200万円近く持ち出しがあると伺いました。施設経営の持続可能と低所得者支援のため、市の助成分の割合を増やしていただきたいが、いかがか?
エ 待機者は減っているといっても、まだまだ待っている方がおられます。7期では小規模特養を2か所増としていますが、それでニーズにこたえることができますか?
オ 在宅生活維持のために、介護タクシーの利用制限の緩和を求めます。小規模多機能事業所では、事業所の車で通院介助はできません。また、訪問介護の通院等の乗降介助は、対象から要支援の方が外れています。条件や利用料の緩和を考えて頂きたいが、いかがか?
カ 介護保険料300円の値上げが示されています。我が党代表質問で、介護保険財政の中で計算をした結果の額になると答弁されました。高い介護保険料を引き下げるために、方法はないのか?一般会計からの繰り入れを禁じる法令上の規定も罰則もない中で、繰り入れや基金などの利用も含め、引き下げに知恵をしぼっていただきたいと思いますが、報酬など国の動きがはっきりするまでは答弁は同じということなので、ここでは要望とします。
6)80代の一人暮らしのBさんは、生保受給者で要介護2で認知症もあり、一人暮らしは困難です。一か月26日間のショートステイを利用し、6日間は自宅という生活でした。近所に住む孫が、通勤途中にパンやおにぎりを差し入れて、帰りがけに家に寄って、オムツ交換をするのが精いっぱいという介護状況でした。ある日ぐったりしているところを発見され、緊急入院となりました。介護保険サービスの上限を超えて、6日間の在宅を余儀なくされています。自己負担が困難な生保受給者に対し、ケアマネジャーがアセスメントしたプランなら、サービスを超える給付はできませんか?
7)複数の病院のソーシャルワーカーから、介護保険の未納が続き、納期期限内に保険料納付ができず、介護保険利用料3割ペナルテイとなるケースによく遭遇すると伺いました。生保申請をし、受給できる場合はいいが、対象外の場合は3割の利用料が払える方はおらず、結局介護サービスを使えないまま在宅生活を余儀なくされ、ネグレクト、孤独死などにつながっているのではないかとの意見を伺っています。
すべての方々への介護保障を、の観点でぺナルテイを解除するように国に求めるとともに、市として補助を出し、サービスを受けることができるようにならないでしょうか?
8)国は、介護報酬をあげる方向で議論されているとの報道があります。中身はインセンティブの付与で、自立支援や重症化の防止など、改善の度合いを評価しての付与ではないのか?今のところ知りえている内容をお知らせください。
4 子どもの貧困について
岡山市子どもの貧困対策推進方針がまとめられました。子どもの実態調査をしてほしいという要望を以前から申し上げておりましたが、この方針をまとめるにあたり、調査したのは支援者アンケートとヒアリングのみでした。子ども本人のみならずその保護者、家庭への支援が重要だということが明らかになったとまとめていますが、それだけなら、子どもの貧困が問題視された時点から全国的に言われていることで予測がつく結果だったと私は、思います。もちろん支援者の声も重要ですが、隠れた貧困の見える化には、もう少し詳細な実態調査が必要です。
子どもが置かれている実態と、その家族からきちんと実態調査をしている他都市では、困窮層の子どもに、健康状態が悪い、抑うつ傾向がある、自己肯定感が低い、受診抑制が多い、ワクチン未接種者が多いなどの具体的な因果関係と、保護者の就労実態や経済状態がわかり、課題を見出したうえで具体的な計画を立てています。
1)支援者アンケートとヒアリングのみで、岡山市の子どもたちの置かれている実態を把握できたとお考えなのか?これでは、貧困の見える化までとは言えないと思います。ご所見を
2)方針だけで計画を作らなければ、対策推進のチェックはできません。計画と推進体制とチェック機能はどうお考えか?
3)市内にも子ども食堂や学習支援をする団体が増え、市もネットワーク化のための会を立ち上げたところです。私もサポーターとしてかかわっている「さいさい子ども食堂」も開設1年が過ぎました。だいたい毎回40人~50人の子どもたちが来ています。
居場所づくりとしての位置づけなので、さまざまなニーズのある子どもが来ます。1年たって新たな課題としては、ボランテイアの継続的確保と養成、夜ごはんのニーズにこたえたい、やはり拠点がほしい、などです。このまま継続することも含め、新たな課題をクリアするために、他機関との連携やアドバイス、経済的支援などが必要です。こういう課題解決への支援は、方針の中にどう生かされますか?
4)国も児童扶養手当の4か月支給を2ヶ月支給にとの動きもありますが市としてはどうお考えか?
また、今大変な方に手を差し伸べるために、就学援助の入学金前倒し支給は、中学生からでもすぐすべきです。このことについては、我が党市議団は平成27年度6月議会から9回にわたりとりあげていました。しかし、今年度国が動くまで、市は主体的に動きませんでした。ここまで制度実現をのばしてきた教育委員会の姿勢を、厳しく指摘します。
まずは大変な子どもに寄り添う立場で、1人でも救う立場に立つと、中学生からでもすぐにでも始めることができたはずです。千葉県では中学生の入学準備ができないと母親が娘を殺すという痛ましい事件もありました。小学6年生で就学援助を受けている人が対象なのですから、すぐにでもできるはずです。「目の前の大変な方に手を差し伸べる」、その立場で早急に取り組むことを重ねて要望します。
5)岡山ユースミーティングの集会に先日参加しました。困難な家庭で育った方々が、奨学金で大学に行けた喜びを語っておられました。給付型の奨学金は、岡山市としてとりくむべきものではないか?