酷暑・熱中症への対策まったなし 市の責任で市民の命と健康を守れ
市議団事務局(東田) 18年08月3日
岡山市では今夏、7月としては過去最高の38.1度を観測するなど、記録的な猛暑に見舞われています。
過去40年間の岡山市の7月の気温を調べてみたところ、以前より確実に暑くなっています。市民の命と健康を守るために、これまでの例にとらわれない、思い切った対策を市としてとることが必要です。
(今年7月の気温の特徴)
●1か月間の平均気温は28.9度で、過去10年間で最も高かった。
●1日の最高気温は1か月間の平均で33.6度。最高気温が30度以上だったのは27日、その中で35度以上の日は12日、25度未満の日は1日だった。
●1日の最低気温は1か月の平均で25.0度。最低気温が25度以上だったのは19日、その中で27度以上の日は2日、20度未満の日は0日だった。
●平均気温、最高気温、最低気温すべて、過去10年平均、過去40年平均と比べて上昇傾向。
カラーの表は、小さくて見えにくく申し訳ないのですが、1978年から2018年までの41年間について、7月の毎日の最高気温(上半分)と最低気温(下半分)の一覧です。
最高気温(上半分)の表は、35度以上を赤、30度以上をオレンジ、25度未満を水色で塗っています。
最低気温(下半分)の表は、25度以上をオレンジ、20度未満を水色で塗っています。
全体として見たとき、左(過去)から右(現在)にかけて、だんだんとオレンジや赤が増えていき、水色が減っているのがわかると思います。
特にこの表で注視したいのが最低気温(下半分)です。
水色で塗られた20度未満の日は、1999年ごろまでは大半の年でありました(22年中15年)。それが2000年以降の18年間ではわずか3年しかありません。最近10年で見れば2015年の1年しかありません。
いっぽう、最低気温が25度以上の日は、今年は19日でした。7月ひとつきの三分の二が熱帯夜だったということです。
現在、岡山市では、市立の小学校にも中学校にも、普通教室には基本的にエアコンがありません。市では中学校は来年度から設置を開始し、小学校については中学校設置後に検討することとしています。
7月中旬には、岡山市内の中学校で運動部活中に熱中症の疑いで10人近い生徒が救急搬送され、その後、市教育委員会が、「暑さ指数」が一定条件になれば屋外活動の自粛を求めるなどの注意喚起を学校長に通知しています。
生活保護世帯について、冬季には暖房代の補助がありますが、夏季には冷房代の補助はありません。今年6月の通知により、2018年4月以降に生活保護を受給するようになった世帯にはエアコンの設置が可能になりましたが、2018年3月以前に保護が開始された世帯は除外されています。
今年7月末に、札幌市内で生活保護を受給していた方が室内で熱中症により死亡していた事故では、料金滞納で電気が止まっていました。この日の札幌市の気温は31.0度で、湿度は岡山市より低い値でした。
全国あちこちで起きている事故や事例に真摯に学んで、岡山市民の命と健康を守る具体的手だてをとることが求められます。
市議団では、こういった気象データなども使いつつ、住民のみなさんから寄せられている実情を市に届け、具体的な提案もしながら、酷暑・熱中症対策を市に求めていきます。
※画像が見えにくい場合は、下のリンクからPDFデータをご覧ください。