【資料】 2017年11月定例 議案討論(東つよし171221)
市議団事務局(東田) 17年12月21日
日本共産党岡山市議団の東つよしです。甲第171号議案、甲第185号議案の2案の委員長報告に反対の立場で討論をいたします。
公立園廃止・こども園化関連
甲第171号議案は平成29年度岡山市一般会計補正予算(第3号)です。このうち地方債補正3790万円と(25款市債1項市債3目民生債中児童福祉費の保育園・幼稚園一体型施設整備事業費充当3790万円)、歳出第3款民生費第10項児童福祉費第1目児童福祉総務費の幼保一体化整備事業4390万円に関わる予算は、市立江西幼稚園の解体費です。市立幼稚園・保育園のうち30園を市立認定こども園に変え、残りを廃止民営化する計画の一端です。
市立江西幼稚園は、現に園児のいる園であり、廃止して民間にする必要はありません。
障害児受け入れについて今議会で問題になりました。公立幼稚園は基本的に受け入れていますが、私立園には受け入れの保障がありません。補助金などの裏付けがないからです。この度、地域が子ども全員の受け入れの要望を出し、応えるという約束を交わしたと言うことですが、障害のあるお子さんに対してどこまでできるのか。市立園で果たせていたことが後退しかねないものです。
マイナンバー関連
歳入第18款国庫支出金第2項民生費国庫補助金第3目民生費国庫補助金中、児童福祉費補助金、社会保障・税番号制度システム整備補助金362万円と、歳出第3款民生費第10項児童福祉費第1目児童福祉総務費中、委託料の電算機業務委託料543万円はマイナンバーに関わる経費です。児童手当の支給に際し、年金情報にアクセスする整備です。年金情報はかつて125万人分もの情報が流出したことがあります。年金情報を守る手立てもとられないままマイナンバー利用を拡大することは危険ではないでしょうか。
そもそもマイナンバーは国民のあらゆる情報を管理するためのものであります。情報の紐つけをいっそうすすめる予算であり、本質的な問題があります。
新斎場関連
債務負担行為補正中、新斎場整備事業に伴う下水道整備工事費1500万円は富吉新斎場整備に関わる補正予算です。住民合意を待たず新斎場を決めた最初のボタンの掛け違えを直すことなく、既成事実のように工事を進めることは問題です。
中央公民館廃止
甲第185号議案 岡山市公民館条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の制定について は、中央公民館を廃止する条例です。中央公民館は、独立した社会教育機関として、公民館職員の研修や全市的な課題での取り組みを行っています。以前、市民と有識者を巻き込んで行った公民館の検討会答申では、地区公民館の自主性とともに、中央公民館の専門性などが位置付けられ、市内すべての地区公民館に社会教育主事という専門職を配置したという歴史があります。市民と職員の協働によって公民館を作ってきたからこそ、ESD世界大会の成功があります。今議会で活発な議論が交わされたLGBT支援についても、以前から講座などで問題提起してきた実績があります。
公民館の基本方針制定はH30以降です。新たな方針のないまま中央公民館だけ廃止しようというのです。中央公民館の代わりはアイプラザ4階に設置する公民館振興室ということです。公民館の検討会答申の検証をせず、市民的な議論は不十分なままです。なぜ中央公民館廃止を先行するのか。少なくとも、独立した社会教育機関でない「室」という扱いは明らかな格下げです。中央公民館で位置付けられた専門性の確保にとって重要であった社会教育主事を配置する保証すらありません。
公民館は市民の社会教育の自由を守る役割があります。たとえ行政が行おうとしている政策に批判的な側面であったとしても、市民にとって大切なことであるなら問題提起し、学ぶ場を提供する役割があります。中央公民館の廃止で、公民館が社会教育機関としての機能を弱め、上意下達の管理のしくみに組み込まれることを危惧しますし、そうならない保証は何もないのが今回の条例案です。操山公民館の設置に、中央公民館の廃止を合わせなくてはならない道理もありません。
以上の理由で、甲第171号議案、甲第185号議案に反対します。議員各位のご賛同を賜りますことお願い申し上げまして、討論といたします。