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日本共産党 岡山市議団

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【発行物】 岡山市政ニュース速報版№235(2018.6.28)

18年06月28日

【印刷用PDF】市政ニュース速報版180628

ご意見やご感想をおきかせください。

 

(市政ニュース速報版№235 本文)

6月議会閉会

足守太陽光反対の陳情は全会一致で採択

岡山市議会6月定例議会は28日に、議案42件を可決して閉会しました。党市議団は3件の議案に反対し、竹永みつえ議員が討論に立ちました。
足守地域の大規模太陽光発電施設の計画に反対する陳情は、全会一致で採択されました。市立横井保育園の保護者が提出していた民営化反対の陳情は、採択を主張したのが党市議団だけで、継続審査となりました。

 

  <党市議団が反対した3議案の内容>

①補正予算……新斎場(北区富吉地区に建設計画が進行中)の来年度以降分の予算確保(債務負担行為)のために、新たにガス管工事費用の2億6,400万円を増額するもの。予算上限は、これまで50億円だったものを最大70億円までと答弁。計画地は産廃処分場跡地で、市が宅地並み価格で購入した4億3,000万円は不当に高いと、住民が裁判を起こし係争中。環境や安全面を心配する近隣住民の声に応え、計画を白紙に戻して丁寧な対応をすべき。

②旅館業法施行条例の規制緩和……旅館・ホテルの営業を大幅に規制緩和する内容。アパートやマンションの1部屋からでも営業可能、部屋の明るさ・廊下・トイレなどの設置基準を緩和、1室あたりの利用人数制限も撤廃。さらに政令では、フロントや玄関帳場、人員配置も不要、暖房の設備基準も廃止。宿泊者の安全や周囲の住環境を脅かす規制緩和には反対。

③宇野幼稚園・保育園の園舎増築工事……宇野保育園と宇野幼稚園を統合してこども園化する園舎増築工事。工事場所となっている保育園とは別の場所にある幼稚園は、事実上廃止。未入園児が1500人近くいる岡山市で、保育定員がほとんど増えないこども園にこだわり、保育園を廃止することは、待機児童解消に逆行する。市立園を90以上廃止する計画を撤廃し、市立幼稚園の活用や認可園・保育士増に本気で取り組むべき。

 

【討論原稿】 2018年6月議会 議案反対討論(2018.6.28竹永みつえ)

18年06月28日

 

2018年6月定例岡山市議会は6/28(木)、この日に追加上程された副市長人事案を含む全42件の議案を可決し、足守地域の大規模太陽光発電の設置計画について反対する地元町内会から出されていた陳情を全会一致で採択して、閉会しました。

日本共産党岡山市議団は議案のうち3件について反対し、竹永みつえ議員が団を代表して理由を述べました。

 

反対討論の全文は、次の通りです。

【印刷用】(討論原稿)180628竹永

 

私は日本共産党岡山市議団を代表し、今議会に上程された41件の議案のうち甲第115号議案平成30年度岡山市一般会計補正予算(第1号)他2件の議案に対して、委員長報告に反対の立場で討論します。

まず、甲第115号議案平成30年度岡山市一般会計補正予算(第1号)中、債務負担行為補正の追加、新斎場整備事業に伴うガス工事負担金2億6,400万円についてです。
これは富吉地区に建設が始まった新斎場に係る予算です。新斎場は、当初予算で設計及び工事費等50億円が5年間にわたって債務負担が設定されています。今回はこれとは別に、ガス工事に伴っての債務負担が新たに2億6,400万円追加されるものです。
委員会では燃料をガスに決めた理由として、他の燃料と比べて都市ガスが一番環境にも優しく、コストも安いという説明でした。そこまで環境に優しくと言うのであれば、住民が一番不安に思っている産廃跡地を斎場候補地に選んだことに矛盾を感じます。
そもそもこの斎場は、平成24年に突如「新斎場を富吉地区に」との話が町内会に打診され、推進ありきで、地元住民に丁寧な説明もなく進められたことが問題となっています。産廃の跡地であり、地元住民が環境面での不安もぬぐえず、反対の意見を表明している中で進められてきました。岡山市のそういうやり方が、地域を分断し民事訴訟にまでなっていることを厳しく指摘します。
そして、民事訴訟で示された住民側のこの土地の鑑定結果が6,700万円という数字に比べると、岡山市の購入価格は4億3,000万円という破格の高さです。
しかも、今回の2億6,400万円の工事は当初の50億円の債務負担の上乗せです。今後どこまで膨らむのかとの委員会での審議で、当局は70億円までと答えています。
多額の税金が注がれる事業です。住民合意の無いままどんどん進めるのではなく、いったん白紙に戻すべきと申し上げて反対します。

