これで、子どもたちの安全が守れますか?
市議団事務局(東田) 16年06月2日
大森雅夫岡山市長が、明日3日の定例記者会見で、岡山市の待機児童解消に向けた対策のうちのいくつかを発表するとみられています。
その中に、保育園等での保育士の配置基準を見直して、保育士資格のない者が保育できるようにする方策が盛り込まれる可能性があります。
全国の認可外保育施設や保育サービスで子どもたちが命を落とす痛ましい事例は、後を絶ちません。
保護者が願っているのは、安全で安心な保育園ではないでしょうか。
保育園に入れない子どもの問題を解決するためだからと言って、安全の切り下げにつながる方策。これでよいのでしょうか。みなさんはどう思われますか?
現場でのリスクはさまざま考えられます。
今までは基本的に全員が保育士でした。数年間の勉強や実習をして国家試験を通った者同士として、互いの最低限の力量も判断できますし、チームとしても機能しやすいです。ここに無資格者(保育の研修を受けた支援員、小学校教諭、幼稚園教諭など)が加わったら、意思疎通、とっさの判断や対応、子どもを観る見方、記録など、さまざまな混乱が発生することは容易に想像できます。
さらに、無資格者と共に働く保育士の心身両面の負担は、今まで以上のものになりかねません。
結局のところ、「なかなか保育士が集まらないから、今いる保育士で預かれる子どもの数を増やそう」という場当たり策です。
短期的には「待機児童の減少」という数値的な効果はあるかもしれませんが、現場の保育士の離職が増えないか、とても心配です。
根本的に、
・低すぎる賃金
・厳しい労働条件
・非正規の割合の高さ
という「ハザード」が、保育士として働きたい、働き続けたいという願いを困難にしています。
ですから、この「ハザード」の解消に真正面から取り組まなければ、「保育園に入れない」問題は解決できないのではないでしょうか。
もちろん、多額の財源が必要になることです。
ですから、政策の優先順位を考え直す政治の判断が必要になるのです。
間もなく始まる6月定例岡山市議会でも、この問題が大きなテーマの1つになることは間違いありません。
直近では6月8日(水)午前10時から開かれる保健福祉委員会でこの問題も議論されます。
ぜひ多くの市民のみなさんに関心を持っていただき、議会へ足を運んだり、地元の議員に声をかけるなどしてみていただきたいと思います。
(注)記事のトップ画像の表は市議団事務局作成