酷暑・熱中症対策で市と市教委に緊急申し入れ
市議団事務局(東田) 18年08月9日
日本共産党岡山市議団は9日、岡山市と市教育委員会に対して、酷暑・熱中症への対策を求める緊急申し入れを行いました。那須正己副市長と菅野和良教育長が対応しました。
岡山市では今夏、7月史上最高の38.1度を記録し、熱中症での救急搬送が相次ぐなど、記録的な酷暑のもとで命にかかわる事態が発生しています。
党市議団は、市立小中学校の普通教室にエアコンが設置されていないことから、市の設置計画を前倒して速やかにエアコンを設置することや、生活保護世帯にもエアコンを生活必需品として認めること、高齢者や障害者、ひとり親や低所得の世帯、西日本豪雨で被災した世帯などに対して、電気代を補助することなどを求めました。
那須副市長、菅野教育長からは、中学校でのエアコン設置に向けて国に財源を求めていることなどの説明がありました。また、生活保護世帯への対応について、どういうことができるのか考えてみるなどの発言がありました。
緊急申し入れ全文は、以下をご覧ください。
2018年8月9日
岡山市長 大森 雅夫 様
岡山市教育長 菅野 和良 様
日本共産党岡山地区委員会
委員長 矢引 亮介
日本共産党岡山市議団
団長 竹永 光恵
酷暑・熱中症に対応する思い切った対策を求める緊急申し入れ
日頃より市民の福祉向上および子どもたちの教育環境向上に尽力されている市長、教育長をはじめ職員の皆様に敬意を表します。
記録的な猛暑となっている今夏、岡山でも7月には観測史上最高の38.1度となりました。報道によると、県内で熱中症とみられる症状による救急搬送患者は、7月16日から22日の1週間で573人(速報値)と統計史上最多で、80代の2人が死亡する深刻な事態となっています。気象庁は7月23日に異例の記者会見を行い、「経験したことのないほどの暑さになっている地域がある。命に危険が及ぶレベルで、災害と認識している」と述べました。
厚生労働省は今年6月27日に、今年度から新たに生活保護利用を開始した世帯に対して一定の条件下でエアコン購入費などの支給を認める通知を出しました。ただ、この通知では2018年3月以前に生活保護利用を開始した世帯は対象外で、今のままでは猛暑の中で命の危険を感じながら暮らさなければなりません。
全国各地で屋外活動中に熱中症で体調を崩す子どもが続発しています。7月には、愛知県で小学1年生が死亡するという痛ましい事故が起きました。岡山市内でも運動部活中の中学生9名が救急搬送され、市教育委員会は、一定基準下での活動自粛を求める注意喚起の通知を出しています。
岡山市では、市立小中学校の普通教室にはエアコンが設置されていません。市は中学校については来年度中に設置、小学校はその後に検討する計画ですが、近年の酷暑・猛暑を考えると、エアコンの設置は急務です。
酷暑によって人命が失われることは人災であり、人命最優先の立場であらゆる方面からの対策をただちに取り組むことが必要です。根本的には地球温暖化防止対策に本腰を入れて取り組むことが必要ですが、緊急対策として下記の点を、スピード感を持って実施するよう申し入れます。
記
1 単身を含む高齢者世帯、障害者や病気の人がいる世帯、ひとり親世帯、低所得世帯、被災世帯などに対し、冷房利用に伴う電気代相当額について補助する制度を創設すること。また、生活保護世帯について夏季加算を復活するよう国に強く求めること。
2 生活保護世帯へのエアコン設置について、6月27日の厚生労働省通知に該当する世帯についてはその内容を周知徹底し、必要な世帯については速やかに設置すること。
3 生活保護世帯に対して、エアコンは生活必需品であるという考えに立ち、買い替えを含め設置できるよう市として対応すること。
4 小中高校すべての教室へのエアコン設置について、現計画を前倒しし早急に行うこと。設置までの間は、スポットクーラーを導入するなど緊急の対応を行うこと。
5 保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校での高温時の屋外やエアコンの無い場所での活動について、例えば「気温が35度を超えたら活動中止」など、明確かつ具体的な基準を市として設けること。
6 保育所の軒下やプールなど、子どもが裸足で歩く場所で火傷事故が起きないよう、具体的措置をとること。また、熱交換塗装を促進すること。
7 「クールシェア」の一環として、熱中症対策・暑さ対策の「休息所」を各地に設け、広報すること。例えば、市庁舎や区役所・地域センターなど市有施設のホール、文化施設や公民館、図書館など公共施設に「暑さ対策休息所」の旗を掲げ、一時避難ができるようにするなど。
8 日陰の無い屋外での待合場所(駅のバス・タクシーなど)、屋外の公共施設などにはミストシャワーを設置すること。
9 高齢者、小学生にクールスカーフを無償配布すること。
10 農作物等への影響を適宜調査し、生産者への適切なアドバイスとともに、必要な場合には速やかに対策を講じること。
以上