続きまして、甲第119号議案岡山市旅館業法施行条例の一部を改正する条例の制定についてです。内容は、事実上規制を緩和し、宿泊客の安全をおびやかし、周辺の住環境の悪化を招くものです。
今回の条例の規制緩和で、アパートやマンションの1室でも営業が可能となります。そして、部屋の明るさや廊下の基準とトイレの設置基準も緩和され、1室の人数制限も無くなります。衛生上も安全上も懸念だらけです。さらに、政令では、フロント・玄関帳場を設けず、人員配置の必要もなくなり、暖房の設備基準も廃止されます。
いわゆる貧困ビジネスのたこ部屋状態が、何の基準もなくあちこち増えていくのではないでしょうか。悪質な民泊業者の規制を強化するのではなく、届け出さえすれば、営業を認め、違法民泊を事実上、野放しにできる内容となっています。
もうすでに、他都市では管理者不在型の簡易宿所での火災など近隣住民の安全をおびやかす事件が起きています。
結局、今回の条例改正は、事実上、一年中営業可能な民泊を認めることと等しく、急増する民泊を規制しようと180日間の営業日数の制限を設けた「民泊新法」さえ、骨抜きにするものです。よって認めるわけにはいきません。

最後に、甲第155号議案 工事請負契約の締結についてです。
これは岡山市宇野幼稚園・保育園の園舎増築工事の締結で、宇野幼稚園を廃止し、宇野認定こども園にするためのものです。
特に、宇野だけの問題ではなく市の政策として、岡山市立の幼稚園・保育園122園を30園に減らすことに、私たちは反対をしています。こども園化を名目に市立保育園を廃止することは待機児童解消に逆行します。市立認定こども園の整備は、認可保育園をつくるより、市の持ち出し分がかなり多いわりに、待機児童対策としては効果がありません。現に保育定員が増えないので、こども園が増えても待機児童はあまり減っていません。また地元の子どもすら入れないような園も出ていると仄聞しています。
今年、あらたにこども園になった6園は、それぞれ幼稚園出身の教諭は1人しか配置されていません。300人規模の南方こども園にも1人です。現場では大混乱を起こしているとも伺っています。
ある園の保護者からは、こども園になって「質のいい教育を」といわれていて期待していたのに、子どもの人数だけが増え、少ない保育士の中で子どもが騒いでいるだけで何も出来ていない、ただの子守だ、約束が違う、とお怒りの電話がありました。
待機児童対策は、認可園を増やすこと、せっかくある市立幼稚園の施設を利用すること、保育士の確保に全力をあげ、認可保育園の定員を増やすことが必要です。昨年から未入園児はほとんど減っていないのが現状です。今後、保育無償化も控え、たくさんの未入園児がいる中で公立保育園を減らすというのはとんでもありません。公立園を減らし30園のこども園だけ残すという方針は撤廃すべきと申し上げて反対理由とします。

以上、反対の理由を簡潔に述べさせていただきました。議員各位のご賛同を賜りますようお願いし討論を終わります。

 

明日(2018.6.28)、岡山市議会は6月定例議会の最終日を迎えます。

18年06月27日

 

※討論は、本日6/28(木)です。

(2018.6.28木9:39追記)

 

明日(2018.6.28)、岡山市議会は6月定例議会の最終日を迎え、すべての議案を全議員で採決します。

日本共産党岡山市議団は、今議会に提案された41議案のうち3議案に賛成できず、竹永みつえ議員が反対討論に立って理由を述べます。

討論の様子はインターネットでもご覧いただくことができます。

岡山市議会インターネット中継

ぜひ関心をお寄せください。

 

(反対する議案と理由)

甲第115号・岡山市一般会計補正予算(第1号)

・・住民の声を無視して新斎場建設を進めるための関連予算が含まれているため

 

甲第119号・岡山市旅館業法施行条例の一部改正

・・一般住宅やマンションの1室でも旅館を営業できるようにし、宿泊者の安全を脅かしたり、周辺の生活環境を悪化させる規制緩和が盛り込まれているため

 

甲第155号・工事請負契約の締結

・・市立宇野幼稚園と市立宇野保育園を廃止することに道を開くこども園化の工事予算で、待機児童解消に逆行しているため

【動画】 竹永みつえ、田中のぞみ個人質問(2018.6.20)

18年06月26日

竹永みつえ 個人質問(2018.6.20) 約39分

田中のぞみ 個人質問(2018.6.20) 約55分

 

2018年6月定例岡山市議会の個人質問3日目(6/20)の動画が、市議会HPで公開されました。

この日質問に立った竹永みつえ、田中のぞみ両議員の動画は、上のリンクからご覧いただけます。

動画はパソコンのほか、タブレット端末やスマートフォンからも見ることができます。

【動画】 河田正一、東つよし個人質問(2018.6.19)

18年06月22日

河田正一 個人質問(2018.6.19) 約43分

東つよし 個人質問(2018.6.19) 約42分

 

2018年6月定例岡山市議会の個人質問2日目(6/19)の動画が、市議会HPで公開されました。

この日質問に立った河田正一、東つよし両議員の動画は、上のリンクからご覧いただけます。

動画はパソコンのほか、タブレット端末やスマートフォンからも見ることができます。

 

【動画】 林じゅん 個人質問(2018.6.18)

18年06月21日

林じゅん個人質問(2018.6.18) 約42分

2018年6月定例岡山市議会の個人質問初日=6/18分の動画が、市議会HPで公開されました。

この日質問に立った林じゅん議員の動画は、上のリンクからご覧いただけます。

動画はパソコンのほか、タブレット端末やスマートフォンからも見ることができます。

 

 

【質問資料】 2018年6月議会 田中のぞみ個人質問(2018.6.20)

【質問原稿】 2018年6月議会 田中のぞみ個人質問(2018.6.20)

18年06月20日

※事前提出した版であり、実際の読み上げとは一部異なる場合があります。

 

1 保育環境の充実について
(1)未入園児と待機児童について
今年4月1日時点で、認可保育園に申し込んで入れなかった未入園児は、1447人いました。昨年から48人しか減っていません。一方待機児童は551人です。待機児童と未入園児の違いは何でしょうか。認可保育園に入りたくて入れない状況は改善していないというのが率直な市民の声です。
ア かつて岡山市は10年近く待機児童ゼロとし、500人~800人の保留児を抱えていました。見かけの待機児童をゼロとしたことが保育園整備の遅れを招いたことは否定出来ません。岡山市は、今年、待機児童の定義をさらに変えました。未入園児童のうち、特定の認可外施設に入所した101人を待機児童から外したのです。幼稚園の空き教室を活用した「緊急一時預かり」も含め、合わせて298人の認可外施設入所者が待機児童から外されています。宙に浮いてしまったこの方々は、今後も認可保育園を希望する可能性は高く、まさに待機児童です。
認可保育園に入りたい市民のニーズを曖昧にした「保留児」を再び作っていませんか。市長は就任後、保留児と待機児童の定義がわかりにくい、市民のニーズにそった施策が必要だとおっしゃいましたが、逆行していませんか。298人の検証も必要ではないですか。市長のご所見を伺います。

(2)市立保育園と幼稚園の民営化について
保健福祉委員会に、高島幼稚園と古都幼稚園の民営化に伴う事業者募集条件の概要が示されました。今後、多くの民営化対象の保育園・幼稚園があるため、質問します。
ア 市立幼稚園が保障してきた、希望者の全員受け入れは保障されますか。
イ 市立幼稚園が保障してきた、障害児の受け入れは保障されますか。
ウ 在園児がいる園で運営主体が変わるということはとても大きな変化で保護者の不安は計り知れません。保護者が保健福祉委員に持参された陳情を読んで改めて感じました。市長宛に要望書も出ていると聞きました。市長は読まれましたか。要望書の提出状況と対応についてお示し下さい。
エ 幼児教育無償化や3才児問題を前に、公立施設を30園に絞ることに対する市民の理解は進みません。今やるべき事は、2年後のニーズ変化を的確に把握し、早急な公立幼稚園の3才児受け入れと認可保育所整備に全力を注ぐべきではないでしょうか。

2 学校栄養士の役割と会計年度任用職員について
(1)栄養士の役割について
岡山市は、歴史的に学校給食の調理場ごとに1人の栄養職員(栄養士)を配置してきました。調理の民間委託が進む中で、むしろ、直営の栄養士がいるから、調理部分が民間委託されても質の担保が出来ると市は説明してきました。
しかし、今年度は栄養士の未配置校が11校あります。栄養士配置105人の欠員に必要な臨時栄養士が36人中11人配置できなかった。
岡山市教育委員会が4月13日に出した通知によると、その原因を「市費臨時栄養士の負担が大きく、その業務内容と賃金など勤務労働条件が見合っておらず当職への申し込みが少ない」と分析され、対策として、市費臨時栄養士の業務を縮小し、他校の栄養教諭に兼務させる方法を採りました。市費臨時栄養士の学校には週に1日、栄養士未配置の学校には週に2日、栄養教諭が出張してくるわけですが、とうてい業務がこなせない、残量調査や児童の給食委員会・授業を通した食育の後退、栄養士不在中の食物アレルギー対応が不安、学校が大変といった声をききました。
岡山市は18年間市費正規の栄養士の採用を行ってきませんでした。
ア 栄養士が果たしてきた役割についてどう評価していますか。
イ 栄養士未配置の学校では、栄養士の仕事が学校と調理員に振り分けられています。学校の場合、主食・牛乳の発注、緊急時の発注変更、調理員の健康観察管理、検便受検確認、調理員代員確保補助、給食指導、などが増えています。学校教員の多忙化を増長していませんか。
ウ 市費の臨時栄養士職に応募が無いのは、同じ資格者でありながら低い処遇だからであり、負担軽減として食育やアレルギー対応を職務から外すことは、やりがいや人材育成につながらず逆効果です。なぜ、正規栄養士の採用を行わないのですか。

(2)会計年度任用職員について
2020年4月から会計年度任用職員制度が導入されます。非正規職員が1年単位の雇用に厳格化されます。岡山市には、栄養士以外にも、司書、保育士、公民館職員、相談員など資格や専門性が求められる職種に多くの非正規職員がいます。1年の細切れ雇用に限定されることは、市民サービスの大幅後退につながる大問題だと考えます。
一方で、総務省通知によれば、「常勤職員が行うべき業務に従事する職が存在する事が明らかになった場合」には、常勤職員や任期付き職員を検討することとされています。
ア つまり「相当の期間任用される職員を就けるべき業務」の場合には、会計年度任用職員はあたれない、という認識でよいでしょうか。
イ 今後、全ての非正規職員について方針を決定していかなければならず、これから担当課ヒアリング等が始まると聞いていますが、全体のスケジュールをお示しください。経過措置の有無についてもお示しください。

学校司書を例に質問します。岡山市には小中学校で128人の学校司書がいますが、そのうち96人は非正規の嘱託職員です。この96人は、パートタイムの会計年度任用職員に移行となる可能性があります。
岡山市は、これまで全小中学校1校に1人の学校司書を配置してきました。
その成果は大きく、岡山市の子どもの年間貸出数の小学生の平均は1人約96.2冊で、県内の他自治体で3校を1人の非正規司書が兼務している学校の倍以上です。図書館を使った授業は年間700時間を超える学校もあると聞いています。全国学力学習調査では、読書が好きと答えた割合は、全国平均をはるか上回っています。
TVやゲームやスマホに囲まれ、読書の習慣を身につけることは非常に難しいと感じている保護者の一人として、小学3年の長男が持ち帰る図書館からの便りは、親子読書のスタンプラリーや、新刊紹介や、一冊サービスチケットなど、図書館に足を向ける様々な工夫を感じています。さらに、9割近い学校で、図書館が不登校児童生徒の居場所となっている事例と聞きました。
いずれも、学校司書が常に図書館を開け、蔵書を管理し、職員会議に出て、教師と打ち合わせをし、子どもたちの知的好奇心を掻き立てる工夫を凝らしてきたからこそだと確信します。
学校司書が、1年単位のパートタイム雇用になってしまえば、職業として不安定で専門的な人材は集まらなくなり、前段の栄養士のように兼務校が増えることも想像に難くありません。子どもたちへのマイナス影響は大きいと危惧します。
ウ 学校司書が果たしてきた役割とその成果について具体的にお示し下さい。
エ 市長にお伺いします。岡山市の子ども達にとって、学校図書館の役割は、今後さらに発展させることこそ望まれるのであって、国も2014年に学校図書館法を改正し、新たに学校司書の配置努力を明記しました。ハコだけでは機能しないということです。その後「学校司書の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするものであることから、継続的な勤務に基づく知識や経験の蓄積が求められる」と「学校図書館の整備充実について」で通知を出しています。先進地岡山は、全国からの視察も絶えません。多忙化する教員を専門的・質的に支える存在でもあります。学校司書は正規で配置するべきだと考えますが、ご所見をお聞かせください。

3 岡山市人権教育及び人権啓発に関する基本計画の改訂について
岡山市人権教育及び人権啓発に関する基本計画の改訂の素案が示されています。平成14年に策定された後、16年経って初めての改訂です。今回、分野別施策として「犯罪被害者等」「性的マイノリティ」「インターネット上のいじめなどの問題」「災害に伴う人権問題」などが新たに項立てされました。
通常、計画の改訂に当たっては、現状の分析をしっかり行い、課題を的確に把握することが必須です。ところが、この素案で頻繁に根拠とされる市民意識調査はH25年度実施のものです。5年ごとに行われている人権問題に関する市民意識調査は、今年度9月頃にも実施予定です。
ア 5年経てば市民の人権意識も変化します。最新の市民意識調査に基づいて計画を策定しませんか。しない場合は、その理由をお示し下さい。

次に、分野別施策の5番目に位置づけられている同和問題について質問します。同和問題は、ここに掲げられている他の様々な人権課題と質が違うと思うからです。
部落問題は、一部の人びとが、歴史的に住む場所や、職業や結婚の自由を奪われ、近代社会においてもなお不当な人権侵害を受けてきたという問題です。戦後、日本国憲法の基本的人権を確立する運動や行政施策、特に昭和44年制定の特別措置法が廃止されるまでの33年間に、生活環境など大きく改善されてきたことは素案にあるとおりです。
現在、同和地区は存在しません。人口の流入・流出は格段に進み、特別対策で建てられた市営住宅も一般公募とされて久しく、特別扱いは一切ありません。入居者の家族に居住権利を世襲することが出来ないのは全ての市民に共通です。つまり、主に居住地によって差別の対象となっていた部落問題は、今や差別をうける対象としての人物を特定すること自体が出来ないわけで、この点において、他の人権問題と大きく違います。
現在残っているのは、ごく一部の人たちの間で、「特別対策」などが今も残っているとの誤解や、かつての「地域」へのイメージなどが複合的に現れる「わだかまり」・「こだわり」の問題ではないでしょうか。インターネットの書き込みも主にこのテーマです。これは差別でしょうか。人権侵害でしょうか。
今もなお差別が残っていると主張する人々が根拠にするのが、前出の市民意識調査です。ひどい内容です。「あなたのお子さんが結婚しようとする相手が、旧同和地区の出身の人であることが分かった場合どうしますか」また、「あなたが旧同和地区の出身の人と結婚しようとした時、親族から反対されたらどうしますか」という質問で、反対する、結婚をあきらめるという人が一定いる事を差別の根拠として挙げます。まさに新たな人権侵害です。
イ 障害者やハンセン病や性的マイノリティや外国籍の人など、他の人権問題で同様の質問をしますか。
ウ 結婚問題は、ほぼ全ての人権課題に存在すると言っても過言ではありません。部落問題固有という認識ですか。結婚に反対するという市民がゼロになる事が差別解消の指標ですか。
エ 特に部落問題の場合、質問自体が、結婚相手やその親族がかつてどこに住んでいたのか調べよう、という間違った認識を与えませんか。
オ そもそも旧同和地区とはどこかという質問に答えられますか。
カ 人権問題に関する市民意識調査は、内心の自由を侵すものであってはなりません。内容は慎重に再考されるべきではありませんか。

同和問題が他の人権課題と決定的に違う点は、固有の地域と密着していた人権課題だからこそ、物理的な較差が解消された段階で対策を続けること自体が差別を固定化するという点なのです。平成28年に新法が制定されましたが、付帯決議をみれば「新たな差別を生む」懸念を認めざるを得なかった事が分かります。
キ だからこそ、岡山市が素案で「重要な人権課題」と位置づけ「差別意識の解消」を挙げる以上、具体的に誰を対象にした何を指しているのか、どうなれば解消したと言えるのか、を明確に示す責任があります。お示し下さい。
ク 2002年に一連の特別措置法が終了した際、その理由として総務省が挙げた3つの理由をお示し下さい。
ケ 改めて、同和問題については、分野別施策は不要であると思いますが、ご所見を。

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